世界三大料理のひとつ、それが中華料理だ。誰が決めたのかは定かではないが、中華料理がランクインしていることに異を唱える者はいないだろう。

日本でも中国以外の諸外国でも、世界中で楽しめる中華料理だが、やはり本場の中国で食べる中華料理は奥が深くて実におもしろく、しかも安い。メニューには難解な中国語しか書かれていなくとも、漢字が読める日本人ならば、なんとなく注文もできる。

しかし、そんな中華料理のなかでも、最も簡単に、かつスピーディーに、何も考えずに注文できるメニューといえば「炒飯(チャオファン)」、すなわちチャーハンをおいてほかにない。

今回行ってみたのは、中国は杭州の超ドローカルなエリアの裏路地にある、とある中華料理店。店とはいえど、席は路地に出された簡易的なテーブルふたつだけ。つまりお店は厨房だけだ。

まわりを見ると、他のお店では「お弁当用」の容器にゴハンを次々と盛っている。どこで出されるお弁当なのかどうかは分からないが、どうもお弁当を作るお店が集まる路地のようだ。

中華鍋を手にしたオバサンと目が合った。「何か食べる?」的な事を言っている。記者は「チャーハンある?」と聞いてみた。たいていチャーハンはどのお店でも作ってくれる。オバサンの答えは「有!(あるよー!)」であった。

中華鍋に油を入れ、まずはタマゴをジャッと入れる中華鍋オバサン。動画撮影の準備が整う前に、もうゴハンも具も入っていた。塩、醤油、そのほか謎の調味料が、次々と中華鍋に投入され、オバサンは見事な鍋振りでチャーハンを作り進める。

そして出来上がったのは、普通のチャーハンではなく、唐辛子入りの「高菜チャーハン」であった。価格は6元(約71円)。量は日本の「デカ盛り」なみに多い。

気になるお味は……もちろん美味い。パラパラ系ではなく、ややベシャベシャ系のチャーハンだが、高菜の味と唐辛子のピリ辛がマッチしており、実に美味しくいただけるのだ。

記者は中国で少なくとも100食以上はチャーハンを食べてきたが、「これはちょっと……」と思うチャーハンに出会うことは極めてまれである。基本的に平均以上の味。なかには、街の庶民的な食堂なのに、日本ならば超高級店なみの味を持った絶妙チャーハンに出会うこともある。それでも価格は100円しない。そんな隠れた名料理人に出会うと、中国という国の広さと奥深さを、あらためて感じるのである。

ちなみに、チャーハン以外だと「回鍋肉(ホイコーロー)」や「麻婆豆腐(マーボードウフ)」、「青椒肉絲(チンジャオロースー)」などの注文が楽だ。そして、これまた安くて美味いのである。中国に行った際は、ぜひともいろんなお店で美味いメシを食べまくって頂きたい。

写真:RocketNews24.