2月20日放送の『クイズ☆タレント名鑑』は、2時間の特別版。タレントや有名人をテーマにしたさまざまなクイズを出題するこの番組では、特番ということで普段以上に力の入った企画が目立っていた。

チャレンジ企画では、元フィギュアスケート選手の伊藤みどりがトリプルアクセルに挑戦。現在は何回転できるかを当てるクイズが出題されていた。また、アニマル浜口が「気合いだ」を何回連続で言えるかというクイズでは、浜口の想像を絶する大健闘ぶりに、スタジオが興奮と感動に包まれた。

この番組では、企画だけでなく、出演者の顔ぶれも豪華だ。これでもかというくらい、今バラエティの最前線で活躍するタレントを並べている。そんな中で、芸人同士のやりとりで集中砲火を浴びたのが、千原ジュニアだった。

かつては日本で一流の野球選手として名を馳せたブーマーが、今は何メートル打球を飛ばせるか、という問題が出題された。ここで、千原ジュニアは解答を提示。野球に関する知識が全くない彼は、にやにやしながら自分の出した答えを復唱するばかり。そんなジュニアに対して、同期芸人であるFUJIWARAの藤本から鋭いツッコミが入った。

「自分がMCじゃないと全然がんばらへんやん」

ジュニアは苦笑いしながら、「そんなことないわ! 今のアカンやつやぞ!」と返したが、核心を突く藤本の発言に対する動揺は隠せなかった。

その後も、女性芸人チームに何気ない励ましの言葉を送ったジュニアに対して、有吉弘行がすかさず「たまにモテたい空気出してくるからな」と発言。そこにかぶせるようにして藤本も「ただのスケベや」と、とどめの一撃を放った。

他の番組ではメインMCとしても活躍するなど、安定した実績を持つジュニアだからこそ、そこをうまくいじれば新たな笑いが生まれる。気心の知れた芸人同士の高度なやりとりが見られた印象的な一幕だった。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田

イラスト:マミヤ狂四郎