大手牛丼チェーン『すき家』に、牛丼並盛の6倍の肉が盛られている裏メニュー『牛丼キング』があるのは皆さんもご存知の通り。しかし、『牛丼キング』の上をいくすごい量の丼モノが存在したのだ。
早稲田大学西門のすぐ近くにある食堂『ライフ』が出している肉丼である。見た目も量もハンパじゃない。学生たちの胃袋を満たすために超メガ盛りにしているという。今回は、このド級の肉丼に挑戦してみたぞ!
『ライフ』は1960年代からあると言われている老舗の食堂だ。一説によるとメガ盛り料理の原点ではないかとの噂もある。早稲田大学に通う学生で知らない者がいないほどの有名店で、超メガ盛りの肉丼を提供することで知られている。その噂を聞きつけて、記者も足を運んで実際に食べてみた。
連休前の週末とあって、大学の界隈(かいわい)は人通りが少ない。お店に入ると客はいなかった。店の前で誰かと話をしていたご主人が「いらっしゃい」と出迎えてくれ、席につくと奥さんが水を持ってきた。
記者はお品書きを見ずに「肉丼大盛りで」というと、奥さんが「大丈夫?」と尋ねる。続いてご主人も心配そうに「本当に大丈夫?」と同じ質問を投げかけてきた。「先日すごいの食べたばっかりなので、大丈夫です」と、自信満々に答えると、ご主人はそれでも心配そうな顔をして調理に取りかかったのだ。
そんなにすごいのか? 思わず不安がよぎる。待つこと5分。奥さんが運んできたものは、まるで『まんが日本むかし話』に出てくるような、超メガ盛りの肉丼だった!
うわ! なんじゃこりゃ!? メガ盛りすぎて向こうが見えない! 高さは20センチくらいあるだろうか。想像をはるかにしのぐ量だ。たしか大盛りは並盛り3杯分のはずだったが、これを見ると並盛りも相当な量であると考えられる。たかだか3杯と思ったのが間違いだったようだ。
制限時間40分以内に食べないと罰金を支払うことになるという。「よし! 食うぞ!」とつぶやいて食べはじめた記者。すると、メガ盛りになっているのは肉ではなくご飯であることに気が付いた。超てんこ盛りのご飯に、肉が張り付いているような状態で盛られていたのだ。「こんな量のご飯食えるのか!?」と我が目を疑う。だが食べるのだ! とにかく食べるのだ!
どこから手をつけていいのかわからなかったが、とりあえず食べ始める。ポロポロと肉が下皿に落ちていくので、その肉から片付けることにした。外堀の肉を崩したところで、なかのご飯に攻め入ることに。しかしいくら食べても、肉とご飯が減っているように見えない……。
かき分けてもかき分けても肉だらけ。食っても食ってもご飯だらけ。少し甘めの味付けで口の中が甘ったるくなってきた。口休めに味噌汁をすすり、なんとか半分までこぎつけたのだが、おなかはすでにパンパンだ。ううっ、苦しい。ベルトを緩めてもキツイ。気がつけばすでに30分経過。あと10分で本当に食べられるのか?
食べる事に専念していたために、他のお客さんが店内に入ってきているのに気付かなかった。チラリと見ると、そのお客は私と食べかけの丼を見て、「よせばいいのに」と言わんばかりに口を歪めた。やはり今回の挑戦は無謀(むぼう)だったのだろうか? あと5分で完食しなければならない。とにかく口のなかに詰め込まなければ……。
ところが、もはや一口も食べる気力がなくなり、40分の制限時間をオーバーしてしまった。「すいません、食べられませんでした」とお詫びを言い、通常1,800円のところを罰金2,000円払い、お店を後にした。
さすが、『メガ盛り』の原点と呼ばれるだけのことはある。中途半端な大食い気分でいると、かえって痛い目をみるようだ。もしも挑戦をお考えの方は、まずは並盛りで『ライフ』の肉丼を知ってからにしてほしい。並盛りでも普通の牛丼をしのぐ量であることは間違いない。
■店舗情報
店名: お食事 ライフ
住所: 東京都新宿区西早稲田1-4-20
営業時間:月~金曜日10:30~19:00 土曜日10:30~16:00
定休日: 日曜、祝日
TEL: 03-3202-9266
Photo by Rocket News24 Staff / 佐藤記者撮影