日本では「汚い食堂ほどうまい」という話をよく聞くが、マレーシアでもその法則が当てはまる。デートで汚い食堂に連れて行かれたら気分が萎えかねないが、マレーシア人男性は小汚い店をチョイスすることもしばしば……。節約のためというわけではなく「おいしいから」そういう店をチョイスするのだそうだ。それゆえマレーシアの現地人は、老若男女問わずおいしい小汚い店を熟知している。

今回は、小汚いが抜群にウマイ麺が味わえる店がクアラルンプールにあるので紹介したい。『Chong Ko Hakka Noodle』という、クアラルンプールのCheras地区(パンダン・インダLRT駅付近)にある客家麺の専門店だ。この店は店内に製麺所があり、新鮮な客家麺が味わえることから、昼夜問わず賑わっている。

客家麺とは、小麦粉と水、塩をこねて打ったうどんや冷麦のような麺である。同店では、讃岐うどんぐらいの太さのものと冷麦ぐらいの太さの2種類を用意。鶏そぼろとアサツキをトッピングした汁なし麺に、フィッシュボール入りのクリアスープを添えて食べるのが客家麺の伝統的な食べ方なのだそうだ。写真の麺は4.20リンギッド(約140円)。

初めてこの店の客家麺を味わったとき、感動のあまり言葉を失ってしまった。小麦粉と水と塩をこねただけで、こんなにもおいしい麺ができるなんて、本当に驚いた。コシの強さと、噛み締めるたびに口中に広がる小麦粉の味、そしてほどよい塩気。しっとりとした鶏そぼろがうまいのは言うまでもないが、麺だけでも十分にイケる。

食べ進めていくと、さすがにあっさりしすぎているのでちょっと刺激がほしくなる。地元の人たちは卓上に用意された自家製チリソースをたっぷりかけて、麺を味わうのだ。この店のチリソースはパンチが効いていて非常に辛いが、唐辛子のフルーティーさが爽やかだ。ただかなり辛いので、少しずつかけて食べた方がよさそうだ。フィッシュボールは魚のすり身を丸めて茹でたもので、この店のものは噛むと口中で弾けるほどプリプリしている。

カレー味のスープのチョイスも可能だが、クリアスープを強くおすすめしたい。1週間、毎日欠かさず足を運んだとしても飽きのこない味だ。汚い食堂、万歳!

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影(記者 / 鈴木香穂里)

▼許せる範囲だが、外観も小汚い印象

▼昼食時ともなると、店内は満席に

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