3D

「液晶のシャープ」と言われるほど、シャープは液晶市場を常に牽引してきた企業だ。そのシャープが3D市場へ向け、新たな液晶ディスプレイを開発した。本日発表された液晶は、世界初の原色3D液晶ディスプレイだ。

3D映像を実現する方式のひとつに、アクティブ液晶シャッターメガネ方式というのがある。まず、液晶ディスプレイに右眼用と左眼用の映像を交互させる。その表示に同期し、専用メガネに備えた液晶シャッターが開閉し、映像を右眼/左眼用に振り分けて立体表示させるというものだ。従来この方式は、3D表示時の輝度が低く、クロストーク(二重映り)などの課題があった。

そこでシャープは、同社のテレビ用液晶パネルの中核技術「UV2A技術」に、「FRED技術」「サイドマウントスキャニングLEDバックライト技術」の3つのオンリーワン液晶技術を融合させ、合計4つの技術で従来の課題を解決した。3D表示時の輝度は従来比約1.8倍の明るさで、また、クロストークが極めて少ないため、3Dテレビに最適な液晶ディスプレイを実現したわけだ。

3D映画「アバター」の登場で一躍脚光を浴びるようになった3D市場は、家庭でも3D映像の環境を実現するため、パナソニックやソニー、LG電子などの企業が3D技術を発表している。シャープは後発となるわけだが、3D市場でも業界を牽引することができるだろうか。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影