第1回の『日米の料理番組の比較』では両国の番組の特徴を列挙しその違いを説明してきたが第2回は日米の心霊番組の違いについて説明していきたいと思う。

記者が見ている番組で「Ghost Hunters」というアメリカの番組がある。内容は「幽霊が出て困ってます」という家庭や会社、建物などにゴーストハンターのチームが行ってサーモカメラやボイスレコーダーなどを設置、本当に出るかなどを検証するというもの。ここまでであれば日本でもありがちな番組なのだが、基本的にこの番組のコンセプトは人を怖がらせるというものではなく、「本当に幽霊屋敷なのか科学的に見てみよう」というもので、例えば「音がする」「ドアが開く」「寒気がする」というような現象は、科学的に分析されることも多い。それでも幽霊の証拠らしきものがとれることもあり、これがなかなかおもしろいのだ。ここからが本題。日本とアメリカの心霊番組の違いとは?

1、アメリカの幽霊は結構おしゃべり
2、アメリカ人は幽霊を基本的にこわがらない
3、お祓いという概念はない(悪霊をのぞく)

1、アメリカの幽霊は結構おしゃべり

何かが映像として映り込むより多いのが『音』。音っていうより『しゃべって』いる。撮影時に何かが聞こえる事もあるが、分析後に出てくる事もある。「Please don’t go」や「are you here?」など子供の声も入っていたりする。

2、アメリカ人は幽霊を基本的にこわがらない

まずゴーストハンターのチームは怖がらない。音が聞こえても「おい、今の聞こえた?」「聞こえた聞こえた!」などカジュアルなノリで、たとえ幽霊が電気をつけたとしても、「すごいな、ありがとう!」と全く怖がることはないのだ。もっとすごいのがゴーストハンターのチームを呼んだ家主や会社の人たちである。「来てくれて嬉しいです!」と興奮気味に話すのはもちろんのこと、調査終了後も「いいのが撮れているといいんだけど〜。」とわくわく口調。そして調査の結果を発表する時のリアクションも面白い。何もなかった時はほとんどの人が「わかりました。これですっきりしました。」と言い、あからさまにがっかり。何かが撮れてると「ワオ、これすごいじゃないですか〜」「今背筋がぞーっとしました。」などとうれしそうな表情を浮かべる。自分の家ではなく会社であればそのリアクションはさらに倍増する。

3、お祓いという概念はない(悪霊はのぞく)

このお祓い(いわゆる成仏)という概念がないのは驚きだ。日本の心霊番組ではスタッフが番組冒頭でお祓いをしたり、さらに霊媒師や住職が登場してお祓いをし成仏させる。しかしながらこの番組は「というわけで、この家には幽霊がいます。また何かあれば呼んでください。じゃあ!」といって握手して終了する。その後ゴーストハンターは車に乗り込み帰宅するのだが車内では「いやあ、いい調査だったよ。これでいるってわかったし。本人も納得したしねえ〜」と満足げ。一方、依頼人も「やはり来て頂いて『いる』ってわかって良かったです。」とコメントを残し番組は終了する。

これらの違いは一体どこからくるのだろうか?一世を風靡した霊能者、宜保愛子がアメリカの霊が出る有名なパブにいって「ははは、やっぱりアメリカの人は明るいわねえ。歌なんか歌ってますよ。」というようなことを言っていた記憶がある・・・。心霊現象は心霊現象でもその現象に対する日米の受け取り方がまったく違うというのは間違ってはいなそうだ・・・