70年代から80年代にかけて、土曜の夜を高視聴率で支えた番組『まんが日本昔ばなし』を覚えている人も多いだろう。その中で放送された「みちびき地蔵」という題名の話が、今回の震災への警鐘だったのではないかとして、海外のサイトで紹介されている。

この話の内容は、ざっと要約すると以下のとおりだ。

宮城県気仙沼市大島での物語。地元の伝承によると、亡くなる人はその前日に、天国に導いてもらうため「みちびき地蔵」の前に現れるのだそうな。ある日のこと、仕事を終えた親子が偶然、みちびき地蔵の前に多くの人が並んでいる様子を目撃し、怖くなって家に逃げ帰る。

翌日。浜辺ではいつになく海の水が引いており、村人たちはそこで海藻をとっていた。すると突如、大津波が到来し、多くの人が亡くなってしまう。この惨劇を目の当たりにして、親子は前日に見たみちびき地蔵での出来事を思い出すのであった……というものだ。

そして最後に、この津波被害は当時の資料に記録されていて、今も人々はみちびき地蔵に花やお線香を絶やすことがない、と締めくくっている。

この話を動画と共に紹介した海外サイトは、「歴史は繰り返す。科学とテクノロジーの時代にあって、このような伝承は迷信として片付けられてしまいがちであるが、決して軽視できないものである。みちびき地蔵は、死んでいった祖先から将来世代への率直なメッセージだ」と述べている。

ちなみに東日本大震災でも、大島は津波に襲われた。しかし、島に住む住民は昔から津波への警戒心が強く、高台も多い地形もあって、多くの人は助かったという。

参照元:boingboing.net(英文)