日本には数多くの弁当があるが「駅弁」というと何か特別な感じはしないだろうか。駅や電車の中で売られている駅弁は、その土地の食材や特産品が使われている。

ご当地のエッセンスがぎゅぎゅっとつまった一品、手にするだけで旅情豊かになる。だが、悲しいことにそんな素敵な駅弁にも弱点がある。冷めているのだ。

だが、日本の駅弁テクノロジーはすごい。東北地方で売られている「網焼き牛たん弁当」は、なんと箱についているヒモを引くだけで、いつでもどこでもホッカホカ、まるで焼きたての牛タン弁当がいただけてしまうのである。

ヒモを引くだけで温かい牛タンが食べられるのは東北新幹線などで売られている「網焼き牛たん弁当(1000円)」だ。仙台名物と言えば牛タン。しかし牛タンは冷えてしまうとゴムみたいに固くなってしまうのが弱点だ。本当に柔らかい牛タンが食べられるのだろうか。

説明の通りまず平らなところに置いてみる。そしてぎゅっとヒモを引くと……なんか湯気出てきたー! 1分もしないうちに弁当箱からもくもくと蒸気がのぼり始めたのである。

待つこと5分。フタを開けると中の紙にはうっすら蒸気がついている。ホカホカ、まるで出来たての牛タン弁当の登場だ。

食べやすく薄切りにされた牛タンは肉汁がっ! このジューシー感は冷えたものでは出すことはできない。駅弁で肉汁を見られるなんて……科学の進歩には涙しそうになった。

牛タンほどよく下味がつけられている。弁当特有の濃い目の味付けではない。焼肉屋の牛タンのようだ。麦飯もモチモチでウマい。従来の駅弁概念をくつがえす温かさである。記者は新幹線の中で食べていたのだが目を閉じればそこは仙台だ。

なお、こちらの弁当は温熱効果は約30分続くそうだ。30分もあれば温かいまま最後まで味わうことができる。

しいて言えばもう少し野菜などつけあわせが欲しいところだが、寒い中アツアツのご飯が食べられるのはとても嬉しい。駅弁テクノロジーに万歳だ!

Photo:Rocketnews24.
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▼牛タン弁当

▼お弁当の下には加熱ユニットの収納スペースだ

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