2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の後、多くの人が日本を復興させるため、必死に動いた。救援物資を送る人、募金する人、現地でボランティア活動を行う人、本当にたくさんの人が動いた。

そして今回、日本に更なるエネルギーを送るため、また新たな復興プロジェクトが動き出した。そのプロジェクト名は、「JAPAN UNITED with MUSIC」。これは世界に誇る日本人アーティスト・坂本龍一さんと、音楽プロデューサーの小林武史さんが中心となって立ち上げたプロジェクトで、30名の日本を代表するアーティストが無償でこの活動に参加している。

そして2012年1月25日、彼らのチャリティーソングであるビートルズカヴァー曲『All You Need Is Love』ミュージックビデオが公開された。この楽曲・原盤から生じるすべての利益は、子どもに焦点を当てながら、岩手県「いわての学び希望基金」や宮城県「東日本大震災みやぎこども育英募金」などに寄付されていくという。

しかしここで多くの人が、「なぜ日本語の曲ではなく、海外の曲をチャリティーソングとして選んだの?」と疑問に思うことだろう。その答えは、小林武史さんの言葉を見れば分かる。
 
このプロデュースを引き受けた小林は、その当初をこう振り返る。

「たしかに良い話しだなとは思いました。ただ、最初は少し躊躇もあったんです。なぜ今ビートルズのカヴァーなのか……」

しかし小林は数日思案したのち、ひとつのひらめきを得ることとなる。

「たしかに今の日本の状況に洋楽のビートルズというのは少し遠く感じるんですよね。でも、邦楽が中心で洋楽が聴かれなくなってしまった内向きなこの音楽シーンで、あえてポップ&ロックの古典中の古典であるこの曲を日本人の僕らが今日的な音でクリエイティヴィティの高いカヴァーを提示する。もしそれができれば、リーダーシップが見えずに混沌とした日本社会に、これからの可能性や希望を表せるのではないかと思ったんです。そのためなら(ビートルズという)西洋の力もお借りするのもアリなんではないかと。」

(以上、JAPAN UNITED with MUSIC オフィシャルサイトより引用)
 
現在この『All You Need Is Love』のミュージックビデオは、多くの人に元気と感動を与えており、動画コメント欄には次のような声が記されている。
 
「ヤバイ、ヤバイ鳥肌たったーーー!!!!」
「私は被災者ではありませんが、この曲を聴くととても前向きな気持ちになりました。そうそうたるミュージシャンのエネルギーが伝わってきます」
「感動。その一言に尽きる」
「買おう。少しでも復興の力になりたい」
「私は信じたいです。平和と愛を信じてどこも悪くない。私一人じゃないと思う。誰かを傷つけたいと思う人より助けたいと思う人の方が多いことを」
「まじで感動する。we are the world以来の感動」
「好きなアーティストが参加しているからこの歌を知りました。様々なジャンルのアーティストが、同じ方向を向いて愛を歌う。この行動にすごく意義があると思います」
 
多くのアーティストの魂と想いが、いっぱい詰まった今回のチャリティーソング。そのタイトル『All You Need Is Love』(愛こそはすべて)にもあるように今一度、ひとりひとりが他人・自分への愛を大切にして前へ進めたのなら、日本はもっともっと元気になっていけることだろう。
 
【JAPAN UNITED with MUSIC】参加アーティスト ※50音順
AI、今井美樹、EXILE ATSUSHI、EXILE TAKAHIRO、Crystal Kay、Kj(Dragon Ash)、小泉今日子、小林武史、桜井和寿(Mr.Children)、Salyu、JUJU、SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN、Juno Reactor)、Superfly、トータス松本、東京スカパラダイスオーケストラ(GAMO、北原雅彦、NARGO、谷中敦)、ナオト・インティライミ、難波章浩(Hi-STANDARD)、VERBAL(m-flo、TERIYAKI BOYZ(R))、一青 窈、藤巻亮太(レミオロメン)、布袋寅泰、BONNIE PINK、miwa、屋敷豪太、YMO(坂本龍一、高橋幸宏、細野晴臣)
 
(文=田代大一朗

参照元:YouTube/JAPANUNITEDwithMUSIC-1, JAPANUNITEDwithMUSIC-2, JAPAN UNITED with MUSIC オフィシャルサイト
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▼こちらがそのミュージックビデオ

▼こちらがチャリティーソング製作の経緯を説明した動画

▼『All You Need Is Love』のCD発売日は3月7日! 本当に豪華なアーティストばかり

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