福岡市天神に近い「玄ちゃん」という居酒屋で、吉田拓郎そっくりな歌声をもつ店主が、毎晩ギターを片手に生演奏するという。果たして本当に吉田拓郎に似ているのか、取材班は早速そのお店に行ってみた。

看板には「水産会社直営の店、ちょい飲み処・浜焼き玄ちゃん」と書かれている。店の中に入ると、あまり広くない店内は満席、店主らしき人がギター片手に歌っている。店の入口に立ったまま、しばらくその歌を聴いた。目を閉じて聴いていると、まさに往年の吉田拓郎の歌声そのものだ。ギターの音もいい。居酒屋にしてはすばらしい音響設備なのである。しかも、その店主らしき人が手にしているギターには「Martin」の文字が。なんと、あの有名なマーティンのギターではないか!

若いカップルが席を空けてくれたので、まずは、900円で生ビール、刺身、焼き魚と付出しまで付いてくる「玄ちゃんセット」なるものを注文し、しばしこの店を堪能することにした。出てきた刺身も焼き魚もすこぶるウマイ。しばらく料理に堪能していると、次々と生演奏の奏者が変わり、店の中はライブハウス状態になった。3人ほど登場したが、皆、歌とギターがプロ並みでとても心地良かった。

店の人に話を聞くと、「あのギターはむかし吉田拓郎が使っていたものと同じギターで、100万円ぐらいするらしいです。大将が事前にオーディションして許された人だけあそこで歌えるんです」とのこと。また、隣で飲んでいる夫婦らしき人たちは、わざわざ長崎県からこの生演奏を聴きに来たらしい。なんとまあ、とんでもない店が福岡にはあるものだ。

さらに生ビール1杯追加し、計3杯飲んで気分よく店を後にした。みなさんも、福岡においでの際は一度この「玄ちゃん」に足を運んでみてはいかがだろうか。

寄稿:QBC九州ビジネスチャンネル