定額料金を払うとお得にホテルを利用できる「ホテルサブスク」をご存知だろうか。私は「2拠点生活」や「ワーケーション」に憧れて登録したものの、なかなか使う機会がなく、サイト内で使えるポイントが鬼のように貯まっていた

そろそろ思い切ってポイントを放出しよう。そう決意した私は昨日、ちょっと高級感のある「都内の温泉旅館的なホテル」に泊まってみたのだが……そこで少し不思議な体験をしたので報告しておきたい

・高級温泉宿

用事を終えて、ホテルに着いたのは23時半過ぎ。館内はとても落ち着いた和の雰囲気で、ロビーには桜まで飾られている。やわらかな間接照明に照らされた空間は、静かで、上質で、いかにも高級宿といった空気が漂っていた。

客室は和テイストのセミダブル。普段泊まっている安宿も悪くはないが、たまにはこういう贅沢宿もいい。さっそく浴衣に着替えて、最上階の大浴場へ向かうことにした。


・深夜の大浴場

紺色ののれんをくぐって脱衣所へ。そこまで広くなく、ロッカーの数は20ほどだろうか。大浴場には内湯と外湯があり、露天風呂には温泉が運ばれているらしい。ただ、この日は雨だったので内湯でのんびり過ごすことに。

そこそこのお値段がするからなのか、利用者は外国人が多く、私はテルマエ・ロマエ的な気分を1人でひっそりと味わっていた。しかし外国人はすぐに上がっていくため、私が出る頃には浴室も脱衣所も静まり返っていた


・脱衣所にて

十分に温まった私は、脱衣所で浴衣に着替え、ロッカー裏のパウダールームで髪を乾かした。そして自分のロッカーで荷物を取って浴室を出ようとした時……


出口手前にもロッカーがあることに気づいて……


そこに女性がタオルを巻いて立っていたのである。

女性的な見た目をした男性の方かな、とスルーしようとしたら、相手も「え、え、え……」と動揺している様子。もしかして本当に女性? と思い、私も慌てて「あ、すみません!」と言い残し、浴室から飛び出した。

まさか私が女風呂に入ってしまったのだろうか……と、浴室を出てからのれんを確認すると、紺色の「M」と書かれたのれんが垂れている。間違えたのは女性の方だったようだ

内湯で外国人男性にも会ったから間違いないだろう。あのまま彼女が男湯に突っ込んでいかなくて良かった、と余計な心配までしてしまった。

──と、まあここまではあり得ない話ではない。


・翌朝

そして翌朝、朝風呂に入るためにふたたび最上階の大浴場へ。浴室は男女入れ替え制ではなく、昨夜と同じのれんをくぐったのだが……


あれ?


昨夜、女性がバスタオルを巻いて立っていた「あの空間」がない。ただの廊下と少し狭い脱衣所、パウダールームがあるだけだった。何度も何度も振り返っても、ない。昨夜は寝ぼけていたわけでも、お酒に酔い潰れていたわけでもない。

昨夜と同じロッカーに浴衣を入れ、内湯に浸かった後に(この日も雨で露天風呂には入れず)、同じパウダールームで髪を乾かし、荷物を取って浴室を出た。動線も昨夜と完全に一致している。

しかし、昨夜たしかに存在していたロッカーエリアが、今朝はただの廊下になっていた。マジでなんで? もしかしてバスタオルを巻いていた女性は、座敷童子? それとも忍者? だったのだろうか。

今のところ説明がつかないので、とりあえず報告だけ。同じような体験をしたことがある人は教えてください。


執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.