
こんにちは。ロケットニュース24でインターンシップ中の、日本大学芸術学部文芸学科に在籍する韓国人留学生、カン・ヘジュです。今日は私が外国人として気付いた日韓の飲食店の文化の違いについて話したいと思います。
私が日本の飲食店に行って、一番驚いたのは、おかずが出てこないということだった。
「え、これで終わり?」と思い、日本人の友人に聞いてみると、当然だという反応が返ってきた。
確かにそうなのだ。韓国の飲食店で提供される “パンチャン(おかず)” は、決して義務ではない。
韓国で外食をすると、キムチをはじめ、イカの和え物やナムル、黒豆の煮物など、さまざまなパンチャンが出てくることが多い。
特に焼肉屋、いわゆる韓国で言うところの「肉料理店」では、肉を一品頼んだだけでも、数種類のおかずが一緒に並ぶ。
それは韓国料理に限った話ではない。韓国にある日本料理店であっても、ガリや甘酢漬けが、洋食店ではピクルスが添えられる。
そうした外食文化に慣れてきた韓国人にとって、日本の食文化は少し物足りなく感じられることもあるだろう。
韓国人にとって当たり前のキムチや海苔を注文しようとしても、300〜400円を支払わなければならないとなると、「じゃあ、なくてもいいか」と思ってしまうことも少なくない。
では、なぜ韓国では、これほど多くのパンチャンが一緒に出てくるのだろうか。
・理由1:韓国では、食事は「分け合って食べるもの」
韓国には、一つの食卓に料理を並べ、それを複数人で分け合って食べる文化が根強く残っている。同じおかずを家族全員で共有するため、自然と種類も多くなり、量もたっぷりと用意されるようになったのだ。
一方、日本では、古くから伝わる個食の文化が、現代の定食スタイルにも引き継がれている。個人の境界を尊重する価値観が食文化にも反映されたとも言える。そのため、副菜は必要最低限にとどまり、種類や量も控えめになる傾向がある。
・理由2:異なる味の追求
韓国には、「甘辛い」や「甘酸っぱい」といった味の表現がよく使われている。一つの味だけでなく、複数の味を同時に感じることを好む傾向があるのだ。さまざまな味が一口の中で重なり合うことで、より豊かに味わえると考えられているのである。
一方、日本では、食材一つひとつの味をじっくりと味わうことが重視される。味は決して強すぎず、他の料理の味を損なわないことが望ましいとされている。
こうした食習慣の違いは、食卓の風景にも表れている。おかずの味が混ざることをあまり気にしない韓国に対し、日本では副菜を一品ずつ分けて配置し、味が混ざらないよう配慮する。
何を大切にするかという価値観の違いが、やがて文化の違いへとつながっていったのかもしれない。
・理由3:「情」としてのおかず
韓国におけるおかずは、単なるサービスではない。そこには「情(チョン)」という文化が息づいている。
韓国では、パンチャンは単なる料理ではなく、「自分たちの料理をしっかり味わって帰ってほしい」という気持ちの表れである。
だからこそ、おかずの数が多いほど、もてなされているという感覚が生まれる。
そしてその心遣いは、外食文化において「無料のおかず」という形で、客への配慮として現れているのだ。
例えば、韓国では飲食店に入っておかずを「おいしい」と言うと、サービスだと言って、店員や店主が直接おかわりを持ってきてくれることが少なくない。それは、自分の料理をおいしく食べてくれたことへの感謝を示す、ささやかな誠意の表れである。
それだけではない。キムチやナムルといった韓国の基本的なおかずについては、セルフサービスコーナーを設け、店員に頼まなくても、好きなだけ取って食べられる店も多い。
一方、日本では、韓国よりも食券文化が発達していることからも分かるように、「自分が注文した料理だけを受け取って食べる」という認識がある。食事は、あらかじめ支払った代金の範囲内で完結するものと考えられており、サービスが提供されることはあまりない。
そのため、店側にとっては提供する内容が明確になり、客側にとっても気兼ねなく食事を楽しむことができる。このような外食文化は、決して冷静さを意味するものではなく、むしろ客に負担をかけないための配慮として理解できるのだ。
もちろん、日本においても、副菜や料理を分け合って食べる文化がまったく存在しないわけではない。鍋料理や刺身のように、それぞれが自分の分を取り分けて食べる料理もある。
それでもなお、日本の食卓は全体として、各自の皿や役割が明確に分けられており、その点において韓国の食文化とははっきりとした対照を成している。
日本での暮らしも、気づけば三年目に入った。今では、食事におかずが付いてこなくても、さほど寂しさを感じなくなった。むしろ、定食を注文したときに添えられている小さなおかずが、どこか嬉しく、ひと口ずつ味わうようになった。
そして久しぶりに帰国すると、たっぷり並ぶおかずの一つひとつに感謝しながら食べている自分に気づく。こうした変化こそが、文化の違いがもたらす、ささやかな「妙味」なのかもしれない。
執筆:カン・へジュ(KANG HYEJOO)
Photo:RocketNews24
▼韓国では、多くのパンチャンが一緒に出てくる
カン・へジュ



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