先日、我が家の乾燥機が故障した。正確に言うと、電源は入るものの、まったく乾かない状態である。

結果的に、修理の訪問は4回、約1か月を要したが、この一連の出来事は、家電の延長保証は本当に必要なのかを改めて考えるきっかけにもなった。

そして同時に、こちらの忍耐力と寛容さが、静かに試される時間でもあった。

・乾燥機は某有名メーカーのもの

購入価格は正確には覚えていないが、家電量販店で普通に買った、ごく一般的な乾燥機だ。

購入から約3年。ほぼ毎日使っていたが、これまで大きな不具合はなかった。そんなある日、いつものように洗濯を終えて乾燥機を回したところ、取り出した洗濯物がしっとりしている。

「気のせいかな?」と思い、もう一度回してみる。結果は同じ。つまり、動くけど乾かない。これはもう、故障である。

ここで、ふと思い出した。購入時に1500円ほどで延長保証を付けていたことを。

家電の延長保証は、使わずに終わることも多いし、「入らなくても何とかなったかも」と思うケースも少なくない。購入時の記憶はあいまいだが、おそらく夫が「念のため」で延長したのだと思う。

その “念のため” に、いま救われようとしている。というわけで、所定の手順を進め、メーカーのカスタマーセンターに電話し、修理を依頼することにした。


・1回目の修理は、保証対象外

やってきた修理スタッフは、慣れた様子で乾燥機をチェックし、開口一番こう言った。


「これはフィルターの目詰まりですね」


内部フィルターを交換すれば改善するとのことで、これは保証対象外とのこと。出張費と部品代で、9042円ほどかかると言われた。

正直、「えー」とは思ったが、せっかく来てもらったし、原因が分かったなら仕方ない。そう思って、その場で支払ってフィルターを交換してもらった。

その日の夜、再び乾燥機を回す。


……乾かない。


そう、状況がまったく変わっていない。


・2回目の訪問

翌日、再びカスタマーセンターに連絡。

2回目の修理では、乾燥機を分解し、熱源部分の部品を交換することになった。

試し運転の際、スタッフはこう言った。


「ここが加熱されていなかったみたいですね。もう直りました」


さらに、この時点で「前回の出張費は返金になります」とも伝えられた(フィルターの部品代は実費)。それを聞いて、少し安心したのだが……。

その日の夜、またしても洗濯物は生乾きだった。


直っていない。全然。


・3度目の正直なるか

ここからが、地味につらい。また電話、また日程調整。

修理の日は在宅必須なので、こちらも予定を空けなければならない。しかもこの時、修理スタッフ側の事情もなかなか厳しかった。

「実は、怪我をしてしまって……手が使いづらいんです」「しばらくお待ちいただきたいのと、次回は助手を連れていくので日程が限られます」とのこと。

仕方ないとは思いつつ、「そんなに人手不足なんですか?」と、さりげなく聞いてみたところ、「そうなんですよ……ブラックですよ、本当……」と、ぽろっと本音が漏れた。


そして迎えた3回目の修理。年末も近づいていたし、これで直らなかったら、本体交換してほしいなぁと思っていた。

そんなこんなで見守っていると、今度は基盤の交換。かなり大がかりだ。


「基盤を替えたので、もう大丈夫だと思います」


そう言い残して、修理スタッフは帰っていった。結果は、お察しの通りである。


乾かない。


・そして4回目へ

半ば諦めながら、4回目の修理の日がやってきた。

ちょうど、長女が国語の宿題のタイミングで「猿も木から落ちる」「仏の顔も三度まで」と読み上げている。今まさに、仏の顔を何度目か撫でている状況だな……と思いつつ、若干気まずい気持ちに。

そして、今度は、温湿度センサーを交換して帰っていった。

それを交換して、ようやく乾燥機は本来の仕事を取り戻した。洗濯物が、ちゃんと乾いた。

期間は約1か月、修理は4回。ようやくの復旧である。


・そして年明け、返金にやってきた

年が明けてしばらくして、業者が返金手続きのためにやってきた。封筒を受け取り、中を確認する。

戻ってきた金額は、9042円。

つまり、部品代も含め、全額戻ってきたのかと思っていたら、「一旦、全額返しますね、そして、一番最初のフィルター代720円は改めて払ってください」とのこと。

理屈としては、理解できなくもない。フィルターが交換されたこと自体は事実だ。ただ、同時に温湿度センサーや基板といった部品も交換されており、結果的に、不具合の原因はフィルターではなかったことが判明している。

そうなると、「原因ではなかった部品交換の費用を、こちらが負担する」という仕組みには、どうしても割り切れない気持ちが残った。

カスタマーセンターにも軽く確認してみたが、話がうまくかみ合わず、深追いするのはやめた。

改めて、家電の延長保証は本当に必要なのか。答えは、正直なところ、よくわからない。

とはいえ、もし1500円の延長保証に入っていなければ、基板やセンサーが交換されるたびに、こちらは金額を想像してひやひやしていたはずだし、少なくとも約8000円の出張費や作業代は、免れることができた。

次に家電を買うとき、また延長保証に入るかどうかは分からない。ただ一つ言えるのは、家電の修理において、私の忍耐力と寛容さは、4度目あたりで曇りかけるということだ。

執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.