2026年1月9日から39年ぶりにアニメ放送が始まった『ハイスクール! 奇面組』。これは1980年代前半に週刊少年ジャンプで連載していた学園モノのコメディ作品で、1985~87年までアニメ版も放送していた。

漫画全巻を揃えるほど、私(佐藤)はこの作品が好きで、小・中学校と夢中になって読みふけっていた記憶がある。その作品が新たにアニメになるとの報じられたとき、喜びと同時に複雑な気持ちにもなった。正直なところ「なぜ今新たに?」と思ったのである。

さっそく新アニメの第1話を観たわけだが、「こんな作品だったっけ?」と思い、改めて旧作アニメと見比べたところ、大きな違いがあると感じた。

・スピード展開

第1話を観た感想を一言でいうと「よく作られている」である。

作画のタッチは旧作と比べて柔らかくなり、色合いが薄くなったように感じる。その一方で、原作の畳みかけるようなギャグの連発を踏襲して、テンポよく展開する点は素晴らしいと感じた。

物語は本作のヒロイン、河川唯(かわゆい)が一応中学に転校してくるところから始まり、何気ない日常の風景から奇面組らしいドタバタに発展。あれよあれよと高校に進学してしまう。多数の登場キャラを操り、唯の転入から中学卒業・高校入学までを一気に駆け抜ける。これだけの内容を、1話によく詰め込んだと感心する。

それゆえに、あまりのスピード感とギャグ要素連発で、観ていて疲れを覚えた。仮に私が小・中学生くらいなら、バタバタ劇を楽しく観られるのかもしれないけど、すでに50を越えた初老だ。想像以上のハイテンションな展開に、「こんなんだったっけ?」と思いながらも、なんとか1話を観終えた。


・旧作はゆったり

自分が歳を重ねた影響は多分にあると思う。とはいえ、そもそもこんなにスピード感のある作品だったっけな? という疑問は拭えない。

そこで旧作を全話配信している「UNEXT」で適当に選んだ2~3話を観直してみた。そうしたところ、旧作はかなり原作を忠実にアニメーションに落とし込んでいたことがわかった。

旧作の内容はすでにほぼ忘れているのに、任意で観たエピソードの展開をぼんやり予想できた。それはおそらく、私が原作を読み込んでいたからだと思う。原作に沿って作られていたから、旧作アニメの内容を容易に予測できたのだろう。

とはいえ、この当時も制作上の都合があったと見えて、全部を原作通りにしたわけではなく、一部内容は変更されている。たとえば「五重塔」編は「三重塔」になっていて、「憎組(にくみ)」のメンバーは5人のうち3人しか出て来なかった。

原作に忠実ではあるが、進行は緩やかでギャグのテンポはゆったりしていて、今見ると非常に牧歌的な雰囲気。それが私には奇面組っぽさを感じさせる。きっと懐かしさゆえではあると思うけど。


・どのあたりが紡がれるのか?

今回のアニメはどこまでエピソードを紡いでくれるのだろうか? 旧作のように86話も制作することはないだろう。1期で12話放送するのが最近の傾向なので、人気が出れば2期以降があるかどうか。

もしも続くなら、憎組のエピソードを五重塔でやって頂きたい。それから旧作でアニメ化されていないはずの「プロレス同好会シリーズ」も盛り込んでもらえるとうれしい。いずれにしても、この先のエピソードで原作のどの部分が描かれることになるのか、気になるところだ。


参考リンク:アニメ「ハイスクール! 奇面組」
執筆:佐藤英典

▼第1話の開始6分でいきなり流れた「うしろゆびさされ組」