福岡県北九州市の成人式。それは修羅の国で育ち、節目を迎えた若者たちが……漫画でしか見たことがないレベルのド派手な衣装を身にまとい、ウルトラリーゼント姿で大集結する祭典である。軽い地獄と言っても過言ではないだろう。だがしかし!

毎年現地に立つたびに感じるのは、その奥にある硬派さと真剣さだ。ただ派手なだけの成人式ではない。彼らなりの覚悟を追い続けて、今年で取材は10年目。果たして今年はどんな光景が広がっているのか。新たな伝説は生まれるのか。現場からお届けしたい。

・修羅の国へようこそ

「令和8年北九州市二十歳の記念式典」の会場となるのは、JR小倉駅から歩いてすぐの北九州メッセ(旧西日本総合展示場新館)。


つまり小倉駅は「九州の玄関口」であり、世界観が一変する「魔界への入口」でもある。一度足を踏み入れたら最後、もう戻れない……!



入場ゲートでは毎年恒例の手荷物チェックが行われていたが、ド派手なS級妖怪たちはゲートを通過せず、会場前の公園でサイレンを鳴らしながら叫びまくっていた……10年追い続けてもその理由はいまだによく分からない。


・奇跡の晴れ

ちなみに当日は「もしかしたら雪が降るかも……」と心配していたものの、無敵すぎる新成人が会場に集まりだすと晴れ間が急に訪れて光が差した。マジでこいつらの能力どうなってんだよ。そういえば1年前も大雪・竜巻予報をくつがえして晴れにしていたような


数年前と比べるとやや落ち着いた印象。酒を飲んで暴れたり、殴り合いの喧嘩をしたり、馬に乗って登場したり……といった光景は、もう過去の出来事になりつつある。


一言でいえば、地元を代表するヤンキーたちが集まる “年に1度の感謝祭” のような雰囲気。派手ではあるが、どこか穏やかな空気が会場全体を包んでいた。


・治安が良くなった

もしかしたら年々注目度が高まることで、街全体が自然とそうした空気を作っているのかもしれない。もはや観光地化していると言っても過言ではなく、会場周辺では外国人旅行者もスマホを構えて撮影を楽しむ姿も見られた。


事実、世界的に知られる「ニューヨーク・ファッション・ウィーク」でド派手衣装が絶賛されたことをキッカケに、市はインバウンド向けの観光コンテンツとして活用する方針を示している。これは1つの成功例と言っていいだろう。治安も良くなったわけですし。



・今年注目の男

さて、毎年1人は「干支アイテム(2026年なら馬)」を身につける者が現れるのだが、今年はなかなか見つからない。その代わりに登場したのが……肩にコブラを乗せて威嚇する男である。


毒を持ち、静かに睨み、近づく者を一瞬で仕留めるコブラが……彼の隣にいる友人を思いっきり睨みつけていた。親友だとしてもこれ以上近づくなという警告だろうか。怖すぎるだろ。


・おめでとうございます

毎年のことだが、会場の大半はスーツ姿の男性や振袖姿の女性である。そんな中でも伝統を受け継ぎド派手な衣装で式典に現れる若者たちにはやはり敬意を表したい

暗いニュースが多いこの時代に、愛と勇気と少しの波乱を与えてくれる北九州市の若者たちよ。その持ち前のパワーで、どうか明るい未来を切り開いてほしい。本当におめでとうございます!

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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