新年早々、会社に出社してきた仲間たちと談笑していると、箱根駅伝の話題になった。やっていることは知っている。けど、実際に観に(応援に)行ったことはない。ぶっちゃけ、テレビ中継もそんなに観ない。


ただ。


ひとつだけ覚えていることがある。それは、箱根駅伝の中継でよく映っていた「水が流れる壁の店」の存在。ウチ、母が箱根駅伝の大ファンで、昔から1月2日と3日は必ずテレビで箱根駅伝が流されていたのだ。


その中継の、とある区間で、たびたび映っていたのが「水が流れる壁のある、黒いモダンな建物」。あとは立派な松並木。その2つだけは覚えているし、なんなら幼少期に行った気もする。あの店は一体……?

・家族から有力情報が……

発作的に気になったので、実家にいる母と姉に聞いたところ、有力情報ゲット。なんでも母いわく……遠い昔のその昔、その近辺にあるプールのある宿に家族で行って、私はウンコを漏らしたそうだ。


どういう情報だよ! と思いつつ、姉からも有力情報が。


私の言う「水が流れる壁の店」とは、“ターキー” こと、女優「水の江瀧子(みずのえたきこ)」さんがオーナーだったとも言われる『レストラン水の江』なのではないか? と。

どうやら、我々家族は、年代は不明ながら、親戚と一緒に『レストラン水の江』に行ったことがあるような気がする……みたいな情報だった。そこまでわかったら、あとはAIの出番!



・生成AIの情報は正しいのか……?

生成AI「Gemini(ジェミニ)」に聞いてみると、真偽は不明ながら住所もバッチリ出てきた。調べてみると、国道1号線沿い、かつ、大磯プリンスホテルの近く。国道1号線=箱根駅伝!


ちなみにレストランの内容的には「洋食や和食、ティーラウンジとして営業しており、地元の人やプリンスホテルの利用者に親しまれていた名店」とのこと。


ところが!


その後、レストラン水の江は、建物や「水が流れる壁」はそのままに、中国料理店『饗(きょう)』へと業態変更。ほほう、そうなのか。むしろ、チャーハンのある中華料理はウエルカム!


なお、“なぜ駅伝で有名なのか?” についてもジェミニは以下のように答えている。


「箱根駅伝の3区・8区において、大磯の松並木を抜けた瞬間に視界が開け、この「水の江(饗)」の立派な外観と流れる水がカメラに飛び込んでくる。テレビ中継では「固定カメラ」が設置されることも多く、駅伝ファンにとっては「あ、水の江(の建物)が見えたから、もうすぐ大磯プリンスだな」と判断するランドマークになっていた」


おそらく私は、それを観ていた。さらに、いつかはわからないけど、その近くにも行っていた。なんなら店に入った可能性すらある。これはもう「饗」のチャーハンを食べるしかない!


……と思いきや、残念ながら「饗」は2023年3月末をもって閉店。現在は建物が残っているものの、かつてのように食事ができる状態ではない──とのジェミニ情報。


でもなんか……。せっかくここまで調べたのだし、1月3日の往路の日は、「私の編集当番」の日でもないので、箱根駅伝を応援するがてら、「水が流れる壁の店」を確認すべく、現地へ行ってみることにした。



・向かってみた!

朝早くから電車に乗り、


やってきたのは大磯駅。


ここからバスに乗って、


ジェミニが言ってた住所あたりで降りてみた。停留所的には「大磯プリンスホテル入口」だ。


そして、しばらくウロウロ。


こういう松並木、あったなぁ。


でも、記憶的には、少し歩いたこっちの松並木のほうが近いなぁ……。


というか……


まるで箱根駅伝をやってた感が無い。


本当にここを選手たちは走っていたのか?


もしかして中継で映り込むかなと思い、いちおうロケットニュースの旗も持ってきたんだけど、誰も走ってないところで降っていても、


参加者が誰も着いてこないツアーコンダクターみたいなおじさんが映っていた



・おまわりさんに聞いてみた!

てな感じで、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ、行ったり来たり歩き回るも、それらしき建物はない。


そこで、近くにあった警察署に赴いてズバリ聞いてみたところ……

「知らないなぁ……」。えええ〜〜っ!? なんと、おまわりさん、『レストラン水の江』も『饗(きょう)』のことも知らなかった。もしかしてAI得意のウソ情報で、場所、ぜんぜん違ったりするのか……?


しかし、おまわりさんいわく、たしかにこの通り(国道1号線)を、今朝、箱根駅伝の選手たちが走っていたらしい。間違いなく、この地で箱根駅伝は行われていたのだ。


そう考えると、あまりにも撤収が早すぎる。今朝走っていたはずなのに、旗の一本すら残っていない。まるで違う世界線の場所に来てしまったかのように。



その後、おまわりさんは、ジェミニが示した住所を頼りに、ものすごく細かい地図で調べてくれた。「たぶんこの辺だと思うけどなぁ……」と言われた先にあったものは、


旧吉田茂邸」。休園ではあるが、明日(1月4日)から営業を開始するとのこと。いいなぁ。見てみたかったなぁ……ではなく、私が見たいのは吉田茂の家ではなく水の江瀧子のお店である。


あと、もしやここでは……と思ったのがこちら。それらしきモダンな建物が塀の奥にあったけど、これはたぶん、いま作っているものだと思うので違うよなぁ……。


ちなみにここ、「明治記念大磯邸園」になるそうな。完成したら行ってみたい。


その後、私は、当初の目当てにしていた『饗(きょう)』のチャーハンではなく、その場でリサーチして行き着いた台湾料理屋さんの絶品チャーハンに舌鼓を打ちつつ……(※後日、記事にします)


結局「水が流れる壁の店」を見つけることは出来ずじまいで、通りから見える富士山を眺めたりしながら、もとの大磯駅まで、1時間ほどかけ徒歩で帰った。

一体、この取材は何だったのか。結果的には「遠方に行ってウロウロしてチャーハンを食っただけ」の小旅行ではないか。おまわりさんは「あった」と言うが、本当にここで駅伝があったのか?


ひとりさびしく駅のベンチに座って、


小腹が空いたのでコンビニで買った「ごま大福」と「草大福」を食べていると、なにやら背後に存在感。

「発見して!」と言わんばかりの存在感。ゲゲゲの鬼太郎ばりに、私の後頭部はピーンと妖気を感じ取った。うしろには、何がある? もしや、うしろの百太郎? 振り返ると……


「箱根駅伝の旗」が捨てられていた。


そうか、たしかに今朝、ここで箱根駅伝はあったのだ。「水が流れる壁の店」は見つけられなかったけど、おまわりさんの言う通り、箱根駅伝はあったのだ。


ちなみに今回(第102回)の箱根駅伝は、青山学院大が3年連続9度目の総合優勝(史上初2度目の3連覇)を飾ったとのこと。タイムも大会新記録だったのだとか。


結果的に、一見、意味がないように見えて、実際はとても気持ちの良い遠方取材……いや、小さな旅だった。来年は、もっと早起きして現地に赴き、旗を振りつつ応援したい。


参考リンク:Google「Gemini」
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼見よ、この見事な富士山! 良い旅でした!!