
予算5000円でたった1人の「ぼっち忘年会」を開催するとしたら、あなたならどこへ行くだろうか? 私はというと、迷うことなく快活CLUB一択である。
せっかくの「ぼっち忘年会」なのだから、誰にも気を遣わず、徹頭徹尾ぼっちでいられる場所を選ぶのが正しい作法だろう。それでは入店!
・城を築く
今回利用するのは通常のブースではなくカラオケルームだ。「それならカラオケ屋でいいのでは?」と思うかもしれないが、その理由は後から分かる。
ただ、注意すべきは部屋数である。カラオケ専門店と違って、ネカフェのカラオケルームは数がかなり限られていることが多い。よって事前の予約は必須!
また、週末(土日・祝日)に1人で利用する場合は、料金が2名分かかることがあるので注意が必要だ。
今回は有給を取得し、平日の昼間にこの忘年会に臨んだ。さあ、ここが本日の我が城である!
広々とした個室は、まさに快適の一言。 通常のブースと違って完全個室なので、ヘッドホンをする必要がない。エアコンも独占できるため温度調整も自由自在。まったくもって寒さとは無縁だ。
さらにこの部屋では、店内の漫画も持ち込んで読むことができる。今日は『カグラバチ』の新刊を読むと心に決めてきたのだよ。
ちなみに私(あひるねこ)の最近のおすすめ作品は、ヤンマガで連載中の『平成敗残兵すみれちゃん』と……
『まじめな会社員』などで知られる冬野梅子の新作『復讐が足りない』。作風は真逆だが、どちらも相当面白いので未読の方はぜひ。
・地盤を固める
部屋に戻ろう。今度は持参したノートPCを取り出し、無料のWi-Fiと電源でネット環境を構築する。
実は快活CLUBでは、カラオケ用のモニターでBSやWOWOWの視聴が可能だ。このあたりはネカフェ併設のカラオケならではの強みだろう(店舗によって異なる可能性あり)。
チャンネルを回すと、WOWOWプライム・ライブ・シネマが放送されていたので、とりあえず『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を流しておいた。特に意味はない。
チャンピオンズリーグなどの欧州サッカーを、防音がしっかりした部屋で大音量観戦できるのは熱い。その時間を狙って予約を取るという手もありではないか。
さて、完璧な環境が整ったところで、そろそろ1人乾杯といきたいが……アルコール類を店内で注文するのは正直あまりオススメしない。
なぜなら『アサヒスーパードライ』(350ml)が税込390円もするからだ。
快活CLUBは全店で飲食物を自由にブース・ルーム内に持ち込むことができるため、事前にスーパーやコンビニで買っておくのが正解だろう。ではでは……
今年も1年お疲れ!!
・忘年会スタート
誰の目も気にせず、個室空間でビールを流し込む……。最高である。とここで、注文していた『細切りポテト』と『鶏なんこつ唐揚げ』が到着。いよいよ本格的な宴モードに突入した。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を横目に、時折ネットをチェックし、ポテトをつまみつつ、好きな漫画に没頭する。これらをマルチタスクでこなすという新たな豪遊の形。
その姿はさながら、全盛期のTK(小室哲哉)である。
誰にも邪魔されない至福の時間を過ごせるという意味では、「ぼっち忘年会」の理想形と言えるのではないか。
・まさかの強制終了
ところがここで、予期せぬトラブルが発生する。言い忘れたが、実は一部店舗のカラオケルームは、混雑状況によっては3時間で退室しなければならないのである。
なんでも次の予約が入ったとかで、私は3時間パックで店を出ることに。これは完全に予想外の展開だ。今日はずっと快活CLUBで過ごす予定だったのに……。
しかも漫画に夢中で、1曲もカラオケを入れていない。米津玄師の『IRIS OUT』を歌うつもりだったはずが、歌う前からすでに「駄目駄目駄目」であった。
結局、お会計は税込2240円。予算5000円の企画なのに、2760円も余るというしょっぱい事態に。こうして私の1人忘年会は、忘年しきれぬまま幕を閉じたのである。
– 完 –
と見せかけて、ここから第2部の始まりだ!
・自宅編
快活CLUBを出た私は、その足で近所のスーパーへと向かった。残ったお金で買ってきたのはこちらの4点。
ステーキ肉、赤ワイン、チーズ、そしてデザートのハーゲンダッツ。しめて税込2498円である。
中でも注目は、こちらの黒毛和牛A5ランク肩ロース(ハネ下)だ。価格は168グラムで税込1304円なり! 用意ができたら……
すぐに焼く!
こんな上等な肉に小細工はいらない。強火で1分焼いたらひっくり返して、中火で1分半焼いてフィニッシュ。ソースは不要。塩のみで十分である。
どちらかというと赤身の方が好みだが、今日みたいな日は霜降りの希少部位を食べるのもいいだろう。そう、これは私と肉との対話。やはりステーキは1人で向き合うに限る。
勘とノリだけでラフに焼いたが、ばっちり私好みのミディアムレアで大満足だ。口に入れた瞬間、脂の甘みが爆発する。うまい……! カラオケをし損ねた無念もきれいさっぱり消え去った。
リラックスしすぎるあまり、うっかり毛玉だらけの部屋着のまま撮影してしまったが、むしろこの堕落した姿こそ1人忘年会においては正装。
あらゆる抑圧から自身を解放した先に、真の忘却があるのだ。
あとはチーズでワインをちびちびやり……
仕上げにハーゲンダッツで自分を最大限甘やかしたら、今日のところはお開き。どうもお疲れ様でした。
・約束された優勝
快活CLUBから始まり、想定外の自宅ステーキでゴールした今回の「ぼっち忘年会」。
飲みの場自体は決して嫌いではない……どころか深く愛しているけど、こういう徹底的にソロを貫く忘年会もたまにはいいものである。
自分の欲求をこれ以上ないほど満たし、体だけでなく心にも栄養を注入したい人は、ぜひ真似してみてほしい。100%優勝できること間違いなしだぞ。
【ぼっち忘年会の内訳】
・カラオケ3時間パック+延長料金:1300円
・細切りポテト:450円
・鶏なんこつ唐揚げ:490円
・缶ビール:238円
・ステーキ肉
・赤ワイン
・ベビーチーズ
・ハーゲンダッツ:2498円
合計:4976円
参考リンク:快活CLUB
執筆:元ネカフェ店員・あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼今回は試さなかったが、快活CLUBのカラオケルームはスマホやタブレットの動画をモニターに映せるらしい。