新橋駅には、時々とても気になる匂いが充満している。特定の食材のものだ。どこかの飲食店が出所に違いない。

新橋に来る時は常に何らかの予定があるため無視し続けてきたが、今回は余裕があった。いざ探してみると出所はすぐ明らかに。ここだったか……! 匂いのとおりの店名じゃん

・トリュフ

何の匂いか? トリュフだ。いつもではないのだが、時々かなり濃厚に銀座口周辺に充満している。

どれだけ気になっていても、人というのは、頻繁に利用する場所であるほど好奇心を放置しがちだろう。まだ今度でいいやって具合に。

私もその感じで数年ほど新橋駅のトリュフの匂いをスルーし続けていたのだが、今日は全てを明らかにすることに。

銀座口で立ち止まって1秒。出所は早くも発見された。普通に店名が匂いの原因そのままでしたわ


「Truffle mini」……なるほど、パン屋「Truffle」の駅ナカバージョンだったか。存在は知っていたが、食べたことは無かったな

新橋以上に私がよく利用する池袋東口にもあったと思うが、池袋でトリュフの匂いが気になったことは無い。空気の流れとかによるのかもしれない。

今回も、匂いが気になってなければ、ここのパンを食べることは無かっただろう。やはり飲食店の経営における、ほどよい周囲への匂いの拡散は重要だよなぁ。

豚骨ラーメンとか、特有のくっさい臭いが周囲に漂ってる店ほどホイホイと中に入っちゃうもんな。隣に住んでたら嫌だけど。

さて、商品ケースを見ると、まず目立っていたのは期間限定らしい「八ヶ岳金時芋のバターパン(410円)」。


残り1つまで追い込まれていた「生ドーナツ(410円)」。マストバイらしい。


そして人気No.1だという「白トリュフの塩パン(278円)」。きっとこれが、匂いの原因の最たるものにして、ここの目玉に違いない。

それじゃあ、この3種を1つずつ下さい。手提げ袋込みで1128円であった。


・No.1が一番うまい

それでは順番に食べていこう。


まずは「八ヶ岳金時芋のバターパン(410円)」。色が美味そう。


けっこうちゃんと芋が入っている。サツマイモのバターパンは初めてだなぁ。どんな感じなんだろう。


食べてみると、これは、柔らかい大学芋みたいな、そういう味わいだ! 私は大学芋の味は嫌いではないのだが、硬い感じが少し苦手なのだ。

へえ、いいじゃないか。表面に大量に張り付いている胡麻もいい仕事をしている。トリュフは1ミリも関係していないが、これは美味い。


続いては「生ドーナツ(410円)」


なるほど、気泡が多いタイプの生地か。柔らかいのだな。味はわりと普通のドーナツって感じだった。


最後は「白トリュフの塩パン(278円)」。こいつは買った時から家に着くまで、ずっとトリュフの匂いをまき散らしている


なるほど、中にも仕込まれているのか。


食べてみると、完全にこいつの1人勝ちであった。塩の効き具合がはっきりしていて好感度が高い。

トリュフもゴリゴリで、駅であの匂いに釣られて買いに来た人間の期待に、完全に応えられる仕様であると感じた。

しかも、今回食べた中ではこいつが一番安い。店で人気No.1だというパンが、最も安く、最も満足度が高かったわけだ。「白トリュフの塩パン」はお勧めです。

参考リンク:TRUFFLE
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.