
ジャンボ。
その時、ナイロビの街は混乱していた。ケニアの元首相であるライラ・オディンガ氏が、療養先のインドで死去。それを受け追悼デモが一部地域で行われていたのだが、治安部隊との衝突で死者が出るほどヒートアップしていたのだ。
そんな中、ポテト屋さんに行ってみたら、いまだかつて経験したことのない、究極に緊張感のあるポテト体験をすることになったのだった──。
お店の名前は「インナナウト・チキンフライズ(In-N-Out chicken Fries)」。どこかで聞いたことあるような店名だけど、ケニアオリジナルのレストランだ。ちなみに場所は、モンバサ・ロード沿いにある。
お店に入ってしばらくすると、外が騒がしくなってきた。興奮したデモ隊たちがやって来たのだ。
彼らは私や他の人々のことを、とても険しい目つきで見ていた。デモ参加者の中には、近くを通り過ぎる人々から電話を盗もうとしている者もいた。
店員さんは私に言った。「最大限に気をつけたほうがいい」と。なぜなら、デモ隊の一部がレストランの中にまで入ってきて、私のポテトを盗むかもしれないから──と。
私がポテトを注文した時、店員さんは私に、いざという時のための「安全対策」を教えてくれた。熱い熱いケニアの紅茶か、熱い熱いお湯をグラスで注文するようにアドバイスしてくれたのだ。
なぜ熱い飲料なのか? その答えは、もしもデモ隊が私のポテトを盗みに来たら、熱いケニアの紅茶や熱いお湯を彼らに投げつけることができるから──と。なるほど……。
私がポテトを食べている間、デモ参加者たちは私を怒りの目で見ていた。彼らの中には、「俺にポテトを買ってくれ!」と私に求めてくる者もいたが、「すまない、お金がないんだ」と返事してやりすごした。
ちなみにポテトの価格は150ケニアシリング(約177円)。通常よりも若干高いが、この店のポテトは実に美味しかった。しかし、デモ隊のせいで、非常に恐ろしいポテト体験となった。クワヘリ。
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
▼予想以上に美味しかったインナナウトのポテト。日本の読者様にもオススメできるクオリティだ。
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