松屋が店舗限定でパスタを出した。「うまトマバジルチキンプレート」だ。うまトマシリーズの一味であることをうかがわせる名前だが、明らかに様子が違う。

パスタが盛られているのだ。まあ、うまトマソースにバジルソースがアドされている様子を見るに、ソース自体はパスタでもいけそう。

しかし問題はそのパスタだ。いくら盛るものが美味くても、米が不味けりゃ丼ものは台無しになる。パスタも同じ。ソースが美味くても、麺次第ってものだろう。松屋にやれんのか?

・松屋

これまでにも様々な料理にチャレンジしてきた松屋。一見すると意外なものでも、実はグループ内に専門店があったりした。今回はどうだろう?

公式HPを見ると、松屋グループは「麦のトリコ」という生パスタ専門店をやっているらしい。神奈川に1店舗しかないもよう。


なるほど。今回の「うまトマバジルチキンプレート」に「麦のトリコ」で得たノウハウが導入されていたりするのだろうか。その辺は分からないが、グループ全体で完全なるパスタ初心者でないことは確かとなった。じゃあもう、容赦なくベテランのパスタ系チェーン店と比較してもかまわないだろう。


・980円~

今回の対象店舗数は44でそこそこだが、分布に偏りがある。詳細は公式HPでチェックできる。

値段は定食が1080円でライスの増量が無料。


生野菜なしも選べるもよう。


プレートは980円で、麺2倍でライス抜きがデフォ。


・プレート

今回は、「うまトマバジルチキンプレート」で純粋にパスタとしてどうなのかをジャッジしよう。パスタに普通に味噌汁が付いてくるの、地味に笑えるな。


まあ味噌汁はいい。問題はこいつだ。見た感じは、トマトバジルチキンパスタみたいな。麺2倍の選択肢しかなく、どのようなものが来るかと思っていたが、麺2倍で通常のパスタ1人前くらいになっている。つまり麺1倍だと、ライスとセットでちょうどいい量なのだろう。


チキンはお馴染み、ごろチキ規格品と思われる。プリンプリンで、トマトとバジルで普通にうまそう。


前に「うまトマチキン」があったが、おおむねそこにバジルソースをブチ込んだものと見てよさそうだ。ライスと合わせたら100%勝利が確定している組み合わせ。

しかし松屋はパスタで勝負に出た。


ふむ。けっこう弾力がある麺だ。重みもある。水分を吸っているのか? しかし、伸びているのとは違うように思う。この箸に伝わる麺の感じ、どこかで知っているな……。

まあいい、食べてみよう。まず味だが、もうこれは間違いのない松屋の遺伝子! 「うまトマバジルチキン」っすよ。見た目通り。うまトマチキンにバジルをブッこんだら順当にこうなる。

松屋お馴染みの濃い味付けでジャンクなウマさが、箸を加速させるぜ! そしてこのパスタだ! 箸で持った時に、何か覚えのある感触だったが、食べたら思い出した。

これは学校の給食で出た「ソフトスパゲッティ式めん」!! まったく同一ではないと思うが、分類学上は近しいものに思えてならない。

表面がモッチリしていて、ボテっとした感触と食べごたえで、伸びているわけではないが、コシがあるわけでもなく、アルデンテとは異なる独特の歯ごたえを有する麺。

パスタでガチるなら、サイゼやジョリーパスタの麺と比較しようと思っていた。しかし松屋の「うまトマバジルチキンプレート」は競技が違う!!

純粋なパスタと比べるのは違うと思わざるを得ない存在で、初パスタながら、ベテランパスタ勢と比較される事態を回避した感がある。意図の有無を問わず、結果論的に立ち回りが上手い。

そういえば、今回はフォークじゃなく箸とスプーンを渡されていた。まあ自認はパスタだし、もしかしたら正しくはフォークだった可能性はある。しかし箸の方が食べやすいと思う。そういう麵のタイプ。

そしてこの箸がフィットするモッチリムッチリ麺と、うまトマバジルソース、そしてごろチキ規格のチキンの組み合わせは、確かに美味いものだった。特にソースとチキンの相性はガチ!

しかし麺である必然性は疑問で、ライスでも同じくらい美味いと思う。つまり、ちょっと面白い枠ってことで。近所で提供していたら食べてみると良いと思います。

参考リンク:松屋
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.