つい先日、仕事の関係で生まれて初めて「長崎県」を訪れた。47年間、特に長崎を回避していたワケではなく「ただ行くきっかけが無かった」というだけなのだが、結果的に私は「マジかよ……!」と長崎にビビらされてしまったのである。

・イメージ

私が持つ長崎のイメージは「出島」と「ハウステンボス」あとは「中華街?」くらい。桃鉄だと長崎は「びわゼリー屋」の収益率が高かったことを記憶している。

もちろん悪いイメージもなく、出島の関係から「異国情緒のある街なんだろうな」とは思っていた。私に失態があるとするならば「長崎の地形」について何の予備知識も無かったことであろう。

・洗礼

さて、長崎空港からバスに乗り、到着したのはJR長崎駅。まだ時刻は午前10時、やや時間に余裕はある。ちょっくら散歩してみようかね~? ……と思いつつ、街を歩き始めてすぐに気が付いた……


やたらと坂が多くないか?」と──。


後から聞いたところ、長崎市はむしろ「坂の街」として売り出しているくらい坂が多い街として知られているそう。勾配の高さもあってか、長崎は2021年に「新世界三大夜景」の1つに認定されているそうだ(残り2つは上海とモナコ)。

ただ街を歩いている最中は「上海 & モナコと肩を並べるなんてすげえ!」……なんて思っている場合じゃなく、シンプルに坂道がキツイ。長崎で暮らしたらおのずと足腰が強くなりそうな、ナチュラルトレーニングシティである。

・坂の街、長崎

またその坂道も「なだらかに」とか「ゆるりと」という感じではなく「キュッとあがって平地。そしてまたキュッと上がる」という類(たぐい)。住んでいる人はマジで大変そう……と何度も頭によぎった。

カステラとかちゃんぽんとか言ってるけど、長崎はこんなにハードモードな地形なのか……魔境かよ。短時間で疲労した体でタクシーに乗り込むと、運転手さんは以下のように教えてくれた。


運転手さん「いやー、初めてだと疲れるでしょ? 長崎は地形がすり鉢状になっていて、平らなのは路面電車が走っているところくらいなんですね。右に行っても左に行っても坂に当たりますから。

だから長崎は自転車が少ないんですよ。その代わりに原付は多いんです。まあ私としては老人が短い距離でもすぐにタクシーを使ってくれるので、坂道はありがたいんですけどね(笑)」


また帰京後、長崎市出身の御花畑マリコに同じことを伝えたところ、さらりと以下のように教えてくれた。


御花畑「そうですよ、長崎は坂の街ですよ。タクシーの運転手さんの言うとおりですね。住みたくない? 私は長崎LOVEですけど、長崎生まれじゃない人がそう言うのは同意せざるを得ません。

でもそれを差し引いても長崎は本当にいい街なので。逆にあんなに地形的なハンデがあっても、長崎を好きだって言ってくれる人がメッチャ多いのってすごくないですか?」


・でも好きです

滞在時間12時間だった私は、長崎の魅力の核心に触れたとは思わない。ただ確かに坂道はキツかったが、街並みや食べ物等々「長崎いいところだな」と感じたことは事実だ。

また数カ月以内に長崎を訪問する予定なので、その時はさらに長崎の魅力を知れることを願っている。体調も足元も万全にし、何より「長崎は坂の街」と心して伺うつもりだ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.