無花果(いちじく)の季節だ。あちらこちらから、おすそ分けいただく今日この頃。随分多くの無花果と相まみえているが、そんな記者でも見たことも聞いたこともない無花果が、産直市場にいた。

その名も『バナーネ』というらしく、フランスからやって来た品種らしい。パッケージに「激甘 バナーネ」と書いてあるので、随分甘いのだろう。さっそく、いただいてみるざんす! 


・バナナのような

産直市場のポップによると、バナーネはフランスからやって来た、糖度が高い高級無花果とのこと。衝撃的な美味しさ、であるらしい。


せっかくなので生産者は同じで、よく見るえんじ色の無花果も購入。バナーネと比べてみたい。値段はいずれも6個入って、ひとパック税込500円だった。


しかしバナーネなんて、まるでバナナみたいな名前ねと思っていたら、どうやらその通りである模様。フランス語でのバナナがその名の由来のようだ。

確かに形も無花果とバナナの中間のようである。もしかすると味もそうなのかも……? 眺めているだけでは謎が深まるばかりなので、食べてみるとしよう。


・知っている無花果と全然違う

バナーネとよく見る無花果との大きな違いは、色だ。バナーネは奇麗な黄緑色で、ますますバナナっぽい。大きさはものによるだろうが、そう変わらないだろう。形はバナーネの方がやや尖がっている。


半分に割ると、鮮やかなえんじ色だ。よく見る無花果の、皮の色に近い。しかし無花果って、そもそもこんな色では? という気がしたので、いつもの無花果を二等分にしてみた。


するとバナーネのほうが、より濃いことは一目瞭然。果肉部分の面積も、バナーネのほうが広い。このあたりは、やはりものによるのかもしれないが。


香りはさほど変わらないように感じるが、かじってみると味は全然違った。バナーネは食感がもっっちり、ねっっとりしている。そしてどっしりと非常に甘い。美味しいな。

糖度が高いという、ポップの文句に偽りなしである。確かに無花果ではあるのだが、記者の知っている無花果とは全く違う。目をつぶって食べたらば、つぶつぶの、やはりバナナと言うかもしれない。

その後、いつも食べている無花果を口にしたが、随分さっぱりに感じてしまった。これはこれで美味しく、たくさん食べられてしまう。

しかし、ここまで来るとバナーネとは別の果実のようだ。この世には、まだまだ知らない食べ物があるのだなあと驚かされる。


バナーネは一般市場にはあまり流通していないようだが、それこそ産直市場や道の駅には、夏から秋にかけて置いてあるかもしれない。見かけることがあれば、手に取ってみることをオススメするざんすよ! 

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.