1つの卵に2つの黄身が入っている、通称:二黄卵

そんな二黄卵が続々発生中と話題になっている大学があるらしい。

これは気になると早速買いに行ってみた。手にしたときの感動はもちろん、その後の調理では思いがけず “育児” のような奮闘が待っていた……?

・幻の卵とご対面

子どものころ、初めて二黄卵を目にしたときのワクワクは今でも覚えている。

近年ではすっかり姿を見せなくなったような気がするが、岐阜大学の農場では、毎日のように誕生し、話題となっているらしい。

ということで早速、岐阜大学へ向かった。岐阜駅からの直通バスを利用するとおよそ30分ほどの場所にある。

到着するとすでに先客が。そして「おひとり様5個まで、予約承りかねます」の文字。

パック売りではなく、1個30円でバラ売りされているのだが、ひと目見ただけでわかるほど大きく、存在感がある。

スタッフの方によると、二黄卵は主に産卵を始めたばかりの若い鶏が産むもので、体内の排卵リズムがまだ安定していないため、黄身が2つになるのだという。

岐阜大学では感染症防止などのため同じ日に生まれたヒナを育てて一定期間で入れ替える「オールインオールアウト方式」という飼育方法を採用していて、同じ年頃の鶏が何百羽もいるので、一時的にこのような現象が起きるのだとか。

ただ、市場に流通する卵の規格はS(46~52g)、MS(52〜58g)、M(58〜64g)など重さで細かく決まっていて二黄卵だけを選別して流通させるのは難しく、今ではすっかり市場で見かけない “幻の卵” となってしまった。

・焼いてみたら、思わぬ育児体験?

帰宅して、まずは大きさを確認してみる。

二黄卵はそうでないものに比べて2cmほど長かった。

続いて重さを測ってみる。

二黄卵は約100g、普通の卵は約70gと、およそ30gも多い結果となった。

早速割ってみると、本当に2つ卵黄があった。

しかしこんな声が聞こえてきそうだ。いやいや、二つの卵を割っただけでしょ?

そんな声にお応えして(?)娘を膝の上に載せ動画で再撮影。

ほら! 間違いなくこれぞ二黄卵である。

この卵をどういただこうか、あれこれ悩んだ挙句、シンプルに目玉焼きにしてみた。

あらら……白身が思わぬ方向へ流れてゆく。

そっちじゃないそっちじゃない! と気を取られていたら、黄身が一つ潰れてしまった……

同時に2つの黄身の面倒をみるのはてんやわんやである。ふと双子育児って大変なんだろうな……という思いが頭をよぎる。


2つ目は、先ほどの経験を踏まえ、もう少しゆっくりやってみよう。

いい感じ、いい感じ。

もう少しきれいな形にしたかったけれど、余計なことはやめておこう。そうだ、見守るのは育児の基本のひとつでもある。

そんなこんなで完成!!

あとはいつものお皿に……と思いきや、ここも意外と難しい。二つの黄身の指揮をとる難しさに、またもや双子育児を重ねつつ、すかさず菜箸を投入した。

なんとか成功。

・いざ実食

美味しそうな匂いを嗅ぎつけた娘たちがやってきたので、食べてもらった。

「めちゃくちゃおいしい!!」

娘たち曰く、「とびきりおいしい」らしい。

なぜだろう。私も目玉焼きを焼いただけなのに、いつになく達成感に満ちている。

そしてふと思う。双子のママって本当にすごい!

いや、こんなことくらいで比べるのは失礼かもしれないけれど……。もし街で出会ったら、心からサポートさせていただきたいと思う。

参考リンク:岐阜大学柳戸農場フィールドセンター
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews.24