インスタのDMで連絡してきた中華風の美人な女性は、場所をLINEに移すと顔も名前も別人になり、美女なことは変わりないが「奈良から来たチエ(千恵)」と名乗った。


ものすごく日本語が達者で、なかなか “狙い” を見せてこなかったが、最終的には「長時間かけて信用を築きお金を騙し取るロマンス詐欺師」であることが判明。


そんな「奈良のチエ」が教えてくれたのは、料理名からしてワイルドかつ独創的な「牛のチャーハン」。結果的には過去最高の出来になったので情報共有しておきたい。


奈良のチエからチャーハン情報を引き出すと、前代未聞「フォアグラのチャーハン」なんてのも出てきたが、それは「食べただけで作り方はわからない」とのこと。


その代わりに教えてくれたのが「牛のチャーハン」。最小限の簡単な説明だったが、調理師でもある私の “解釈” でレシピを何度も何度も推敲し、完成へと導いた。


【材料】

ごはん(大盛りの量。私はチャーハンに最適なカルローズ米を使用)
タマネギ(1/4個。大きめのみじん切りにしておく)
たまご(1個。溶いておく)
ニンニク(3片〜4片、なんなら5片。みじん切りにしておく)
ネギ(適量。いろどり的な役割なので青いところを使う。私は万能ネギを使用)
牛肉(適量。薄いやつ)
塩コショウ
サラダ油


【作り方】

その1:熱した中華鍋に油を入れ、牛肉を入れて塩コショウ適量。火が通ったら鍋から取り出して別皿に置いておく。


その2:あらためて油を入れ、ニンニクのみじん切りを入れる。ここからスピーディーな展開になるので要注意。


その3:ニンニクがきつね色になったら卵を投入。この時のタイミングを誤るとニンニクが焦げるので見極め大事。


その4:すぐさまごはんを投入して一心不乱にかき混ぜる。いい感じでニンニク&たまご&ごはんが混じったら……


その5:タマネギと青ネギ(万能ネギ)を入れ、あらためて軽めに塩コショウしてから一心不乱に鍋振りする。


その6:なじんできたら、「その1」で作っておいた牛肉の「塩コショウ炒め」を戻し、炒めながらなじませたら──


\(^o^)/ 完成 \(^o^)/



して、そのお味は──


史上最高の完成度。おそらく誰が食べても「これはウマイ!」と笑顔になるチャーハンがコレであり、私の中では詐欺炒飯ベスト3に入るほど。


まず口の中に飛び込んでくるのは「焦がしニンニク」の香ばしすぎるパンチ力。焦げるか焦げないかギリギリ攻めした結果の「強烈すぎる先制ジャブ」。


そこに味の染みた牛肉とごはんがかぶさってくる。同時に卵とネギが追いついてきて、最後にタマネギの “シャクシャク” とした食感。これが楽しい!

味としては、具材的にも共通しているものが多々あるが、そこはかとなく「ペッパーランチ」の「ビーフペッパーライス」と似ているところもあり、ペッパーランチ好きなら絶対に気に入るはず。


また、個人的に最も好きなチャーハンは『桂花ラーメン ふぁんてん』のチャーハンなのだが、そこはかとなくそれとも似ている。なので牛のテールスープなどが欲しくなる。


このまえ福岡に行った時に食べたチャーハンには、よくタマネギが入っていた。また、北九州出身の知人は「チャーハンにはタマネギ!」と力説もしている。


ということは、タマネギの入ったチャーハンは九州系……と思っても差し支えない気がする。さらに『桂花ラーメン』は熊本のお店。ということは!


自称「奈良のチエ」が教えてくれた「牛のチャーハン」は、材料的にも食感的にも味的にも “九州系” なのであった。


詐欺師はいろいろなウソをつく。チエ、お前、本当は「奈良から来たチエ」ではなく「九州から来たチエ」なんじゃ……?


執筆:迷惑メール評論家&チャーハン探求家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.



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▼動画あり。このレシピを完成させるために3度も作り直した。最初はネギを入れ忘れた。

▼2回目はニンニクを入れるタイミングを変えたが、パンチ力は弱まった。

▼そして行き着いた「三度目の正直」。感動を抑えきれない動画は必見!

▼ロマンス詐欺師チエに対する “チャーハン情報引き出し” は、けっこう早めに仕掛けた。