
気候や風土や植生を背景に、豊かなバリエーションを見せる日本のローカルフード。その一方で、名前だけは知っていてめちゃくちゃ期待して食べたら実際はそうでもない……というものも皆無ではない。イメージが先行し、合格ラインが上がりすぎたために生まれる悲劇が「名物に旨いものなし」だろう。
撲殺覚悟で言うが、筆者にとっては沖縄料理がそうであった。二十年ほど前に行ったとき食べた料理の総括は「全体的に茶色っぽく」「万人向けというよりは珍味で」「話題性はあるけど好きではない」という散々なものだった(謝罪)
それから四半世紀────人生の酸いも甘いも経験して再訪した沖縄で食べたものは、どれもびっくりするくらい旨かった。若い頃の自分はなんだったの? バカだったの? 人間の味覚を持ち合わせていなかったの? というくらい旨かった。誰にも聞かれていないが、ここで勝手に個人的ベストを挙げたい。
・第5位 ハンバーガー
歴史的背景から、アメリカ文化の影響を強く受けている沖縄グルメ。沖縄にしかないハンバーガーチェーンや、個人経営のバーガーショップもたくさんあるという。なかでも “エンダー” と呼ばれて愛される「A&W」の1号店は、「日本初のファストフードレストラン」とも言われるほど歴史がある。
……ということをガイドブックで知って訪れた「A&W」。店内は海外ドラマで見かけるようなダイナーの雰囲気。そしてバーガーは、素材の風味を残しながらも奥深い味。クリームチーズが深みを出しているのだろうか、機械的・画一的なソースの味ではない、手づくり料理の複雑さがある。大規模チェーンにありがちなジャンク感がまったくない。うんまい!
名物「ルートビア」は、ビールのように思わせてアルコールはゼロだというので下戸の筆者も頼んでみた。薬草感のある独特の味わいで、日本のクラフトコーラの個性を十倍くらい強くした感じ。ひとくち目は「うわっ」と思うものの、飲んでいるうちにクセになる。
「湿布のよう」と感じる人もいるらしいが、筆者は「漢方薬を炭酸で割ったよう」と思った。なんと、おかわり無料!
・第4位 ステーキ
これもアメリカ文化の影響から、沖縄にはステーキハウスがたくさんある。しかし人が集まるところに並ぶのは、団体ツアーにも組み込まれる観光客向けの店のようだ。ペッパーミルを放り投げるなどシェフのパフォーマンスが見どころで、それも含めたコース料理になっているので、たぶん地元の人は来ないのだと思う。
しかし、そんなベッタベタな観光客向けレストランでも肉はめちゃくちゃ美味しい! 目の前で焼いてくれるステーキは特別感があるし、切り分けられたブロックはそのまま箸で食べられるほど軟らかい。沖縄滞在中、飽きもせず3回くらいステーキ食べてしまった。
筆者は「知る人ぞ知る穴場」とか「通の店」だとかえって緊張してしまうので、ガイドブックにどーんと広告が載っているような定番店でも十分満足できる。牛肉万歳!
・第3位 島料理
ミミガー、ゴーヤチャンプルー、イリチー、海ぶどう、かまぼこ、ゆし豆腐といった沖縄名物。冒頭に書いたとおり子ども舌だった筆者は、「ローストビーフやポテトやコンポタこそ最高!」と信じており、煮物・酢の物・和え物が多い郷土料理をあまり美味しいと思えなかった。
ところが、いい大人になってからこれらのものを食べると、むちゃくちゃ旨いじゃないか! 素材の滋味がじわりと染み出し、また、それぞれの調理法は風土から生まれた生活の知恵でもある。気候に合っているから、その土地の空気の中で食べるとひときわ美味しい。
自炊ではただ苦いだけにしか感じられなかったゴーヤも、地元の調理人にしっかり料理してもらうと玉子のまろやかさとのマリアージュが絶妙。苦さがアクセントになり、いくらでも食べられる。
・第2位 サーターアンダギー
今では北海道名物も沖縄名物も内地で買える。物産展などでもよく扱っているから、サーターアンダギー自体は珍しくはない。
しかし、現地で揚げたてを食べたら別モノだった。内地で売っているサーターアンダギーはサーターアンダギーにあらずと強く主張したい。
外側はサクッとしており、それもクッキー的な乾いた感じではなく、グレーズ(砂糖の衣)のようなシャリ感がある。それでいて中はふわふわ。黒糖のまろやかな甘みが舌に広がる。
カボチャ味や塩ゴマ味などバリエーション豊富な有名店でも食べたけれど、小さな観光案内所のようなところに並ぶ、自己主張控えめな素朴なやつのほうが美味しかったりした。
・第1位 ソーキそば
沖縄グルメといえば……と連想ゲームをしたならば、真っ先に挙がってくるだろうソーキそば。なかなか好き嫌いの分かれる料理で、筆者の周りでも口に合わないという人が散見される。かくいう筆者も、二十年前に食べたときは馴染まなかった。
しかし、改めて食べてみたらイメージがひっくり返った。
「そば」とは言いつつも、日本そばとはまったく違う。うどんのようなラーメンのような、たくましく太い麺。口に含むと、もっちもちのコシが感じられる。
豚の旨みが溶け込んだスープは、甘塩っぱく濃厚な味わい。同時に脂っぽさもあるから大量には食べられないのだけれど、ガツンとしたパンチとコクがあって、翌日には「また食べたい」と思わせる。こんな美味しいものだったっけ、と目からウロコが落ちた。
・美味しすぎる沖縄
番外編としてブルーシールのアイス。カップアイスはもちろん内地でも食べたことがあるけど、その場でスクープしてもらえる実店舗があるとは知らなかった。とはいえ三大都市圏には店舗があるようで、沖縄限定というわけではないので番外とした。
どれも再訪したら絶対にもう一度食べたいものばかり。「まぁ話のネタに一回は食べたからいいや」というものは何ひとつなかった。
「想像と違った」というものは結構あって、たとえば海ぶどうは、とんぶりのようなプチプチした歯ごたえを想像していたら、イクラのように中から水が飛び出るジューシーな食べ物だった。そんな意外性も旅の醍醐味。
青い海や琉球文化やリゾートライフだけじゃない、沖縄を訪れる理由には確実に「グルメ」がある。あぁぁぁ、また行きたい。
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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冨樫さや








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