一見、真面目そうなのに喋ってみるとちょっと変わった人っていると思う。それがなんとも言えないお茶目さになって、意外と人気者になってるような……。
私の中で、上島珈琲店はそういう「真面目そうに見えて実はちょっと変な店」枠に入っている。UCCが運営する堅実な珈琲チェーンと見せかけて、期間限定のドリンクメニューがかなり攻めているからである。
2025年春の期間限定メニュー「珈琲香るミルク紅茶」も、地味に見えて変なメニューである。結局、紅茶なのか珈琲なのか、どっちなんだい……!?
・コーヒー風味のミルクティー?
2025年2月27日から発売された「珈琲香るミルク紅茶」(R:680円 L:800円、アイスは+20円)は、ダブルネルドリップコーヒーと日本紅茶を贅沢にも同じ分量で混ぜあわせ、ミルクと和三蜜糖を優しく調和させたまったく新しい味わいの創作ドリンク……とのこと。
「贅沢にも同じ分量で」という表現がなんとなく気になる。そうなのか、コーヒーと紅茶を同じだけ混ぜるのは贅沢なことなのか。
コーヒーと紅茶を混ぜるって、思いつきそうで思いつかない。さよならだけどさよならじゃない……的な発想なのかもしれない。いや、ファミレスのドリンクバーで中高生がふざけて作ってそうな気もするな。
珈琲は美味しい。紅茶も美味しい。だけど問題は、それを混ぜたら美味しいかどうかってことなわけですよ。
・実際に飲んでみる
というわけで、注文してできあがった「珈琲香るミルク紅茶」はこんな感じ。
ビジュアルだけ見たら、ただのカフェラテかミルクティー。地味すぎて説明が難しい。あと写真の間が持たない。
あまりにも地味すぎて私くらいのカフェ好きじゃないと、この謎のドリンクを見逃してただろうね。
とりあえず匂いをかいでみたら……
薄いカフェオレみたいな匂いがする。あんまり紅茶っぽさはないかも……。
・忖度なしで言っちゃうよ
で、実際に飲んでみた。わりと私は変わった味の食べ物とかは好きな方である。
うん……
なるほど……
これは……
ミルク紅茶というか、薄いカフェラテって感じかもしれない。
薄いカフェラテの奥から、紅茶のような香りがする不思議な飲み物。不味いわけじゃないし、めっちゃ美味しいわけでもない。一回飲んだら「なるほど……」って感じで、リピートしようとは思わないというか……。
・夢のユニットかと思いきや
「珈琲香るミルク紅茶」は趣味が似てるから気が合いそうだと思って紹介した二人の会話が全然弾まない……とか、大物ミュージシャン同士がコラボしてシングル出したけど、アルバム曲っぽい地味な曲が出来上がったみたいな印象であった。
なにかお互いのいいところを消しあってるような印象を抱いたのが正直なところ。
そもそも和紅茶(日本産の紅茶)って、海外産の紅茶に比べると奥ゆかしい味わいのものが多いんですよね。雑にいうと、あまり香りやコクが強くない。
それに対して、コーヒーってやっぱり香りが強いから同じ量混ぜたら……まあコーヒーの香りが勝つよね。紅茶とコーヒーの比率とか、紅茶の茶葉の種類を変えたりしたらもっと美味しくなるのかも。
ひょっとしたら上島珈琲店がコーヒー店なだけに、紅茶よりもコーヒーに肩入れしている可能性もあるしな。
誰かが思いつきそうな、紅茶×コーヒーの組み合わせ。美味しかったらドリンク界のニュースタンダードの誕生だけど、メジャーになってないってことは、つまりそこまで相性が良くないってこと……かもしれない。
気になった方は4月上旬まで提供予定らしいので、実際に上島珈琲店に行って味わってみてください!
※ちなみに、香港ではコーヒーと紅茶を混ぜた「鴛鴦茶(えんおうちゃ)」という飲み物がポピュラーなのだそう。だけどコーヒー:紅茶=3:7ぐらいの割合で作るとか。半々じゃないらしい