「道の駅」は楽しい。馴染みのない土地の道の駅であればなおさらで、置いてあるものから、その地域らしさを感じられて勉強にもなる。

つい先日、普段はあまり足を向ける機会のなかった道の駅を覗いてみた。大根だけで何種類もあったりと、驚かされることの連続だったが、中でもひときわ異彩を放つものを発見。

どうやらフルーツのようであり『フェイジョア』という、なんだか洗剤のような名前で、記者はこれまで食べたことはもちろん聞いたことがない。一体全体どのような味なのだろうかと、買ってみることにした。


・意外と汎用性が高い? 

柑橘系のフルーツに混じり、ちょこんと陳列されていた『フェイジョア』。見た目は小さなライムのようなメロンのような、緑色の縦に長い球体だ。

触ると固く、このまま食べるものなのか皮をむいて食べるものなのか、はたまた絞って食べるものなのか。全く想像がつかない。謎だ。

買ってみたくはあるが食べ方がわからないのでは困るなと思っていたところ、ポップが目に入る。同じように戸惑う人がいることを察してのことだろう。なんと親切。

そのポップによれば、シンプルにスプーンですくって食べることができるらしい。また生ハムに巻いてドレッシングをかけてサラダのように味わうこともオススメなのだとか。


意外と汎用性が高いのだろうか。それほど難しい食材ではなさそうに感じたので、ひと袋購入することに決定。ちなみに12粒入って、税込280円と価格もお手頃だった。


・今までにない新しい味で美味しい

フェイジョアを手に帰宅し、もう少しこのフルーツについてについて知りたいなと検索してみることにした。なんでもウルグアイやブラジルなど、南米が原産地の植物で日本では果樹というよりは、庭木として徐々に普及している模様。

一般に流通させるほど生産することが、もしかしたら難しいのかもしれない。購入した道の駅にその後もう一度行ってみたが、その時は販売がなかったので、偶然出会えただけのような気がしている。

割とレアな存在のようだ。心していただこうと、購入したフェイジョアを包丁で半分に切ってみる。実の色は白っぽく、種がぽつぽつと見える。ほのかに甘い香りがするが、特にこれといって特徴的なものはなし。


皮が固かったので実もそうなのかと思ったが、スプーンでつついたところ、柔らかそうだ。ポップにあったとおり、すくってそのまま食べてみることにしたい。

まず力を入れずとも、するりと皮からはがれることに驚いた。キウイなんかもスプーンですくって食べることがあるかと思うが、小さいからというのもあってかキウイよりさらに力いらずだ。


そして気になる味だが……ものすごくトロピカル!! 記者のデータにはない、新しい感じである。食感としてはラフランスとマンゴーの間のようで、むちゅっとしたジューシーさ。

味は酸味が強いが、甘味もあり。パイナップルとキウイとバナナやリンゴなどなど、いろいろなフルーツを混ぜ合わせたような、形容しがたい初めての味で美味しい。種も柔らかいのでそのまま食べられてしまう。

日本のフルーツにはまず存在しないような味わいだ。クセがないので、つるつるっと何個でも食べてしまいそう。あっという間になくなる気配を感じ、その前にヨーグルトに入れて食べてみた。


そうするとなるほど、やや酸味が抑えられ味に丸みが出て、先ほどよりはどことなく落ち着く味わいに変化。個人的には酸っぱいフルーツが好きなのでそのままが好みだが、そうでもない人はヨーグルトと合わせるのがオススメだ。

これは量産さえ可能であれば、売れそうなフルーツではないか。繰り返すように食べるときの手間が少ないところがまず魅力的であるし、なにより味が良い。

たくさん採れるのであれば、ジェラートなんかにしても絶対に美味しい。日本で普及する兆しがあまり見えないところが残念で仕方がないが、見かけることがあれば買ってみることをすすめたい。

記者もまた、めぐり合えることを願い、道の駅パトロールに勤しむことにする。

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼大きさはこのくらい

▼皮と実がするっとはがれるところも良い