たった数時間フライトしただけなのに、そこにはいつもと違った光景が待ち受けている。これぞ海外旅行の醍醐味である。自分の中にある様々な常識が、一瞬で崩壊するから海外旅行は面白い。

つい先日のこと。人生で初めて「香港」へと出かけてきた。香港では様々なカルチャーショックを受けたが、ちょっぴり驚いたのが「松屋」での出来事。あれ、なんかラーメンが売ってるんですけど……?

・馴染みの店がズラリ

私(サンジュン)はこれまで複数の国へと出かけてきたが、香港は「日本の飲食店がかなり多い外国」と言っていい。ちょっと驚くくらいの “日系レストラン天国” であった。

吉野家・すき家・スシロー・丸亀・サイゼリヤ……などなど、街の中心部には必ずと言っていいほど日系レストランがあり、特にスシローはメチャメチャ人気があるという。

もちろん我らが「松屋」もあたり前のように出店しており、オレンジの看板が何度か目に飛び込んで来た。ざっとメニューを見たところ「牛めし」や「うまトマハンバーグ」など、メニューも日本と変わらないらしい。

・おや?

……と思いきや、午前中に松屋の前を通りがかると気になる看板が。えっ……ラーメン? しかもインスタントラーメン? というか「出前一丁」じゃね? おっと、こりゃ日本には絶対に無いメニューだぞ?

ご存じの方も多いと思うが、日清の「出前一丁」は香港のソウルフードと呼ばれるほど現地では超定番のインスタントラーメン。そのことは知っていたが、松屋で出前一丁を販売しているとは思わなかった。

現地ではなるべく現地の食事をしたい! でも仕事柄、ネタのためには仕方ない!! というわけで、香港の松屋で「出前一丁」を食べることに。ちなみに「出前一丁」は、開店から11時までの朝メニューのようだ。



・食べてみた

注文したのは「太陽蛋牛肉一丁」で “太陽” は目玉焼きを意味しているらしい。要するに「目玉焼きと牛肉の出前一丁」といった感じだろうか? 価格は1人前38香港ドル(約745円)であった。

タッチパネルでの注文は日本と変わらず、モニターで番号を呼び出されるのも普段と同様。余談ではあるが、カウンターに備え付けの紅ショウガや各種ソース、ドレッシング等も日本と同じであった。

で、およそ5分ほどでやってきた「太陽蛋牛肉一丁」は、出前一丁に松屋の牛肉と目玉焼きがのったメニューであり、それ以上でもなければそれ以下でもない。ぶっちゃけ、自分でも余裕で作れそうだ。

お味の方も「出前一丁に松屋の牛肉と目玉焼きがのった味」としか言いようがなく、強いて言えば甘めのラーメンである。普通にウマいが香港でわざわざ1食分を潰してまで食べる価値があるかは個人の価値観による。

とはいえ「太陽蛋牛肉一丁」を注文するのは現地の方が多いだろう。日本から遠く離れた地で「松屋」と「出前一丁」が香港の人に受け入れられているという事実にアツい涙を禁じ得ない。多謝香港。

まあ、せっかくの香港旅行ならばわざわざオススメはしないものの、豆知識として「香港の松屋では出前一丁が食べられる」と覚えておくといいかもしれない。中には現地の食べ物がダメな人もいますから。あくまで豆知識として。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼メニューは日本とほぼ同じ。

▼同じビルにはサイゼリヤがあった。