普段から馴染みのあるメーカーであっても、実は知らない一面を持っているということは多いだろう。

例えば『あずきバー』で有名な井村屋がホームメイドパイの店『アンナミラーズ』を運営していたり、『ミスタードーナツ』の運営元は環境衛生のフランチャイズ企業『ダスキン』であったり。

筆者にとってそれぐらいの衝撃的だったのが、超本格的なレトルトタイカレーを製造するメーカー『ヤマモリ』の福袋だ。

えぇっ、タイカレー以外にもこんな商品作ってたんかい~っ! っていうか、タイカレーよりもむしろ そっちの方がメインなんかい~~~っ!?!?

・レトルト食品の福袋

筆者にとってヤマモリとは、超本格タイ食品メーカーだ。

レトルトカレーだけにとどまらず合わせ調味料やソース、パックのジャスミンライスなど。ヤマモリが製造するタイ料理・調味料は、日本国内でタイ料理を楽しむには欠かせないアイテムだ。

そのためヤマモリの福袋を楽天で発見した時は「キターッ!」とばかりに即注文し、到着の日を指折り数えて待っていた。


ただ、ひとつだけ不思議なことがあった。

ヤマモリといえばタイ料理のハズなのに、福袋の中にはタイカレーとは別に見慣れない商品が同梱されているらしいのだ。

「コレは一体なんだ?」「っていうか、なんでこんな商品をヤマモリが作っているんだ??」疑問は尽きないが、細かいことは気にしないことにした。


・レンジでやまもり福袋2025

自宅に届いたのは2つの段ボール箱。「あれ? 頼んだのは1セットなんだけどな」と思いながら開封してみると……

おぉっ、どちらともヤマモリ商品だった!


すべて取り出して並べてみると、こう!

・タイカレー レッド(2個)
・タイカレー マッサマン(2個)
・タイカレー グリーン(2個)
・タイカレー イエロー(2個)
・タイカレー プリック(2個)
・神田カレーグランプリ マジカレー お店の中辛 3袋入
・名古屋丼 名古屋あんかけ丼
・名古屋丼 台湾丼
・名古屋丼 鶏まぶし丼
・名古屋丼 どて丼
・名古屋丼 若鯱家カレー丼

全16アイテム7014円相当が入って税込5500円。すべて電子レンジだけで調理できることから『レンジでやまもり福袋』と名付けられた福袋である。並べるとその数に圧倒される、迫力があるなぁ~!!


この中で筆者がもっとも馴染みあるのが、こちらのグリーンカレーである。

初めてこの商品を食べたのは、忘れもしない2006年。当時 父の仕事の関係で某東南アジア国から日本へと引っ越したばかりだった筆者は、現地で食べたエスニック料理の味に飢えていた。

しかし残念ながら、引っ越し先が地方だったためタイ料理店なんてシャレた店はない。

──そんな中、ジャスコ(現イオン)のレトルトカレーコーナーに並ぶ ヤマモリのタイカレーに救われたのだ。ひと口食べた時に受けた「タイの味そのまま!」という衝撃は今も色あせない。


それもそのハズ。ヤマモリのタイカレーは、すべて現地の工場&指定農場で栽培されたフレッシュハーブを使用して製造されているのだ。

語ればまだまだあるのだが、長くなりそうだから割愛(かつあい)しよう。とにかくヤマモリのタイカレーはガチってことだけ知っておいてほしい。


さて、ここで冒頭に話していた見慣れない商品について触れていこう。それがコレ。

名古屋丼ってなんだ……?


なんでヤマモリが名古屋のご当地料理のレトルト食品なんて作ってるんだ? あと「あんかけ丼」なんて存在自体を初めて知ったぞ。

あんかけパスタじゃなくて丼? それって美味しいのか??

調べても開発のきっかけは掴めなかったのだが、なんとなく事情を察することはできた。

ヤマモリの本社は三重県桑名市にあり、名古屋とはすぐご近所。また直営のタイ料理レストラン『サイアムガーデン』が名古屋市内にあり、きっとなにかしらの繋がりがあるのだろう。

おまけに 今日まで知らなかったのだが、そもそもヤマモリは1889年に醤油・味噌など和調味料の製造からスタートした会社で、和食レトルト食品こそが元々の本流。タイカレーの方が後から追加された事業だったのである!


ふぅーん、面白いじゃん名古屋丼。気になるしさっそく食べてみようかな。

ついでだから、まだ食べたことがないタイカレー「プリック」も食べてみようかしら。


・食べてみた

かつては湯煎でなければ温められなかったが、ここ最近はヤマモリのレトルト食品も電子レンジ加熱OKになっている。

たった1分ほどでアツアツの食事が用意できるんだから、本当に便利な世の中になったよな。


あんかけ丼はご飯にかけて、カレーはボウルに盛り付ければヤマモリ国際交流ランチの完成!


まずは未知の領域、あんかけ丼から食べてみる。果たしてトロみの付いたトマトソースは米に合うのだろうか?

口に入れると意外とトマトの主張はなくて、いろんな野菜の旨味ビーフエキスが混ざってひとつの味になっている。想像よりも甘くはなく、むしろコショウがめちゃめちゃ効いて そこが食欲をそそってくる。


うん……なんだかよくわからないけど、美味しいのは間違いないぞ。

ナポリタンスパゲティと中華あんかけ丼を足して2で割り、酸味を引いた感じだろうか。

食べたことがあるような懐かしい味がする気がするのに、記憶をたどると実際には食べたことがなかったような、不思議な味の料理あんかけ丼。小3で転校して以来数十年ぶりに再会した幼なじみみたいな、絶妙な既視感のある味でした。


一方プリックはといえば、ヤマモリのカレーの愛好家としては馴染みあるビジュアルからのスタートだ。

8個ぐらいたっぷりと鶏肉が入ってるし、コブミカンの葉やプリッキーヌ(タイの唐辛子)が使われてるし、具材の多さと本格度に関しては右に出るものがいない。ヤマモリはやっぱり最強のレトルトタイカレーメーカーだよ!


見ためや具材だけでなく、もちろん味も強い。

口に入れた瞬間はレモングラスの爽やかな味が広がって、「あぁなるほど、爽やか系のカレーね」って思ったら……かっっっら! 辛ぁぁ~~っ!!

辛党を自称する筆者ですら辛いと感じるんだから、一般人が食べたらどうなっちゃうんだろう!?


よく見たらコショウの粒まで浮いてるし。

唐辛子だけじゃなくてコショウでも攻めるのがプリックのやり口なのか!?

しかし美味い。いろんなスパイスが鋭く効いていて、レトルトじゃなくてレストランの味。さすがはヤマモリ、他社には真似できない本格派カレーをいとも容易く出してくるっ!!


プリックに関してはちょっと異常なテンションになってしまったが、とにかくヤマモリの福袋を買えば美味しく本格的な名古屋飯とタイカレーが楽しめることは伝わったんじゃないだろうか。

楽天市場のヤマモリ公式ショップでは 今回ご紹介したセット以外にも、タイカレーとジャスミンライスがセットになった福袋や、さらに豪華でボリュームたっぷりな福袋など、ファンにはたまらない福袋が多数販売されている。

是非ゲットして、筆者と一緒にヤマモリまみれの年末年始を送ろうじゃないか!

参考リンク:レンジでやまもり福袋2025ヤマモリ公式
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼商品箱の背表紙(?)に料理名が書かれているので、立てて収納するのに便利だ

▼1点だけ3袋入りのマジカレー。業務用のかさ増し要員かと思ったら……

▼神田カレーグランプリで優勝した人気店のカレーだった。失礼しましたっ!

▼どれも賞味期限まで1年ほどあるため、非常食のストックにもオススメ