来るたび街の様子が変わっている名古屋って本当スゴイと思う。その代償に「以前取材した店が無くなっている」といった事案も頻発するが、それも名古屋のアグレッシブさゆえのこと。名古屋……スゲェよ。

そんな名古屋の繁華街・大須の商店街を半年ぶりに歩いてみたところ、なんかめっちゃエモい店を見つけた。「Sugakiya」の文字が見えるが、私の知っているスガキヤとは違った。それはもう、全っ然違った。ガチで。

・ピンクのスガキヤ

スガキヤは愛知県を中心に東海・関西圏に進出するラーメン&甘味の店。

「基本のスガキヤ」は赤を基調としたつくりで、愛知県内ならいたるところで目にすることができる。なぜ見てきたような口ぶりなのかというと、私は一時期名古屋に住んでいたからです。


で、今回目撃したスガキヤ・大須店のビジュアルがこちら。



……やってんな。


・圧がすごい

“昭和レトロ” なるワードが定着して久しいが、注意したいのは「昭和なら何でもいいワケではない」ということ。昭和レトロは “懐かしい” “オシャレ” “カワイイ” 等といった、昭和のポジティブな部分のみを指すのが基本スタイルだ。

なお、ここで重要なのは “なんか懐かしいっぽい雰囲気” であって、実際に当時を知っている必要はないのが昭和レトロ界隈の特徴。この昭和レトロですよ圧がすごいスガキヤ、今年2024年6月に「昔のスガキヤ」としてリニューアルされたものらしい。

具体的には1970年代ごろのスガキヤを再現したとのこと。70年代といえば、ウチの両親が青春を過ごした時代か……なんかドラマ『不適切にもほどがある!』みたいだなぁ。


うおおぉぉ、懐かしィィィイイイ!!!!!



・あるぜ限定メニュー

70年代のスガキヤなど見たこともないどころかそもそも生まれていない私だが、先ほどお伝えしたとおり、この場合「懐かしい」は正しい感想。いかにも70年代シティポップといった感じ(知らんけど)のオシャレな店内である。

お店の方に訊いたところ、『ネギラーメン』『ポンチ』『コーヒーゼリー』『ヨーグルトシェーク』『ジャンボドリンク』『メロンフロート』『オレンジフロート』そして『生玉子』が大須店の限定メニューらしい。

『生玉子』は “普通のスガキヤではラーメンに半熟玉子が乗っているところを、昔にならって生玉子を使用している” という意味だ。

食レポにあるまじきこのアングルは、当然ながら狙ったもの。『懐かしの特製ラーメン』(630円)と『メロンフロート』(330円)……エモい。

おぉ……ただでさえ玉子風味のするスガキヤが、生玉子によって “玉子そのもの” レベルにまで昇華している。これは完全に好みによるが、個人的には生玉子バージョンのほうが断然好き〜!



スガキヤのラーメンって、いい意味で「何がイイのか分かんない」味だ。スガキヤの味としか説明しようがない、でもたまに食べたくなる味。知らない方は各自でご確認いただきたいが、このよく分かんない味が昭和レトロな店内と妙にマッチして、私はさらにエモい気持ちになったのだった。

なお店内BGMは『お嫁サンバ』(郷ひろみ / 1981)、『WAKU WAKUさせて』(中山美穂 / 1986)、『1986年のマリリン』(本田美奈子 / 1986)など、なんかもう笑っちゃうしかない昭和J-POPのオンパレード。5〜60代の方なら入店と同時に泣くかも?

昔のスガキヤを知ってる層も知らない層も、あますことなく「懐かしい」って気持ちになれるスガキヤの大須店。メチャクチャ楽しいのでもっと店舗を増やしてほしいが、レアだからこそ価値があるとも考えられるよね。昭和レトロと同じでさ。


参考リンク:Sugakiya
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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