日本で一番水深が深い(約2500m)ことで知られる駿河湾。そのお膝元たる静岡県沼津市のランドマークといえば、もちろん『沼津港深海水族館』だ……ちなみに私は知らなかったけど。水深2500mの世界って、宇宙と同じくらいロマンがあるよね!
そんな沼津港深海水族館で、優雅に泳ぐ深海魚たちに心奪われた私はこう思った。「深海魚、食ってみてぇな」と。
・有識者の見解
沼津港と深海水族館はほど近く、周辺エリア一帯が沼津随一の観光地となっている。
エリア内には市場もあり、海産物が盛んに売買されているのだが、深海魚っぽいものは見当たらなかった。っていうか、生魚の取り扱い自体が少ない。このあたりは干物が名産らしく、どの店もメインは干物だった。時間帯や時期的なものも関係しているのかもしれないが。
そんなこんなで、私は近くの回転寿司店『沼津港・海天寿司 一富士丸』へ来た。深海魚を食べさせる店との情報をキャッチしたからである。
ちょっと高級そうな雰囲気が漂っているが、回転レーンが回っているので回転寿司であることに間違いはない。
玉子250円、サーモン380円、まぐろ430円……なるほど。もちろんスシローとかと比べると高いけど、最近は高級な回転寿司も多いしな? これは回転寿司として高い部類なのだろうか? 回転寿司マニアとして知られる中澤記者に意見を求めてみた。
中澤「フム……グルメ回転寿司としてはごく普通の価格設定だね。 “中の中” って感じ」
なお「グルメ回転寿司」とは “ネタにこだわっている” “ご当地感を打ち出している場合が多い” などの特徴を持つ、若干高い回転寿司の俗称らしい。対してスシロー、くら寿司といったチェーン系の回転寿司は俗に「100円回転寿司」と呼ばれるのだそう。勉強になるね〜。
・映える回転寿司
それじゃ、気になる寿司を注文してゆこう。
『太刀魚』(440円)は私が世界で1番か2番目に好きな魚として知られるが、寿司として食べるのは初めてである。焼けばあんなにホロホロになる太刀魚が、生だとこんなに歯ごたえがあるとは知らなんだ。
『活〆真鯛』(380円)もよかった。先ほど「100円回転寿司」なる世界線をお伝えしたが、そういった店でも実際のところ、真鯛は200円ちょっとくらいする。だとすると、結果こっちのほうがお得なんじゃない? ってくらい高品質だった。
『メヒカリから揚げ』(580円)。実はメヒカリの生息水域は水深500メートル前後と、レッキとした深海魚に分類される魚。え、そうだったのか……! 揚げた小魚って基本おいしいけど、コレはフワッフワで苦味もなくて超おいしい。
『太刀魚 昇り龍一本揚げ』(1680円)なるメニューも、写真映えの観点からチャレンジしておきたいところではあったが、情報過多になりそうなので今回は見送らせていただいた。
・で本題!
それでは本題。一富士丸の名物だという『深海魚 5種手巻き』(1380円)を注文してみる。
画像右から「クロムツ」「メダイ」「キンメダイ」「オナガダイ」「アカエビ」。……アカエビが深海魚に分類されるかどうかは審議が必要だが、一旦忘れて食べ進めましょう。
クロムツ。ものすごーくあっさりして柔らかい。永遠に食べ続けられそう。調べたところスズキの仲間らしい。なるほど納得。
メダイ。こちらは身が締まってる。ちょっと説明しづらい、とても複雑な深い味わい。
キンメダイ。何度も食べたことがあるけど、深海魚だとは夢にも思わなかった。プリプリしてるけど柔らかい。上品なお味。
オナガダイ。まさかのタイ3連発。コレは若干スジっぽくて歯ごたえがあり、ツウ好みのする味。同じタイでも趣が全部違って面白い。ちなみにアカエビは、スーパーでよく売ってるアレとはレベチでした。さすがグルメ回転寿司。
「聞いたこともない深海魚に出会った」とかではないが、「聞いたことのある魚が実は深海魚だった」という気づきを得ることができた沼津の回転寿司。深海魚とか抜きにしても相当オススメできるので、沼津へ行った際は立ち寄ってみてほしい。
(※ネタの種類は入荷状況によって異なります)
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 沼津港・海天寿司 一富士丸
住所 静岡県沼津市千本港町83
受付時間 11:00〜21:00
定休日 水曜、港八十三番地休業日
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼お店の名物は深海魚とマグロだそうです