福岡へ行くことになったので、かつて福岡に住んでいた砂子間記者に「何かいい感じの福岡ネタはないか?」と尋ねた。すると「あるよ」と即答されて逆にビックリしてしまったのだが、ま、そういうことなら話は早い。

彼いわく「福岡で住んでいた家の近所のスーパーが本当に素晴らしく、行くたびにディズニーランドにいるみたいな気分になっていた。そのへんの汚いスーパーとは大違い。ぜひ行ってみてほしい」とのこと。激推しである。

“社内で最も信用できる人物” として知られる砂子間さんがそう言うなら、まず間違いはない。ならば行こう……砂子間さんが昔住んでいた街へ。

・キタキュー郊外

砂子間さん激推しスーパーへのアクセスは、まず小倉駅へ行ってモノレールに乗る。

福岡市内にも店舗はあるが、ここまできといて砂子間さんが通い詰めていた店舗へ行かなきゃ女じゃない。

はじめての北九州モノレール。こんな機会でもなけりゃ、おそらく一生乗ることはなかっただろう。

モノレールに揺られること15分。目的地の『徳力公団前』駅に到着した。


・本当にここなのか?

時刻は20時過ぎ。

ディズニーランドがあるにしては、あまりにシンプルな駅前の様子に驚く。まぁディズニーランドも郊外に急に出現するしな。そのパターンなのかもな。

しばらく進んでガソリンスタンドとパチンコ屋さんの角を曲がる。

この先に夢の国がある……のか? 本当に?

あっ、猫ちゃん。

「場所を間違えたのではないか?」と本気で不安になってきたころ、ようやく目的のスーパー『HalloDay(ハローデイ)』が出現してくれた。ここは福岡県内を中心に約50店舗を構えるハローデイの本店。ディズニーランドでいうところのカリフォルニアに該当する。

正面から見ると、たしかに夢の国の入り口っぽい雰囲気がある。なおハローデイの正式名称は「アミューズメントフードホール ハローデイ」。一体どんなアミューズメントが待ち受けているというのか?



・俺、困り果てる

そして帰り道……私の表情は、北九州の夜空と張るくらい暗かった。

砂子間記者はハローデイの魅力について「パンコーナーが最高。あと惣菜や弁当も充実している」と語っていたが、肝心のパンと惣菜がほぼ売り切れていたのである。これは完全に私が悪い。いくらなんでも来店時間が遅過ぎた。本当に申し訳ありません。

ただ、砂子間記者が言った「ディズニーランドのようにワクワクする」という感覚は、正直よく分からなかった。仮に品揃えがピークのタイミングで訪れていたとしても「ディズニーランドみた〜い!」とはならなかった気がするのだが……私の感性の問題だろうか?

それでも手ブラで帰るわけにいかないので、ギリ売れ残っていた惣菜とパンを中心に福岡っぽいものを購入してホテルへ帰った。刺身とパンは半額だったので、これで総額1559円。夢みたいに安い。

店内を何度も練り歩いて感じたのは「福岡の人は九州関連の商品が好きなんだなぁ」ってこと。サクマの『いちごみるく』に関しては「福岡県産『あまおう』果汁使用!!」と書かれたポップとともに大量販売されており、勢いに押されて買ってしまった。

オモロイなぁと思ったのは『チャンポン やきそばの具』(税込198円)なる練り物のミックス。こんなの初めて見た。いかにも九州。

それでは、豪華ハローデイ・ディナーとシャレこんでみましょう。

練り物は全部ちゃんぽんにブチ込んだ。麺にしっかりとした歯ごたえがあり、甘すぎないスープに本場感がある。九州産の刺身盛り合わせも半額商品とは思えないほど鮮度がいい。東京のスーパーとはレベルが違う。



・衝撃のオチ

『つまんでシュガー』なるデニッシュパンは翌日の朝食に。しっとりザックリ腹持ちがいいパンは、散りばめられたシュガーの引き立て役をバッチリこなしていた。名前のとおり、つまんで食べられるサイズ感がちょうどええ塩梅。

結論として、ハローデイはかなり優良な地元密着型スーパーと断言できた。……しかしながら、何度も言うけど、やはり「ディズニーランドみたい」はさすがに言い過ぎではないのか? 東京へ戻った私は言葉を選びつつ、ありのままの出来事を砂子間さんに報告した。


すると……


砂子間「あのハローデイの周辺は夏になるとホタルがたくさん飛んでいて、めちゃめちゃ幻想的な光景なんだよ。それから春は桜がすごい。本当にスッゴイ。ホタルと桜を見なきゃ話にならないよ」


「……今は冬なのだが?」という至極真っ当な反論をぶつけたところ、今度は「店の天井を見たか?」と砂子間記者。


砂子間「ハローデイは店内の装飾にもこだわっていて、天井を見上げたらサーカスみたいに賑やかなんだよ。駐車場に上がる階段も絶対に見ておくべきポイント。ちなみに僕のオススメは食パンだけど、食べた? えっ、売り切れてた? ……何しに行ったの、逆に?

砂子間さんの話を要約すると、つまり私は「行く季節」「行く時間帯」「店内で見る場所」全てをミスっていたらしい。それなら先に教えておいてほしかった気もしなくないが、ハローデイの実力はあんなもんじゃないことが判明したのは何よりだ。

社内で最も信用できる人物こと砂子間さんが「ディズニーランドみたい」と断言するハローデイ。いつか桜かホタルの時期の昼間、私は再びここを訪れたいと思う。みんなも福岡へ行ったら近くの店舗を探してみてくれ。

参考リンク:ハローデイ
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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