朝、窓から入るぼんやりした光と共に聞こえるしとしとした音。バンドマンである私(中澤)は、先日、ツアーで北海道旭川に行ったのだが、2日目はあいにくの雨であった。
しかも、その日はホテルを移動する日。とりあえず、次のホテルのフロントに荷物を預けてもチェックインはまだまだ先だ。おまけに、雨に打たれたから寒い。そこでスーパー銭湯に行くことにした。
・24時間営業に救われる
最初は駅前の天然温泉付きホテル「CABIN-旭川」に行こうとしたのだが、昼前だったためまだ日帰り入浴がオープンしてなかった。そこでGoogleマップでスーパー銭湯で検索したところ、「オスパー」という24時間営業のスーパー銭湯があるらしい。
駅からは少し歩くけど、そもそもこの時間にオープンしていてチェックインまでの時間も潰せそうな銭湯がここしか見つけられなかったので行ってみることにした。
・雰囲気が違う
ビルが建ち並んで都会の雰囲気が漂う旭川の駅前。オスパーに向かって歩き出すと、そんなビルはすぐになくなり、かわりに道路の存在感がどんどん大きくなってくる。
なんか倉庫みたいな建物まで出てきて、体だけじゃなく心も肌寒い。本当にこんな場所にスーパー銭湯があるんだろうか? と思いきや……
あったァァァアア!
クロネコヤマトの倉庫かと思ったら「オスパー」だった……! こんなに運送トラックが似合うスーパー銭湯は初めて見たぜ。
とは言え、中はちゃんと銭湯らしいスーパー銭湯であった。ほっ。
・昭和と令和
大小タオル付・館内着つきの通常入浴は1350円。利用券を購入した後、フロントでタオルなどをもらう形だ。少し時代がかったような雰囲気も良い味を出している。
特に、2階にあるお食事処「れすとるーむ湯河原」やマンガが大量にある休憩処の雰囲気なんて昭和のオーラが漂っている。酒をあまり飲まない私でも瓶ビールを優勝してしまいそうなレベル。
そんな雰囲気だけに、逆に目を惹かれたのが1階フロント前のコーナーだ。フロントと男湯の間のスペースにサウナグッズが集められたサ活コーナーがあるのである。ここだけ現代感が凄い。
・サ活の動線が完璧
サウナにこだわっているんだろうか? そこで入ってみたところ、サウナのこだわり方が東京のサウナみたいだ。まず、サウナ室が2つと水風呂が2つある時点でそれを感じたのだが、1つのサウナと水風呂は半露天になった外気浴部屋に配置されている。
すなわち、ほぼ移動せずサ活の動線が完結できる設計。水風呂出たら2秒で外気浴状態だ。ととのうが科学されている。
・なのに
その上で詳細を言うと、内湯のサウナ室は90度で水風呂は天然地下水かけ流しで10度くらい。半露天のサウナ室は80度ほどだが、セルフロウリュが可能となっている。抜け目がない。完全に良いサウナである。なのに、人がビックリするくらいいない。
なにせ、さっきから半露天を独り占め状態なのである。そもそも大浴場の中にも3人くらいしか人がいない。平日の昼時だからというのはあるにせよ、東京在住サウナーである私からすると、ここまで充実したサウナで外気浴を独り占めできてしまうというのが衝撃である。
ゆえに、最高。ととのわざるを得ない。
・新たな聖地か
ちなみに、湯舟も炭酸泉や熱いお湯などがあって、サウナ上がりに入るとしみる。雨に打たれたことすら、この湯を楽しむスパイスに感じるくらいの良い銭湯であった。
最後に、店を出る時、どこから来たかシールを貼る用の地図を発見したのだが、その印は日本中に広がっていた。そこでXで軽く検索してみたところ、「サウナの聖地」と呼ぶ声も散見される。どうやら、2023年のリニューアルオープンから注目を集めている模様。
駅からちょっと歩くとは言え15分から20分ほどだし、そもそも旭川駅なので、ツアーリストにとっては白銀荘ほど難易度が高くないオスパー。次、旭川に行った時も寄るかもしれない。当日の思いつきで寄れるのが良いところである。
・今回紹介した店舗の情報
店名 SPA&SAUNA オスパー
住所 北海道旭川市宮下通16丁目3−1
営業時間 24時間営業
定休日 無休
参考リンク:SPA&SAUNA オスパー
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.