先日のこと。私宛に電話があった。相手は日清食品の広報の方で「冷蔵の商品を送らせていただきたいんですが……」とのこと。送ってもらうのは構わないが、記事にできるか約束はできない。

そしてつい先ほどのこと。出社して冷蔵庫を開けると、どうやら日清食品からの商品が届いているらしい。そこにあったのは『あの日飲みたかった もも缶シロップ』というドリンクであった。……ん?

『あの日飲みたかった もも缶シロップ』だと? 『あの日飲みたかった もも缶シロップ』だと……? というか、これ考えたヤツ何歳だよ! もうとっくに還暦迎えてるだろ!! 青空教室の気配しかしねぇぇぇえええ!

・続編

日清によれば『あの日飲みたかった もも缶シロップ』は、2024年2月に発売された「あの日飲みたかった みかん缶シロップ」の続編とのこと。もも缶verも作って欲しいというリクエストが多かったことから、商品化に至ったそうだ。

さて、どちらの商品もコンセプトは「缶詰のシロップを思いっきり飲んでみたい、という幼い頃の夢を叶える」らしいが、ちょっと待って欲しい。あなたは「缶詰のシロップを思いっきり飲んでみたい」なんて思ったことがあるだろうか?

・ジジイどころじゃない

1978年(昭和53年)生まれ、現在46歳のジジイである私ですら「缶詰のシロップを思いっきり飲んでみたい」と思ったことは1度も無い。食糧難とは程遠い時代に生まれた方は、同じようなケースが多いのではあるまいか?

ただし、戦後まもなく生まれた70代後半の父からは、似たような話を聞いた記憶がある。「缶詰が高級品だったこと」「風邪のときだけ缶詰が食べられたこと」等、いずれも父が幼少期だった頃の話である。

つまり『あの日飲みたかった もも缶シロップ』の “あの日” とは、昭和20年代、もしくは30年代を指している可能性が非常に高い。考えたのはジジイどころか “おじいさん” なのでは……?

・えッ

というわけで、商品を送ってくれた日清食品の広報に連絡し「これを考えたのは何歳くらいの方ですか?」とストレートに質問してみることにした。すると……。


「みかん缶企画時:1年目 今回のもも缶企画時:2年目 の若手でございます!」(原文のまま)


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?????


・絶句

な、なんと『あの日飲みたかった もも缶シロップ』を考案したのは、日清の超若手社員だったのである! って、マジかよ!! 東京ブギウギじゃないのかよ! 街頭テレビでプロレス見てなきゃおかしいだろォォォオオオ!!

なぜ入社して間もないルーキーが缶詰のシロップを「あの日飲みたかった」と思ったかは不明だが、日清食品がそう言うんだから仕方ない。その人、タイムトリップして来たとかもないよね……?

なお『あの日飲みたかった もも缶シロップ』のお味は、紛れもなく “もも缶のシロップ味” であった。私は特にテンションは上がらなかったが、ちょっとノスタルジックな気持ちになったことは確かだ。

というわけで、衝撃事実が判明した『あの日飲みたかった もも缶シロップ』は、メーカー希望小売価格税別139円で販売中である。「実はルーキーが考えた」と思いつつ、シロップを味わっていただきたい。

参考リンク:日清食品
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.