もう10回以上訪れている沖縄では、毎回新しい発見がある。今回紹介する『金ちゃんヌードル』もそうだ。
のちに関東では一部のスーパーで売られているという情報を聞いたが、どうやら沖縄ではカップ麺として不動の地位を築いているという。
沖縄県民から長年愛されているらしく、話を聞いて思わず5種類も一気買いしてしまった。今回はそんな『金ちゃんヌードル』の魅力に迫ってみたぞ!
・地元民に聞いた『金ちゃんヌードル』
私が『金ちゃんヌードル』を知ったのは、日本最南端のコミュニティラジオ局「FMいしがきサンサンラジオ」のスタジオを訪問した時だ。こちらは私が愛してやまないラジオ局で、毎日番組を聴いている。
当サイトの記事でも何度かお世話になっているので、パーソナリティやスタッフの方々にお土産を持参し、挨拶にうかがった。その際に対応していただいたのが、あらゆる番組のパーソナリティとして活躍している本底 美寿々(もとそこ みすず)さんだ。
キリッとした口調かつリスナーに寄りそうスタイルが人気で、CMのナレーションも多いことから私の中で勝手に “八重山諸島のCMクイーン” と呼ばせてもらっている。
その本底さんに、石垣島のローカルスーパーを取材しようと聞き込みをしていた。
すると、スーパーのアプリに入っているチラシを見せながら一言。「ほら『金ちゃんヌードル』も、こんなに安いんですよ!」
あまりに自然でサラッと言われたので一瞬聞き逃しそうになったが……なに? 『金ちゃんヌードル』だと??
慌てて「何ですか? それ」と聞き返したところ、どうやら沖縄では県民食と言っていいくらい、どの小売店にも当たり前に置いてあるカップ麺だという。製造元は「徳島製粉」という徳島にある会社だが、沖縄県民向けに開発されたとのことだ。
その後も『金ちゃんヌードル』や、石垣島のスーパーの違いなど、いろいろと教えてくれた。
……が、いつもラジオで聴いている声が生で聴けている感動の方が強く、話してくれたことの半分くらいしか頭に入ってこなかった。本底さん、すみません……。
ともあれ、貴重な情報を手に入れたので、その足でスーパーに向かうことにした。
・特徴あるパッケージ
「FMいしがきサンサンラジオ」のスタジオが入っているホテル「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」を後にして、近くにある沖縄のローカルスーパー「サンエー」に到着。
カップ麺が置いてある売り場に行ってみると……
箱積みで置いてある。
これが『金ちゃんヌードル』か……パッケージのデザインや文字の書体に、どことなくレトロ感がある。その他にも「しお」や「ど! にんにく」という味も出ていたり……
「金ちゃん焼きそば復刻版」なんていうのも置いてある。
とりあえず全部味わってみたいと思い、見つけた種類を全て購入することにした。
・5種類を一気喰いしてみた
数日後、自宅に戻り実食を開始する。購入したのは……
・金ちゃんヌードル(118円)
・しお味(168円)
・ど! にんにく味(168円)
・NEO金ちゃん焼そば復刻版(139円)
・金ちゃんヌードル味焼そば(168円)
なお「しょうゆ味」「しお味」はサンエー、残りの3種はもう1つのローカルスーパー「かねひで」で購入した。いずれも税抜価格だ。
この5種類を、今回は一気喰いして食レポしていく。
まずは「金ちゃんヌードル」から実食する。
地元のスーパーで一番多く陳列されていたこの味は、間違いなく沖縄の人々に最も愛されているはず。そして、注目すべきは容器。プラスチック製の二重構造で作られていて、フタもキャップ方式なので、食べた後でも再利用が可能だ。
容器の裏側がギザギザになっているので、食べ終わりの際に具を箸で すくいやすい構造になっている。
ちなみに「金ちゃんヌードル」はさっぱりしょうゆ味だが、「しょうゆ味」という種類が別にあるので、ここでは「金ちゃんヌードル」とさせていただく。
スープとかやくを入れて熱湯を注いで、3分待つ。
そして、完成!
他のカップ麺のしょうゆ味に比べて、香りがすごい。具は豚肉、エビ、卵、ネギ、椎茸が入っていて、麺には肉エキスが練り込まれているらしい。
初めての「金ちゃんヌードル」、果たしてどんな味なのか……
あっ、美味っ!
麺が他のカップ麺より若干太めなので、食べ応えがある。具も多めで香りもいい。スープもアッサリ味だが、しっかりコクがある。
このコクは、おそらく椎茸がいい仕事をしてるのではないか? なるほど、これが『金ちゃんヌードル』か……県民食と呼ばれているのも納得の味だ。
2品目は「しお味」を食べてみる。
調理方法は「金ちゃんヌードル」同様、熱湯を注いで3分待って完成。
エビが多めな海鮮系のかやくがギッシリ。塩ラーメンのいい香りが漂っている。果たして、どんな味なのか……
おー、これも美味い!
市販のシーフードヌードルと比べて、やはり食べ応えが一番の違いだ。おそらく麺が一般のものより若干太い感覚があるので、その差なのだろう。
スープも市販のインスタント塩ラーメンなどと比べると、アッサリしている。ただしこちらもコクがあり、たっぷりの具材と麺が旨く絡み合っている。
3品目は「ど! にんにく味」を食してみる。
もう、かやくを開けた瞬間に鼻を突き刺すほどのガーリック臭。まさに “ど!” の称号に恥じない、振り切りっぷりだ。
こちらは熱湯を入れて3分ではなく、5分待って完成。
かやく自体、「しょうゆ」「しお」と比べて多めであることが一目見て分かる。とにかく、ガツンと来るガーリック臭が食欲を掻き立てる。
我慢できず、一気にすすっていく。
おいおい、やべぇぞ……。
もう、舌の感覚が麻痺するくらいのガーリックの量。3品目なのに食欲が食べ始めまでにリセットされるくらい、ニンニクによって神経が刺激されている。
かやくの量も多めなので大満足の一品なのだが、部屋中にガーリック臭が漂うくらいの量なので、食後のケアに注意が必要だ。
そして4品目は「NEO金ちゃん焼そば復刻版」。
具はキャベツのみ。ほとんど麺とソースで味わう感じの潔さに興味が湧く。
お湯を戻して粉末ソースをかけると、昔ながらのソース焼きそばの香りが懐かしさと食欲を同時に刺激する。
その香りを楽しみながら、かき混ぜて完成。
金ちゃんヌードルの焼きそば版、果たしてどんな味なのか?
なるほど、そっち系ね。
味は本当に「昔ながら」という表現がピッタリ。具は少ないものの、濃いめのソースと中細の麺とマッチしていて、王道的な屋台の焼きそばの味を上手く再現できている。
最後は「金ちゃんヌードル味焼そば」を食べてみる。
こちらは「金ちゃんヌードル しょうゆ味」と同じ具を使っている。熱湯を注いで、3分待って湯切りする。
しょうゆ味のソースを混ぜて、出来上がり。
さて、先ほどの「NEO金ちゃん焼そば復刻版」との違いは いかに……
おっ、金ちゃんヌードルの味だ。
焼きそばというより「汁なし金ちゃんヌードル」といった感じ。「金ちゃんヌードル」のコクが汁なしで、そのまま味わえて文句なしの味。「NEO金ちゃん焼そば復刻版」とは真反対の味を楽しめることができた。
そんなわけで、5種類を無事にコンプリート!
他にも「カレー」や「辛味噌」などの種類もあるので、沖縄や四国などの地域に行くことがあれば食べてみたいと思った次第だ。
ちなみに「金ちゃん」って誰だよ? と思い調べたところ、製造元の徳島製粉が手掛けている小麦粉ブランド「鳴門金鶴」から派生して何回かネーミング変更を行なった結果、親しみやすさを出すために「金ちゃん」となったらしい。
主に静岡より西側で販売されている『金ちゃんヌードル』だが、果たして本格的に全国展開することはあるのだろうか? そうなったら、楽しみで仕方がないぞ!
参考リンク:徳島製粉、FMいしがきサンサンラジオ
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.