今年の8月初旬くらいから、腕の内側が2ヶ所赤くなっていた。

別に痛くもなければ痒くもなく、かぶれか汗もだと思って、「ムヒ」的なものをを塗っていたのだが、いっこうに赤みが引かない。

痛みもかゆみもないものの、なんだか気になる……。もしかしてダニとか変な虫に噛まれた? と思って検索したところ悪名高き「トコジラミ(南京虫)」が引っかかった……!

なんと初めて噛まれたときは痒くない場合も多いというのだ……。

・恐怖に震えながら過ごす

「えっ トコジラミに噛まれたらめっちゃ痒いんじゃないの!?」 

と思っていたら……初回は痒くないけど、2回目からアレルギー反応が出てめっちゃ痒くなるらしい。なんそれ、初回無料的な? 2冊目からめっちゃ高くなるディアゴスティーニ? 

インバウンドで人の出入りが増えたことで激増したというトコジラミ。名前からして不潔感満載で、こうしてパソコンで名前を打つだけで気が滅入る。

電車の座席だとか、ホテルのベッド、海外からの荷物を介して家の中に侵入してくるうえに、駆除がめっちゃ難しいらしい。

そもそも家はきれいにしているつもりなのだが、家のベッドの裏やカーテン、床の隅っこなど、怪しい場所をチェックしてみたけれど、トコジラミのフンなどは見つからない。その後、体が噛まれることもなく安心していた。

どうか、噛まれたのは出かけた先であってくれ! 絶対に絶対に家の中じゃありませんように!! 

そう願いながら過ごしていたのだが……。ある日の夕方、ついに家で1匹トコジラミを見つけてしまったのだ……!


・フローリングをノロノロあるく「奴」

ネットで調べたところ、トコジラミはツルツルした場所が苦手で登れないのだという。我が家の床はすべてフローリングで、どこもかしこもツルツルした素材でできている。

その噂どおり、奴はフローリングの端っこを本当にノロノロと動いていた……。大きさ5ミリ〜8ミリほどで、ダニと違って、はっきりと目視できるサイズだった。

いったいどこから入ってきたのか、Amazonなどのダンボールを放置したせいか、夫は出張が多いから、そこの荷物か……。

ネットで調べると「トコジラミは繁殖力が強いので一匹見つけたら終わり」みたいな文言が並んでいて、言いしれぬ絶望を感じる。

マイスイートホームがやられる前に、一刻も早く駆除しなければ!!!!!!!



・とにかく床の荷物を排除せよ

床に置いたバッグやダンボールなどからトコジラミが入ってきてしまうこともあるらしいので、まずは片付けである。

引っ越して1年半……なるべくものを増やさないようにしていたが、最近は荷物が増えてきていた。

あいつらの潜伏場所を作らないために、平日の夜から緊急で大掃除がスタート。荷物を捨てて、家具を動かしてベッドや棚の裏などに潜伏してないかチェックしていく。

ベッドの隙間、カーテンの縫い目、布団の間……などなど、トコジラミが潜伏するという場所もチェックする。

やつらがいる場所には、壁や床に特有の赤黒い血痕のシミがあるというが、我が家は幸いそういった目立つ痕跡は見つからなかった。

最近の殺虫剤には耐性がある……という話もあるが、一応家にある殺虫スプレーを撒きまくって、就寝。



・奴らの卑劣な逆襲

すると……なんと朝起きたら尻の割れ目のスタートライン、もっといえば菊の御紋の上あたりが虫に噛まれているじゃないか! 

ひょっとしたらダニの可能性もあるけど、タイミング的にトコジラミの逆襲に思えてならない。

刺されたのが2度目だからか、めっちゃ痒い! けど、かけない場所! ムヒを塗ったら飛び上がるほど痛いし最悪だ。

クッソ〜! それがお前のやり方かああああああああ!!!!!!!!

もう怒った!! あたしゃ許さないよ!!!! 徹底的に戦うぞ!


・トコジラミに効果のある強力殺虫剤

翌日……スーパートコジラミなど、従来の殺虫剤に耐性のある虫にも効く殺虫スプレーをネットで注文。

虫が出まくる会社に撒いたら半年間虫が出なかった超強力殺虫剤「ゼロデナイト」の後継種であるアース製薬「ゼロノナイト」である! 頼むよ!

これをワンプッシュすればゴキブリでもなんでも駆除できるらしい。お値段、なんと1本3000円もする。高い!

しかし、トコジラミの専門業者に駆除してもらったら10万円以上かかって大変らしいので、3000円で対策できるなら安いもの……。

掃除した場所や、家具の隙間を狙ってスプレーを撒きまくる!

 死ね! 死ね! 死ね〜〜〜〜〜い!


ちなみに、翌朝、窓辺を見たらコバエや蚊の死がいが落ちていた。窓から逃げようとして力尽きたのだろう。南無〜。



・布団を洗ってコインランドリーへ

しかし、虫の成体はともかくとして、布製品に付着した卵なんかは、殺虫剤は効かないのでは……?

調べたところ、奴らは洗ったぐらいじゃ取れないけれど、熱に弱いらしい。

ちなみに、日本コインランドリー連合会が「コインランドリーのガス乾燥機でトコジラミを100%死滅できる」という検証のプレスリリースも発表していた。家庭用の乾燥機よりも非常に高温なので、10分程度で死滅できるらしい。

成体も卵も高温で熱すれば駆除できる……ということだったので、コインランドリーに行って、寝具類を高温モードで乾燥機にかけることに。

最近は布団をダニ予防モードで洗って乾燥までできる大型ランドリーもある。かかったお金は約2000円だが、背に腹は代えられない。



・ダメ押しの布団乾燥機

しかしコインランドリーだと、マットレスや枕などは洗えないわけで……。

調べたところ、60度以上の高温でダニを退治できる布団乾燥機も対策には有効とのこと。

神経質すぎるかもしれないが、とにかく不安なので、布団乾燥機をレンタルして、ダニ対策モードでしばらくは寝具を熱することにした。

とにかく家から絶滅してほしいのだ。ちなみに、布団乾燥機のレンタル代金は2週間で約5000円……。むむむ。


・ソファやマットにはアイロンを

もはや、家の中のありとあらゆる布製品が怖い。

カーペットやソファ類には、スチームアイロンの熱が効くということだったので、それも実施。

やつらは生地の折り目や縫い目、家具と壁の隙間に潜むらしいので、高温スチームを鬼のように当てまくる。

しかし、時間かかる……。お願いだから効いてほしい。


・これでしばらく様子を見る

1匹見つかっただけで、騒ぎすぎかもしれないが、たった一匹、されど一匹。とにかく駆除が面倒らしいので、自分でやれることはやれるだけやった。

かかった費用は1万円以上、仕事以外のほぼすべての暇な時間をトコジラミ対策に費やした……といっても過言ではないだろう。

これだけやって再びトコジラミが家に現れたら、もう業者を呼ぶしかない……と思う。

続報がもしもあったら、それは我が家がトコジラミの排除に失敗した証。みなさま、どうか続報がないことを願っていてください……。


参考リンク:板橋区HP(トコジラミ対策)アース製薬
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
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