最大9連休となった今年のお盆休みカレンダー。例年はピークを避けて帰省する私なのだが、たまには親戚や友人に会っておこうと思い立ち、今年はラッシュど真ん中の8月10日に鳥取の実家へ帰った。

すると……私の顔を見るやいなや(as soon as)、「見せたいものがある」とウチの母。なぜかコソコソ歩きの彼女の後をついていくと、窓の外に驚きの光景が広がっていたのだ。

・大人の自由研究

これはウチの実家の裏庭。


…………お分かりだろうか?



木に野鳥が巣を作っているのであるッ!!!!


ウチの両親が巣の存在に気づいたのは約2週間前。調べたところ、このテの野鳥の卵はだいたい10日ほどで孵化するらしい。巣の中に本当に卵があるのかどうかは不明だが、もしあるとすれば、そろそろ孵化してもいい頃合いに思われる。

ちなみにこの日の鳥取の気温は35度。母は「暑すぎて卵が腐っているのでは」と予想しているのだそう。たしかに、このような真夏に野鳥が卵を産むとは想像したこともなかったが、そこに巣がある以上は見守るのが家主としての務めというもの。

ってことでこの日から、私の1週間に渡る自由研究がスタートすることになった。



・野鳥大丈夫そ?

8月11日。

この日は同じく帰省した友人たちと、友人宅の庭でバーベキューをした。田舎は街へ飲みに行くのもひと苦労なので、軽はずみに庭でバーベキューをしがち。

野鳥の様子はというと、昨日と同じ体勢でじっとしている。暑くないのでしょうか?



・事態、動く

8月12日。

この野鳥は「メジロ」ではないか? という気がしてきた。なぜなら目の周りが白いからである。しかしウチの父は「シジュウカラではないか」と言っており、正確なところはよく分からない。

それはともかくとして「本当に卵はあるのだろうか?」という疑念が日増しに強くなっていた。もしこの野鳥が単に “巣でまったり” しているだけだったとしたら、ウチは全員そろって大マヌケ家族ということになってしまう。

ついに意を決した私は脚立を持ち出し、巣の中のぞいてみることにした。さいわい親鳥(推定)には “夕方ごろ1時間ほど留守にする” というルーティンがあるようなので、そのタイミングを狙って決行である。


果たして…………?



うおぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!



・事態、さらに動く

やはり……! 野鳥は巣で単にまったりしているワケではなく、卵を温めていたのであった!!! いくら鳥取の田舎とはいえ、ウチの実家があるのはそれなりに密集した住宅街。庭で野鳥が卵を産むって結構スゴくないか?


そして翌8月13日。またも事態は動いた。


親鳥の立ち位置が “まったりポジ” から “見守りポジ” に変化しているのである!!!


「卵はすでに死んでいる」可能性がまだ否定できていなかったので、これは明るい兆し中の明るい兆し……! ヒナの姿や鳴き声も確認できないが、子育て中の動物は神経質と相場が決まっている。ここはむやみに近寄らず、陰から見守ることにしよう。


8月14日。変化なし。


8月15日。この日は近所総出で「おくり火」を行った。滞在期間も残すところあと2日。そろそろ自由研究のまとめをしなくてはならない。



・今回の研究をとおして

8月16日。親鳥の留守中を狙って、私は再び巣のぞき作戦を決行することにした。ちなみに当初は親鳥1匹の姿しか確認できなかったが、ここ数日は2匹がかりで昆虫などを巣に運んでいる様子が見受けられる。そういうこと……なのか?


緊張の一瞬…………



うおぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!


親鳥が帰ってきたと思ったのだろうか、おそらく目も見えていないであろう3匹のヒナ鳥が、天を仰ぎながらしきりにクチバシを広げる様子が確認できた。なんともいじらしく、感動的な光景であった。



8月17日。鳥取滞在最終日。親鳥にバレていないのをいいことに、最後にもう1度だけ巣をのぞいてみる。

おひるねタイムっぽいヒナ鳥たちは、心なしか昨日より成長しているように見えた。彼らはあと10日もすれば巣立ちの日を迎えるとのこと。鳥の人生のスピード感を思い知らされるなァ……。

こうして私の1週間に及ぶ自由研究は終了。ヒナ鳥たちが成長し、再びウチの実家に巣を作ってくれることを願わずにはいられない。ホンマありがとうございました!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.