中国の玄関口・上海浦東(プードン)国際空港。大規模なハブ空港なので「トランジット(乗り継ぎ)で利用したことがある」という人も多いのではないだろうか。近代的でクリーンで安全で、快適に長時間を過ごせる場所だ。
先日、そんな浦東国際空港の売店に立ち寄ったところ、ある日本の有名なお菓子にソックリ……むしろクリソツな商品を発見し、思わず二度見してしまった。路地裏の怪しい店ならいざ知らず、国際空港でこんなん売ってええんか……?
・クリソツである
もったいぶっても仕方ないのでさっそく問題のお菓子をご覧いただこう。
これ。
全ての日本人が二度見するであろうこのビジュアル。言うまでもなく、あの有名な『ミレービスケット』にソックリ……いやクリソツなのだ。個人の主観によるとかよらないとか、そういう次元を超越するレベルで似ている。
こっちがミレービスケット。元々は高知県のおみやげとして知る人ぞ知る存在だったが、近年人気に火がつき、全国どこでも買えるようになった。ミレービスケットファンとして、これは詳しく調べてみる必要がありそうだ。
・帰国後……
そういうワケで、購入したミレービスケット激似お菓子『北海道の风味ビスケット(北海道风味小圆饼)』(7.8元 / 約160円)を日本へ持ち込んでみた。
いや、正確に言うと……
赤いパッケージのほうは『北海道の风味ビスケット』だが……
青いほうはなぜか『北海道の风味ビスケッ』なのであった。
何度も言うけど国際空港の売店で売られているとは以下略……である。
なお赤いほうが『南乳味(ナンルウ味)』。
青いほうには『海盐味(海水でつくった塩)』と記載されている。
本家ミレービスケットと並べてみると、完全にクロであることがお分かりだろう。
もはや間違い探しの領域。
「パターンはご参考までに」……深い。
・とか言いましたけど
などとゴチャゴチャ申し上げはしたが、私は別に『北海道の风味ビスケッ』に文句があるわけではない。むしろ、このことはミレービスケットが世界的な影響力を持っていることの証であり、日本人として鼻が高いというか、普通に「ありがとう」って気持ちだ。
それでもせっかくなので、ミレービスケットと北海道の风味ビスケッ(どちらも塩味)を、お菓子ツウとして知られる御花畑記者に食べ比べてもらおう。
御花畑「ミレービスケットとは明らかに違う。バターっぽい味がして、例えるなら『たべっ子どうぶつ』をミレービスケット風に魔改造したみたいな感じ。香ばしさとしょっぱさではミレーが上かな。
とはいえ、ミレービスケットだと思わなければ、普通にビスケットとしておいしい。パッケージ的に安心感があるし、もし自分が中国へ行って何を買えばいいか分からなかったら、これを買うと思う」
北海道の风味ビスケッは口に入れた瞬間バターのようなマーガリンのような味が広がる、ごく普通においしいビスケット。しかしながら、数あるビスケットの中でもズバ抜けて特徴的なのがミレービスケットであり、「ミレーっぽいか・そうでないか」という話になれば、答えは「NO」と言わざるをえないのであった。
そういえば以前香港へ行った際、『たべっ子どうぶつ』が大人気で驚いたことを思い出した。中国圏の人は『たべっ子どうぶつ』っぽい味が好みなのかもしれない。
なお謎に包まれた「ナンルウ味」は、海盐味より甘さが強い印象。ビスケット表面に刻まれた「B W」の文字には果たしてどんな意味が隠されているのだろう……気になるところである。みんなも中国の空港へ行ったら北海道の风味ビスケッを探してみてくれ。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.