もしかして、 “有線イヤホンの波” が来てるんじゃないのか? というのは、先日近所のダイソーを訪ねたところ、有線イヤホン製品がめちゃくちゃ増えていたのである。有線よりも無線の方が扱いが楽だし、線が邪魔だから限られた音楽好きにしか、需要がないと思っていたけど、ダイソーで大量に売られているということは、求める人が増えているのかも?
そんなダイソーのイヤホンコーナーで驚くべき製品を見つけてしまった。それは「Type – C・ミニプラグの変換ケーブル」である。これ、なんとDACチップを搭載しているというのだ! しかも税込330円!! ダイソーがまさかこんなものまで売り始めるとは……。
・ダイソーのイヤホンがいつの間にか充実
先に説明しておくと、「DAC」とは「Digital to Analog Converter(デジタル トゥ アナログ コンバーター)」の略称である。デジタル信号をアナログ信号に変換する機能を持つものだ。DACはノイズの軽減や高音質化に効果があるとされる。
さて、本題に戻ろう。ダイソーといえば「格安イヤホン探訪シリーズ」を始めるきっかけとなった、名イヤホン「6071」と「7301」がある。それだけでも十分に、100均のイヤホン市場では戦えるというのに、330円の価格帯のイヤホンをドンドン投入していた。
色や形、得意な周波数帯域(高音・低音・バランス)などを変えて、10種類以上も揃えていたのである。その数は無線イヤホンよりはるかに多く、こっち(有線)が主力か? と思えるほどだ。あまりにも数が多くなってきているので、いずれ全部の音をたしかめてみたいと思う。
・ケーブルにDACチップ
それらに紛れて、コソッと売っていたのがこの変換ケーブルだ。一見、どこでもありそうな5センチのケーブルに見えるが……。
DACチップを搭載しており、マイク付きイヤホンにも対応している。
そういえば、キャンドゥにも440円でDACチップを搭載したイヤホンが売っていたが、近頃はこの手の製品の価格がずいぶん安くなっているのかもしれない。ちなみにキャンドゥの製品は思った以上に音が薄くなってしまったが……。
見て目に大きな特徴はなく、どこにでもありそうな普通のケーブルと変わらない。
片方の端子はType-C。
もう片方は3.5ミリのステレオミニプラグである。
・聞き比べ
ケーブルの効果をたしかめるために、少々面倒くさいことをしなければならない。というのは、私の使っているiPhoneはSEの第2世代のため、Lightnning接続なのである。ミニプラグもType-Cも直接さすことができない。
DACのあり・なしで音を聞き比べたいので、まずDACなしの場合は「Lightnning・ミニプラグ変換ケーブル」を使用する。DACありの方は「Type-C・ミニプラグケーブル」+「Lightnning・Type-C・変換ケーブル」を使って、ようやく聞くことができる。
Lightnningの呪縛、いやいい加減、私が端末を買い替えるべきなのだが……。
聞き比べに使用したイヤホンは「ハイユニット HSE-A1000」。楽曲はオスカー・ピーターソントリオの「You Look Good To Me」である。
率直な感想をいうと、ほとんど変わらない。イヤホンが違うわけではないので、音質に大きな差はないのだが、DACありは音にいくぶん丸みが感じられる。とくにスネアドラム(この曲ではブラシを使っている)の強いアタック音が抑制されて、突発的なデカイ音が耳に刺さらない。それから、なしに比べると音場が少し広く聞こえた。
正直「絶対に買い!」というほどでもないが、330円で少し音が良くなるなら、あっても良いかも。という程度である。それにしても、ダイソーの有線イヤホンへの注力ぶりは目を見張る。今後さらにイヤホンをはじめとする音楽製品は増えるのだろうか? 気になるところだ。
参考リンク:ダイソー
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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