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【暑さ対策】熱電冷却(ペルチェ)デバイスのついたベストは、今年の猛暑(酷暑)に通用するのか? 使った率直な感想

2024年7月16日

暑い! 異常な暑さが続いている。この調子で8月を迎えたらどうなる!? このまま行くと、気温が40度に達することも十分あり得るのでは? 夏の盛りを迎えるときに、今までと同じように出歩いて大丈夫なのだろうか? 何か対策を講じるべきなのでは!?

ってことで、熱電冷却デバイスを装着できるベストを買ってみた! これで今年の猛暑(酷暑)を乗り越えることはできるのか? 実際に着用して出かけてみたので、その感想をお伝えしよう。

・ワークランドで購入

近頃サービスエリアに徒歩で行ったり工場直売所に訪ねてみたりと、出歩く機会の多い私(佐藤)。日ごとに暑さが増していくなかで、多少なりとも身の危険を感じ始めていた

青梅と青海をハシゴした時には、「デックス東京ビーチ」からレインボーブリッジを眺めている時に、手がプルプルと震え出して、さすがに怖くなってきた。もしかして熱中症の1歩手前まで行っていたかもしれない。

このままじゃヤバい! 何も手を打たなければ確実に熱中症になってしまう。ってことで、作業服専門店の「ワークランド」にやってきた。


ワークマンに行ってもよかったんだけど、もう作業着屋じゃなくてファッションブランドみたいになっちゃったしなあ。現場で通用するレベルの商品は少なくなったもの。昔のワークマンが好きだったなあ……


・ペルチェ冷却デバイス

ワークランドで購入したのがコチラ! 「アイズフロンティア」というメーカーの「ペルチェタイプ3 + インナーフルセット(バッテリー付き)」(Mサイズ)である。


価格は結構しました、税込1万9800円! それでも暑い日が続いていたので、Mサイズの店頭在庫はコレが最後の1セットだった。やっぱみんな求めてるんだよね。こういうものを。


ベストとペルチェ冷却デバイス、それから携帯バッテリーの3つがセットになっている。「ペルチェ冷却(熱電冷却)」とは、カンタンにいうと電気を通すと冷たくなる冷却方式のことを指す。その特性を利用した冷却ベストを、作業着メーカーは近年ファン付きベストと共に、続々と販売している。


ベストは中国製のポリエステルハードメッシュ。前面にバッテリーを入れられるポケット、それからサイドにも1つポケットがついている。


背中と両脇にそれぞれ1つずつ穴が開いていて、そこに冷却デバイスをはめ込むのである。


こちらが冷却デバイス。3つのデバイスがケーブルで1つになっていて、バッテリーに接続することで電力を供給する。ケーブルには温度切り替え用のコントローラーが付いている。


通電することで内側の平らな面が冷却される。青いフィルムは保護シールなのではがして使用するとのことだ。


デバイスをそれぞれの穴にセットして準備完了。


温度切り替えは強(赤)・中(青)・弱(緑)の3段階。白は「強・ゆらぎモード」である。

ゆらぎモードは10分稼働して2分休止、それを繰り返すモードだ。強で長時間使用していると、肌が温度に慣れて冷たさを感じにくくなるのだとか。そこでオン・オフを繰り返すことで、継続的に冷たさを感じられるという。


連続使用時間(1万mAh / 出力2.2以上のバッテリー満充電)は、弱で最大6時間、強なら3.5時間である。1万mAhでこの使用時間は短いかなあ。バッテリー1台では丸1日は使えないな。


・率直な感想

実際に着用して、川口ハイウェイオアシスまで訪ねた。この日の歩行時間は約20分。その帰りに同じく約20分歩いている。


使った感想を一言でいえば「結構いい!」である。

冷たさはたしかに感じる。強の場合、環境温度に対して最大約マイナス22度。表面の冷却温度は約7度なので、デバイスに当たってる面は間違いなく冷たい

だが、絶えず動いていると身体が熱くなって冷たさを感じにくくなる。メーカーは使用する際は、冷感コンプレッションシャツやファン付き作業着と合わせた方が、冷却効果を感じやすいと説明しているので、長時間の屋外作業で使用する場合は、これらと合わせた方が良いだろう。逆に、釣りなど激しい動きを伴わない場合は、これ単体でも冷却効果を期待できるかも。

都合40分の屋外歩行で着用したわけだが、あるとないとでは全然違うと感じた。買ってよかったと思っている。


一応、編集部メンバーにも着用してもらった。その感想は次の通りだ。


Yoshio「お! 冷たい!! 気持ちいいねコレ」


サンジュン「いいっすね、コレ。結構冷たいな」


古沢「脇腹が冷たくなるんですね」


原田「首がひんやりしますね」


あひるねこ「…………」


あひるねこには通じなかった。なぜなら、彼はTシャツの下に2枚肌着を着ているからだ。その理由は、昨年8月に江川資具が執筆した「究極の対夏コミ用装備」を実践しているからである。

ミレーというブランドの「ドライナミックメッシュ」を着用し、その上に1枚Tシャツを着た上で、さらにアウター扱いのTシャツを着ているため、このベストの冷気を一切通さないのだ。

つまり冷却デバイスで身体を冷やすことと、汗を吸わせるコーディネートは相性が悪いということになる。まさかこんな形で、このベストの意外な弱点に気づくとは……。

とにかく私は個人的に、ペルチェ冷却ベストは暑さ対策の選択肢としてはアリではないかと思う。少なくともファン付きベスト単体よりも有効なのではないだろうか。いずれにしても、暑さが厳しい時には無理をせず、水分補給やエアコンの使用をおすすめする。夏はこれからが本番だ!

参考リンク:アイズフロンティア
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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