何を隠そう箱根そばは箱根にはない。小田急線の駅そば『箱根そば』に興味がある人の間では有名な話であるこの事実。じゃあ、なんで箱根そばと言うのか? それは「新宿から箱根に想いを馳せるそば屋だから」とどこかで聞いた気もするが本当のところは謎である。

というわけで、箱根に最も近いのは小田原駅の箱根そばになるわけ。今回、その小田原駅を通りかかったので箱根そば小田原店に行ってみたところ、店舗限定こだわりカレーなるものが展開されていた

・登戸店にもある

店外のタッチパネル券売機にそば、うどん以外に「店舗限定こだわりカレー」という項目ができているこのメニュー。登戸店でも見たことがあるので店舗限定と言っても小田原店限定というわけではない

登戸店に通りかかった時は食べた後だったのでスルーしたのだが、今はちょうどお腹も空いている。そこで項目を開いてみたところ、メニューは6種類のようだ。



・ラインナップ

そのうち、「店内仕込みポークカレー(税込770円)」が売切れており、人気を感じさせる。普通のカレーよりはちょっとオリジナリティーのあるものを注文したいが、「Wアスパラベーコン巻き天カレー(税込800円)」は気分じゃない。カレーに天ぷらはそば屋っぽいトッピングだけどなんか違うんだよな

そこで「黒毛和牛メンチカレー(税込780円)」をご飯大盛(150円)で注文。カツカレーより安いところが気に入った。出てきたカレーがこちら。



・風情

メンチはそこまで分厚かったりデカかったりしないけど、まあ安めだからな。納得できるくらいの見た目ではある。銀の皿に食堂みがあって良いですね

箱根そばはこのちょっとした風情も含めて箱根そばだ。店内に外国人客が多いのも、微量の何かを感じ取ってのことなのかもしれない。箱根そば小田原店にいる外国人はチルっててほっこりする。



・そばチェーンには珍しい味

さて置き、食べてみたところ、カレーは甘みの後にピリピリがくる感じ。いわゆる「大阪カレー」と呼ばれているものと似た方向性の味付で、立ち食いそばチェーンのカレーとしては珍しい。私(中澤)が大阪人のためか、この口当たりのトロけるような味に懐かしさを覚えた。

さらに、メンチカツは見た目よりも肉の味がする。さすが黒毛和牛。臭みもないし、素直な肉の味でカレーとの相性も良い。コク深さに箱根そばの冷やしそばの味が恋しくなった。



・肩の力が抜けている

ネットでバズってるとか、ゴリ推しの派手さはなく、サラッと店舗限定で出てるだけに肩の力も抜けている印象。そもそも私が小田原に来たのも日常を離れたいからなので、そんなリトルトリップ中のメンタルにしっくり来たのであった。

傷ついた心を優しく包み込んでくれたこのカレー。食べに行くほどのものではない。ただ、ちょっと寄って食べるにはちょうど良い。流れ流れて小田原。箱根でゆっくりできる日を夢見つつ今日の日はさようなら。ごちそうさまでした。

・今回紹介した店舗の情報

店名 箱根そば小田原店
住所 神奈川県小田原市城山1-1-1 小田急線小田原駅改札横
営業時間 月~金7:00~21:00 / 土日祝7:00~20:00
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.