日々イヤホンを使用していて、ふと思うことがある。有線にしろ、ワイヤレスにしろ、イヤーピースで音が変わるものなのか? 製品の違いは聞けば瞬時にわかる。とくに安物は音のバラつきが激しく、まさに “ピンキリ” だからだ。
だが、イヤーピースはそれ自体が音を鳴らすわけではなく、イヤホンの機能を補うにすぎない。にも関わらず、モノによって価格の開きが激しい。そこで100均のイヤーピースと、オーディオメーカーのイヤーピースを聞き比べてみたところ! あまり認めたくない結果になった……。
・ヨドバシにはイヤーピースコーナー
近年ワイヤレスイヤホンの急速な普及にともなって、イヤーピースもまた数多くの製品が販売されている。東京・新宿駅西口にヨドバシカメラには、少し前からイヤーピース専用コーナーが設けられているほどだ。
念のためにお伝えしておくと、イヤーピースとはイヤホンの先についているゴムやシリコンのカバー状のもののことだ。
イヤホンを耳にフィットさせて音漏れを防ぎ、なおかつ音質にも多少なりとも影響を与えるのである。ヨドバシの専用コーナーには安いモノは100円台から、高いモノ4000円台まで取り揃えられていた。
さて、ヨドバシで購入したのは、JVC「EP-FX-10M-B」(Mサイズ2組 税込2680円)である。私(佐藤)がこれまで購入した中でもっとも高いイヤーピースだ。それこそ、格安イヤホンが2つ3つ買えてしまうほどの代物である。
これと比較するために購入したのは、キャンドゥで販売している「シリコンパッド」(3サイズ 税込110円)と、「低反発イヤーピース」(1組 税込110円)である。
シリコンパッドは3サイズ(組)入っているので、1組あたり36円の安物だ。
私は過去に、低反発素材のイヤーピースを使ったことがある。ポリウレタンとシリコンを材質としており、耳にフィットするんだけど、耳に詰め物をしているみたいで、当時使っていたものはそんなに好きじゃなかった。これはどうだろうか……。
ヨドバシで購入したJVCは、高すぎず安すぎないものとしてこの価格のものを買ってみた。それでもイヤーピースに2600円は高いと思うのだが、はたして……。
ちなみにこのモデルは「SMP iFit」と呼ばれる素材を使用しており、内側に小さなドットがいくつも入っている。
・着け比べ、聞き比べ
比較に使うイヤホンは、JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」である。まずはこれの純正イヤーピースをつけた状態で、ブルーノ・マーズの「Runaway Baby」を聞いてみよう。
この着け心地と音を基準にして、ほかのイヤーピースを試していく。
ひとつずつ説明するのは回りくどいので、まとめてザックリお伝えしよう。
◆100均シリコン
着け心地:スカスカで引っ張ると抜けそう
音質:正規品とそれほど大きな違いを感じない
◆100均低反発
着け心地:ギュウギュウで耳穴にやや入りにくい。詰めモノをしている感じ
音質:低音がごっそりと削ぎ落された感じ。硬い音
◆ヨドバシJVC
着け心地:とても自然でスッと耳に馴染む
音質:全体の音量が少し上がって、音場が広くなったように感じられる
以上のような結果となった。
さすが2000円台ともなると、感触も聞こえ方も良く感じられるけど、正直感動するレベルではない。それよりもむしろ、100均シリコンが正規品とそれほど聞こえ方に、それほど違いがなかったことに驚いた。
ぶっちゃけたところ他の製品にしても、注意深く聞いていなければ、音にそこまで大きな違いを感じない。
もう少し歴然とした差が出ることに期待していたんだけど、100円も2000円も「それほど変わらない」という認めたくない結果となってしまった……。高額製品間の比較なら、違いが明瞭になるかもしれないので、また改めてトライしてみたいと思う。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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