また東京のランドマークがなくなる……。

2024年6月30日をもって、上野のファッションビルABAB(アブアブ)が78年の歴史に幕を下ろす。

閉店発表直後からセールを行っていたが、ついにあと2週間ほどで閉店。

店内はいったいどんな様子なのかと訪れてみたら……そこには今は亡き平成ギャル文化の香りが漂っていた!

・激安ファッションビル

実は私はギャル文化を通ってきていないサブカル者(もの)なので、ABABにはあまり縁がなかった。公式サイトのヒストリーをまとめつつ紹介したい。

ABABの前身は1945年に開店したスーパーの赤札堂。いまでも店内にはAkafudadoのロゴが入っている。

1964年にビルが落成し、当時から「ハイ・ファッション、ロー・プライス」というキャッチフレーズで商品を展開。

そして1970年にファッションストア・ABABへ変身。1978年からティーンズ路線を確立し、1982年には店内でミニFMを開設したりしていたらしい。


その後、何度かリニューアルを繰り返したのち、転機となるのが1997年。当時のギャル文化に対応して、ギャルブランドを集めまくったのである。

「me Jane(ミジェーン)」「LOVE BOAT(ラブボート)」「LDS(エルディーエス)」といった、ギャルじゃなかった私でも名前を知ってる有名ギャルブランドが入っていたそうな。

トレンドのギャル商品をどこよりも早く、どこよりも安く……をモットーにしていたという。プチプラ版の109みたいな感じだろうか。

ギャル文化の衰退&デフレとともに、2000年代以降はユニクロやスイパラ、サンキューマート、ダイソーといった激安系のテナントが増えていき、現在に至る……という感じ。



・ただでさえ安いギャル服が激安に

久しぶりに中に入って驚いたのだが、ただでさえプチプラな服が閉店価格でとんでもない安売りになっていいる……!

値上げ値上げでなんでも高くなっているこのご時世に、990円とか1980円でトレンド服が売っているではないか。

下手したら、GUとかH&Mより安いのではないだろうか……。

そして見事なまでに売っているのはギャル服! ギャル服! ギャル服のオンパレード!

今はY2Kブーム(2000年前後のファッションリバイバル)もあって、懐かしいデザインのロングブーツやミニスカートが売っていて、平成にトリップしたよう……。

とくに人気は靴コーナー。トレンドの厚底スニーカーやサンダルに人が群がっている。靴なんかなんぼあってもいいですからね……。

私が履いたら10秒でずっこけそうなギラギラの超ハイヒールとか、ブーツが2000円程度の激安価格で売られている……。

Y2Kファッションが流行ってるいま、頑なにギャル路線を貫いてきたABABはアツいんじゃないのか? 

時代が一周回ってABABが激アツなターンに入ったのに、ABABとはもうすぐお別れ……なんとも世知辛い!



・内装がなんともいえない

ちなみに個人的にグッときたのが、内装のデザインである。

平成初期から時が止まったような独特のデザインにグッと来る。

赤い丸ボディのエスカレーターの懐かしさ、フロア案内がなぜか斜めになってるところもよい。

階段のフロア案内の電飾やカラーリング……すべてが絶妙ななつかしさにあふれている。

ちなみに、閉店間際に4階から5階に行くエスカレーターは故障してしまったらしい。



・6月15日から全館半額セールスタート

今でも十分安いのだが、なんと6月15日からは50%オフセールがスタートするらしい。

トレンドの服を安くでゲットできるチャンスなのでは……? 多分、全身1万円で余裕でコーディネートできるはずだ。

ちなみに、6月13日現在、スイパラ、サンキューマート、ダイソーといったチェーン店ではセールを行っていなかったけど、15日以降はどうなるのかも注目。

ABABに思い出のあるみんなも、そうでない人も閉店前に詣でるべし!

参考リンク:ABAB
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.



▼6階チケットショップの手書きパネル、手書きの映画看板を思わせる懐かしさ。

▼平成っぽいギャル服じゃなくて今どきな病み系ファッションも安い

▼サブカル者は2階の古着屋さん「おひさま洋品店」の安さにぐっと着た。1000円でワンピが買えるし掘り出し物が多かった!

▼なにげにABABのダイソーは品揃えがよくて他で売り切れのものも売ってて便利でした……

▼コスメのセールやってるよ! 掘り出し物があるかも

▼フロア案内

▼閉店のあいさつ