ライターであると同時にミュージシャンでもある私(中澤)。バンド活動を開始してからそろそろ20年が経つが、音楽業界は甘いものではなくヒット曲なんてものはない。なんなら、一般リスナーが耳にするところまでたどり着くのさえ不可能な険しい世界である。

しかし、そんな私でも地道な活動の積み重ねにより、なんとか2023年の作詞や作曲の印税が20万円を超えた。やったー! と思っていたら、著作権管理をしてもらっているJASRACから「正会員資格を満たしました」という連絡が届いた。JASRAC正会員とは

・準会員

今までJASRAC内部と絡みがほぼなく、著作権使用料を徴収してもらい振り込んでもらうだけの、海に浮かぶワカメのごとき関わり方だった私だが、正会員となると違うかもしれない。

ワカメも悪くなかったが、せっかく記者という仕事をしているわけだし海に潜ってみるのも一興である。年会費は1万2000円にアップするが、そもそも印税が2022年から比べるとそれ以上に上がってるからこれは特に気にならなかった。その他の条件や申し込みの詳細等について気になる方は以前の記事をご参照いただけると幸いである。

・新正会員の皆さまへ

そんなわけで3月に申し込んだところ5月中旬くらいに手続き完了の通知が届いた。前回の記事で「悪の秘密結社」とか書いてたのに普通に手続き完了した……! どうやら、正会員カードは後ほど別で届くらしく、封筒には正会員のしおりみたいなのが入っている。

秘密結社的イメージがつきすぎているせいだろうか? 「新正会員の皆さまへ」というタイトルに魔王軍の入社式みたいな絵が連想される。魔王軍はホワイト企業なのかなあ。



・衝撃の特権

見開きのみのそのしおりをめくってみると、準会員と異なる点がまとめられていた。どうやら、JASRAC正会員には正会員だけの義務や権利がある模様。順を追って見て行くと……

見開き左側のページは前述の年会費のアップなどどちらかと言えば義務的な内容。ふむふむ、社員総会とかもあるのか。定款や約款や役員の選任などの方向性を決める場で議決権があるらしい。「正会員は議決権その他の権利を行使するよう努めてね」と書かれているのでこれもほぼ義務だな。

そう思いながら右側のページに移行したところ、衝撃の記載を発見した。ホゲエエエエエエエ


理事候補者選挙に立候補できてしまう


それどころか……


会長選挙にも立候補できてしまう……!!

会長選挙の立候補は他の正会員40人以上から推薦を受ける必要があるのでかなりキツイが、理事候補者選挙は10人以上の推薦だから頑張ったらワンチャンありそうなレベルに見える。JASRACの選挙出てみてェェェエエエ



・謎多き団体

もちろん、選挙に出たとて、全くJASRAC正会員と繋がりを持っていない私など泡沫候補も甚だしいだろうが、逆に選挙の泡沫候補になってみたい。誰やねん的な。念のため、そんな「新正会員の皆さまへ」の中身を包み隠さず公開しておこう

さて置き、正会員カードが送られてきたのはしおりが届いた1週間後くらいだった。準会員カードと並べてみると、色がゴールドになった以外特に変わった点は見受けられない。

というわけで、JASRAC正会員になって分かったのは、やはりJASRACにはまだまだ謎が多いということ。この海のどこまで潜れるのか分からないけど、潜れるところまで潜ってみるのも良いかもしれない。私が正会員でいられるうちに……! とりま、次は社員総会に行ってみようかなあ。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.