2024年3月16日から金沢~敦賀間が開業となった北陸新幹線。東京から敦賀まで一直線やー! というわけで、北陸新幹線に乗って敦賀に向かっていたところ、車内誌に「日本最古のトンネル」というのが載っていた

なんでも敦賀は日本初の鉄道敷設計画に選ばれた土地の1つらしい。そのため、古い鉄道遺産があり、現存する日本最古のトンネルである『小刀根トンネル(ことねとんねる)』もその1つなのだとか。こいつはロマンを感じるぜ! 行ってみよう。

・最寄り駅

鉄道遺産だしきっと駅から行きやすい場所だろう。カジュアルに掲載されている観光ガイドを見てそれくらいの軽い気持ちで最寄り駅の新疋田駅(しんひきたえき)で下車した。

敦賀から北陸本線に乗り換えひと駅の新疋田駅。ひと駅とは言え、駅間が離れているためもうすっかり山の中。その景色はガッツリした機材で撮影している人もいたくらい。

駅は無人駅だが、駅舎にはちょっとした写真館のようになっている場所もあって、寂れているという雰囲気ではない。人の足跡は感じられるのだ。どうやら知る人ぞ知る撮影スポットのようである。



・駅に近い集落

駅の時点で十分旅感を満喫できた。しかし、私の旅はむしろここから。駅前を走る殺風景なコンクリートの道路を進んでいくと集落があった。石畳と用水路が山間の集落って感じの良い雰囲気を出している


セミの声が聞こえたら風流になりそうな風景。夏に来てみたいものだ。

どうやら、愛発(あらち)の疋田区という地域らしい。漢字の読みづらさに歴史を感じるが、戦国時代の武将の碑とかもあり本当に歴史が深いスポットのようである。車とか鉄道のない時代にここに来るってだけで凄い。



・集落を抜けると

そんな疋田区の外れには丘の上に小学校があり、ここから道は山に向かっていく。どことなく『ひぐらしのなく頃に』を感じる小学校だ。富竹の生き方に憧れている私としては、年一で野鳥を探しに来たいレベルの場所である

私が生まれた町は田舎ではあるんだけど、大阪だからここまで味がないんだよなあ。そんなことを考えながら、もはや完全に山になった道路を歩いていくと、ひと山越えた辺りに次の集落が見えた。


・舐めてた

ちなみに、ここまでかかった時間は40分くらい。Googleマップ上では目的地はまだ先。正直、舐めていた。観光ガイドの感覚で言うと、かかって30分くらいかと。まさかひと山越えるとかそんなレベルだったとは。道のりが全然カジュアルじゃない。

もはや富竹になった妄想をするくらいしか考えることもなくなってきた。おっ! なかなか良い神社があるな。背後から足音が聞こえてきそうな雰囲気じゃないか

そんな集落の外れにバス停があった。バス停の名前は「新麻生口」。愛発線という路線で敦賀駅まで走っているコミュニティバスのようだ。



・バス停の先

なお、ここまでかかった時間は1時間くらい。そんなバス停の先には山の中の道路が続くのみ。バス停からトンネルをいくつかくぐってさらに30分くらい歩いた頃だろうか? ついに小刀根トンネル到着!

かかった時間は1時間30分。パンフレット見て思いつきで来るような場所ではなかったことはさて置き、まだ日は高かったが、ちょうど山影に隠れるような位置で辺りより一段暗くなっている小刀根トンネル。説明板によると、長さは56mで当時のままの姿で残る日本最古の鉄道トンネルなのだとか。


・入ってみたら

D51形蒸気機関車は小刀根トンネルの作られたと言われており、内部には蒸気機関車が排出した黒煙による煤(すす)が残っていたり、トンネル内で作業を行う保線員の退避抗もあったりするらしい。短いけど見どころはいっぱいありそう。そこで入ってみたところ……


水漏れがヤバすぎる

雨かってくらい天井から水滴が滴りまくっているのだ。おまけに真っ暗だから、よけるのがほぼ不可能なレベル。予想外の洗礼に一旦何も見ずに出てきてしまった



・退避抗

急流すべりに乗る気持ちで腹を決めてもう1度入ったところ、確かに天井には煤のような汚れが見える。途中から壁や床がゴツゴツしだしているのも今ほど技術が発達していなかった時代という感じがした。


お、これが退避抗かあ

退避抗はマジで1人分のスペースで、蒸気機関車が通る時にここに退避することを考えると普通に怖い。ギリギリすぎて巻き込み事故とありそう。

そのせいか、この周辺はなんだか気持ち悪い雰囲気。で、そんな気持ちの問題なのか、退避抗を撮っている時にちょっと意味わかんない現象が起こったんだけど、それは後述することにする


・バスがオススメ

トンネルを出ると日が傾き始めていたので帰りはバスで帰ることにした。前述の「新麻生口」からバスに乗ったところ、20分くらいで敦賀に着いた。歩いたからこそ伝えたい。絶対このコミュニティバスを使った方が楽だと。


ちなみに、本数は1日5本だから気をつけろ

とは言え、まあ歩いて損した気はしない。バスに乗っている時、山に沈む太陽を見てそう思った。1日仕事になってしまったけど、途中の集落は時間がゆっくり流れていて良かったし、それこそ旅のだいご味なのかもしれない。



・ここで終わるつもりだったけど……

と、取材した際はここで終わるつもりだったのだが、記事を書こうと小刀根トンネルについて調べたところ、予想外の情報が出てきた。

なんと、この小刀根トンネル、心霊スポットとしてネットで噂されている場所のようで、検索するとYouTuberや配信者が凸している動画が何個も出てくる。全然そんなつもりじゃなかったから、めちゃくちゃハッキリ撮ってもうたがな


・そう言えば……

で、ここで退避抗の撮影の際に起こった出来事を思いだした。実は、最初、退避抗を正面から撮ろうと思ったのだが、フラッシュを炊いて撮影しようとしたら、なぜか写真がうまく撮れないのである

ボタンを押してもシャッターが切れなかったり、シャッターが切れても、やたらアップで退避抗なのかなんなのか分からない感じになるのだ。十分距離はあったはずでズームの設定も何度も確認したのだがズームにはなってない。にもかかわらず、撮ったらドアップに撮れてしまう。ちなみに、その時に撮影した写真がこれら

仕方ないから、左右に振って撮影したところ、普通に撮影できたというわけ。むしろ、変なものが映ってなくて胸を撫でおろしている

というわけで、期せずして心霊スポット検証になってしまった本記事。知らなかっただけに、怖さを出すため夜に行ったりとかの演出もしてないので、逆に言うとよりリアルが知れるものになっているかもしれない。なお、今のところ特に体に不調とかは起こってません。現場からは以上です。

・今回訪れた心霊スポット

店名 小刀根トンネル
住所 福井県敦賀市刀根

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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