突然だが、皆さんは先週の木曜日、2024年2月22日が何の日だったかご存知だろうか? にゃんにゃんにゃんで猫の日! って違う違ーう! それもあるけど、もっと歴史的な日だったのである。これは事件と言っても過言ではない。そう……

日経平均が終値で史上最高値をマークしたのだ。これまでの日経平均の史上最高値はバブル期につけた3万8915円、対して22日の終値は3万9098円。バブル超えだ。実に34年ぶりの天井突破である。

そして、本日2月26日もその勢いは続投中。11時の日経平均株価約3万9345円だ。調子良すぎやろ。そう思ったので逆に空売りしてみることにした

・空売りとは

空売りとは信用取引で株を売ること。では信用取引とは何か? 楽天証券の言葉を引用すると「現金や株式を担保として証券会社に預けて、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を借りてそれを売ったりする取引のこと」だ。

簡単に言うと、持ってない株を先に売れるのが空売りである。で、株価が落ちた時に買い戻したら儲かるという普通の株の売買とは逆のシステムだ。

楽天証券の言葉の通り、これは借りて行われているもので、平たく言うと借金みたいなもの。なので返済期限があって、利子もある。

・株で人生終わることもあるヤツ

と、簡単に説明しただけでも普通の株の売買よりリスキーであることはご理解いただけるのではないだろうか。4年やってみての実感として、株で人生終わったとかの話は個人的には信用取引のパターンが多いのではないかと思う。

普通の売買だと無くなることはあっても借金何千万とかにはならないだろうし。まあ、例外はあるんかもしれんけど、少なくともこの4年ではそのやり方は分からなかった。

・信用口座を作ってみた

そんな信用取引を開始するには信用口座が必要になるので、まずはそれを作ってみた。申し込みは割と簡単。楽天証券の場合、マイメニューの中にある「申し込みが必要なお取引(信用、先物・オプション、FXなど)」を選択すると、色んな取引の表が出てくる。

信用取引はその1番上にあるので、横の手続き欄の申し込みボタンをクリック。現物取引経験とか年収、勤務先名などを聞かれるが、やろうとしてることを考えると当たり前のことばかりとも言える

そして、信用取引のルールへの同意があり、いくつかの質問がある。質問内容は株の売買の額以外で支払いが加算されるパターンの説明のようになっていた。で、この質問の最後に申し込みボタンがあるのでクリックしたら審査開始。

・レバレッジ

信用取引を行うための委託保証金は30万円からで、取引は口座のお金の最大約3.3倍(オンライン信用取引では約2.85倍)まで可能らしい。ハイリスク・ハイリターンというヤツだ。

審査結果は2営業日後にメールで届いた。どうやら私は大丈夫だったようである。ほっ。

・空売りしてみた

楽天証券のアプリを開き銘柄のページの注文から信用新規をタップすると、購入画面に遷移した。ここら辺のやり方は現物買いと同じだな。私は空売りがしたいので「売建」を選択。

期間は「制度6カ月」「一般無期限」「一般14日」「一般1日」があるけど、これは単に返済期日の違いだけじゃなく、制度と一般でも条件が色々変わってくるから注意。私は今回は制度6カ月でいく。

ちなみに、今回空売りするのはSUMCO。なぜSUMCOかと言うと、今朝だけで5.64%上がってるうえ、実は1700円台の時に購入した株が100株残っているのである

日経平均は34年ぶりの天井突破をしたわけだから、もっと上がるかもしれない。一方で、「調子良すぎて怖い下がるだろ」という見方もある。なにせ、株価は上下するもの。

だから、SUMCOをもうちょっと持とうか、この上げで売っちまうか結構悩んでいたのだ。今後もっと上がった場合は普通に嬉しく、下がった場合も信用取引分で嬉しい。というわけで2406.5円で指値を入れて100株信用売りをしてみた。


リスクヘッジとは言え、「注文する」ボタンを押すのはちょっと緊張する。信用取引のイメージがそうさせるのかもしれない。セイヤァー

・空売り後の気持ち

そんな感じのため、信用売りが約定された後は株価の動向を細かくチェックせずにはいられない。あわわ注文ボタンを押した時は2402円だったのに、直後に15円も上がっとる。いきなり評価損益額が-1804円になった。

一瞬焦ったが、その上げがひと段落した後、株価は落ち着いて13時42分現在は2388.5円に。評価損益額も+1396円になった。現物買いも信用売りも同じ100株なのに、なぜか信用売り目線になってしまうのはやっぱり賭けのイメージが強いせいかもしれない。

というわけで、初めての信用売りの記録をお届けした。ちょっとやっただけでこれなんだから、空売りで大きく張る人は肝っ玉が違う。ただ、このハラハラに慣れるのも怖いと感じた初体験であった。

参考リンク:日興証券「空売り」、楽天証券「信用取引入門
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.