2024年2月6日から関東の一部のファミリーマートで販売を開始した『だいたい(代替)海鮮丼(498円)』は、かなり変わった代物と申し上げていいだろう。
“代替” でおわかりの通り、ネタを他の食材で代替した海鮮丼なのだが、注目は「SDGs(エスディージーズ)」に配慮されている点だ。
やや意識が高すぎる気がしなくもないが、これも地球に生きる者の務め。発売開始直後の『だいたい(代替)海鮮丼』を食べてみることにした。
・SDGsって?
そもそも「SDGs」とは何なのだろう?
日本ユニセフによれば「SDGs」とは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」のことを指す。
持続可能とは「何かをし続けられる」ということ。
かいつまんで言えば「捕って食べる」だけではなく「育てながら、作りながら食べる」ことをしよう……という試みのことである。
日本にいると気付きにくいが、世界では70億人のうち8億4000万人以上が満足な食事が出来ずにいるという。
視野を広くして長い目で見れば「SDGs」も必要なことなのかもしれない。
・5種類の代替ネタ
さて、冒頭でもお伝えした通りファミマの『だいたい海鮮丼』のネタは、全て代替食品で構成されている。ここで5種類の代替ネタをご紹介しておこう。
かに → かに風味かまぼこ
うなぎ → うなぎの蒲焼き風のかまぼこ
うに → スケソウダラすり身、他
いくら → 植物油脂、サーモンオイル、他
ねぎとろ → こんにゃく粉、植物油脂
未来感というか、なんというか。正直に言ってしまえば、そりゃ普通の海鮮丼の方が食欲をそそる。ただいつかは『だいたい海鮮丼』を避けて通れない時がやってくるかもしれない。
一方で今現在の感情として「美味しくないとイヤだ」という想いがあることも事実。果たしてファミマの『だいたい海鮮丼』はどれほどの完成度なのだろうか?
・1品ずつレビュー
というわけで、だいたい海鮮丼を試食し「今現在の代替食品」の実力を確かめてみることに。まずが1つずつのネタの感想を手短にお伝えしていこう。
かに(かに風味かまぼこ)
カニではないがカニカマを食べ慣れているため、特に違和感はなし。ただ冷静に考えると、本当に全然カニではない。
うなぎ(うなぎの蒲焼き風のかまぼこ)
弾力のある かまぼこではなく、ソフトな口当たりのかまぼこ。タレの味は変わらないため普通には食べられた。ただやはり代替感は強い。
うに(スケソウダラすり身)
濃厚な旨味と口の中で溶けてゆく食感は、意外と本物に近い。少量であれば気付かない人もいるかもしれない。
いくら(植物油脂、サーモンオイル、他)
数粒しか入っていなかったため正確なジャッジは難しいが、サーモンオイルの効果なのかいくらっぽい風味はした。こちらもなかなか完成度は高い。
ねぎとろ(こんにゃく粉、植物油脂)
正直ちょっとダメだった。トロッとした食感はねぎとろに近い気がしなくもないが、口に入れた瞬間、私の体が嫌がる反応をしてしまった。個人的には無し。
・海鮮丼として
ご覧のようにネタによって評価はマチマチだが、不思議なことに「海鮮丼」としてはまあまあ成り立っていた印象だ。
おそらく理由は「酢メシ + しょう油」である程度の “海鮮丼度” が形成されていたこと。代替グルメのベースとして海鮮丼は目のつけどこがいいのではなかろうか?
ただし「めっちゃウマいから食ってみろ!」とオススメできるかと言われればそうではなかった。ややビビッていたことはあるにせよ、現段階で純粋な味だけではオススメしづらい。
それでも視野を広くして長い目で見れば「代替食」自体は避けて通れないのだろう。ファミマくらい身近なコンビニが『だいたい海鮮丼』を売り始めているという事実が、それを物語っているハズだ。
参照元:ファミリーマート 、 日本ユニセフ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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