1月25日はホットケーキの日。ホットケーキミックスでおなじみの森永製菓が「1年の中でも特に寒くなるこの時期に、ホットケーキを食べて心も体もあたたまってほしい」という願いが込めて制定したそうな……。
正月ムードもすっかり終わって「和」じゃない物が食べたくなる頃なのでちょうどいい気もする。
先日、ルミネのレストラン街で目についたのはアメリカの老舗パンケーキカフェ「オリジナルパンケーキハウス」なるお店だった。
専門店というだけあって、オールドスタイルの分厚いパンケーキからフワフワ系までそろっているのだが、看板メニューの「ダッチベイビー」なるホットケーキが衝撃的だったので紹介したい。
・パンケーキ食べたい
「オリジナルパンケーキハウス」は、1953年にアメリカで創業した老舗のパンケーキカフェで、これぞ古き良きアメリカのダイナー! って感じのポップな内装。日本国内でも9店舗を展開している。
公式サイトの説明によると「今ではアメリカの誰もが知っている」というので、アメリカの国民的なチェーン店なのだろう。
専門店というだけあって、オールドスタイルの分厚いものからフワフワ系までいろんなタイプのパンケーキがある。さらにはワッフルやフレンチトースト、ハンバーガーまで……。
はっきり言って粉ものスイーツ好きにはたまらないラインナップ。
パンケーキにベーコン、スクランブルエッグなどが載ったTHEアメリカの朝食っぽいプレートが目を引くが……
さらに気になったのは1番人気の「ダッチベイビー」なるパンケーキであった。
・見たことがなさすぎるビジュアル
アメリカの老舗パンケーキ専門店が出す一番人気のパンケーキ。そんなもん気になるに決まっている。
パンケーキと言われてまず思い浮かぶものといえば、まあるいキツネ色の焼き目にバターとハチミツがのったふっくらした生地だと思う。
ところが看板メニューの「ダッチベイビー」は、まるでそそり立つ壁か、中がくぼんだカルデラのような見た目。およそパンケーキとは思えないビジュアルである。
そもそも、アメリカ発のパンケーキハウスなのに「ダッチ(オランダの)」とはこれいかに……。
味も想像がつかないので早速注文。価格は1400円で注文してから出来上がるまで10分ほどかかるという。
そうしてやってきた謎の「ダッチベイビー」なるパンケーキは。とんでもないインパクトであった。
「熱いうちにお召し上がりください」という言葉とともに、食べ方の説明書を渡されたのだが、それもまた我々が知っているホットケーキと全く違う。
3種類のコンディメント(調味料)が一緒に渡されたのだが、これはホイップバター、レモン(3個)、粉砂糖である。よくあるバターとメープルシロップとかではないのだ。
まず、生地が熱いうちにホイップバターを全面に塗りひろげる。壁の部分までしっかりと!
そしたら、今度はレモンを全体に絞る。推奨量はなんとレモン3個全部。嘘でしょ、めっちゃ酸っぱくなるんじゃないの? 香り付け程度とかじゃないのかよ……。
最後に、カップいっぱいに入った粉砂糖を8割〜全部かける。こんなに大量の粉砂糖をふりかけたことはないぞ……。
・ドキドキしながら食べる
大量のレモン汁とバター、粉糖まみれのなぞの焼き菓子が誕生したが……これは一体!?
とにかく熱いうちに食べることが推奨されているので、ナイフを入れてさっそく食べていきたい。
肝心の生地はかなり薄めで。クレープのような、薄焼き卵のような不思議な感じ。今まで食べてきたホットケーキみたいな厚さはない。
そして、生地自体にはほとんど味がついていなくて、これまた不思議な食感をしている。
フワシュワっとした食感で、ほのかにモチモチ感もありクレープとシュークリームの皮とホットケーキを足して3で割ったような、軽〜い食感なのである。た、食べたことがないぞ。
これに、バターのコクとレモンの酸味、そして粉砂糖の上品な甘みが相まって、意外なほど美味しい。甘酸っぱいクレープみたいな味がするのだ!
「ダッチベイビー」はめちゃくちゃ大きいのだが、薄くてフワシュワした生地、そしてレモンの酸味がきいているおかげで意外なほどパクパク食べられてしまう。これは……たしかにハマるかもしれない。
・シンプルなクレープが好きな人はハマりそう
分厚くってフワフワで甘いパンケーキとは一味違うダッチベイビーパンケーキ。
生地自体は甘くないので、これまでパンケーキは苦手だと思っていた人にこそウケそう。あとは、ホイップクリームとかアイスをもりもりにしない、バターと砂糖だけで食べるシンプルなクレープとかガレットが好きな人は気に入りそうである。
ちなみに「ダッチベイビー」という名称は、オーブンでじっくり焼き上げるドイツ風のパンケーキということからきているらしい。
好き嫌いは分かれそうだけど、私はまた食べたいな……と思っている。近ごろは、生クリームの重さが胃に来るようになってきたので、ダッチベイビーのシンプルな味わいは「最後まで飽きずに食べられるちょうどよさ」があるのだ。
私が知っているどんなパンケーキとも違う、不思議なパンケーキであったので、近くに「オリジナルパンケーキハウス」の店舗がある人はぜひチャレンジを。
ちなみに「ダッチベイビーパンケーキ」は家にスキレット(鉄製の小さいフライパン)や、耐熱皿などがあれば自宅でもカンタンに作れるそう。気になる方はレシピを検索されたし。
参考リンク:オリジナルパンケーキハウス
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.