大事な話があるんだ。先日、当編集部のボスであるYoshioに1人別室へと呼び出された。何かやらかしてしまったかな……そう不安にかられる私だったが、フタを開ければその大事な話とやらは想像の遥か上を行くものであった。
というのも、聞けば「デイビッド・ベッカムになりたい」らしい。はっ!? ベッカムって、あのイケメン……元サッカー選手のデイビッド・ベッカム!? このオッサン正気かよと思ったが、Yoshioは至って大真面目だ。
・5人でベッカムに変身
Yoshioいわく、昔からベッカムが大好きでずっと憧れていたという。確かに当編集部の多くはアラフォーを中心とするドンピシャ世代。現在48歳のベッカムと大きく変わらないだけに、同じ時代を生きてきた。
特に2002年のサッカーW杯日韓大会の時はベッカムヘアの代名詞……ソフトモヒカンが大流行したことは、当時を知る人ならばハッキリと思い出せるだろう。あの頃の日本はソフトモヒカンの若者が大量発生したもんなぁ〜。
……とついつい昔を思い出してしまったが、人は髪型1つで印象がガラリと変わるものである。そう考えると、憧れのベッカムになれる可能性もゼロじゃない。つまり、Yoshioの「ベッカムになりたい」発言もワンチャンあるのだ。
そこでYoshioの長年の夢を叶えるべく、私を含めた4人が集結。美容室で「ベッカムにしてください」とお願いしてみた。あのベッカムのようにカッコよく……いわゆるイケオジにしてほしい!!
てことで、まずはベッカムになりたいメンバーと希望する髪型をお伝えしておこう。
↓原田たかし(私)↓
若かりし頃の貴公子ヘア
↓GO羽鳥↓
マンバン(団子状に結んだスタイル)
↓中澤星児↓
ソフトモヒカン
↓佐藤英典↓
コーンロウ
↓Yoshio↓
ポンパドール
・プロに任せよう
こうして見ると、ベッカムはいろんな髪型をしてきているのがよく分かる。そしてどの髪型でも似合っていたあたり、さすがベッカムである。一方、私たち普通のオッサンが真似したらどんな姿になってしまうのだろう。
不安しかないうえ我々の無茶すぎるオーダーを快く受けてくれたのは、新宿三丁目にある美容室「better」。プロの手を借りることで私たちはどこまでベッカムに近づけるのか。いざ運命のキックオフである。
長らく伸ばしていた髪をバッサリ切るもの、これまでやったことない髪型にするもの。それぞれの髪に新しい命が吹き込まれていく。
ベッカムというゴールに向かって進んでいくこと数時間。ついに我々は念願のベッカムになることができた!!!!
・ビフォーアフター
ちなみに今回、カラーに関してはゴールドカラーワックスとカラースプレーを美容室へ持参して特別にやっていただいた。それではさっそく見ていこう。まずは貴公子ヘアをオーダーした私から。
後ろから見るとエレガントな雰囲気さえあってオシャレ感もスゴい。これが自分の後ろ姿なんて信じられないし、マジのマジでベッカムになれてしまった……かもしれない。この貴公子っぽさ、妻のヴィクトリアが惚れたのも分かるぜェ……
……と思いきや!!
正面を向くと現実を突きつけられてしまった。キレイ感こそあるが、私のような普通のオッサンがやるとブレイキングダウンのオーディションに来たザコキャラみたいにしか見えず。貴公子が一瞬で吹っ飛んだあたり、やはり顔面力は大事なんだと痛感させられた……。
しかし、試合でいうとまだ前半も前半である。なにせ、先に書いたように日本でのベッカムヘアはソフトモヒカンと言っても過言じゃないのだ。
そしてそのソフトモヒカンをオーダーしたのは中澤記者。2年以上髪を切っておらず、超ロン毛からどうベッカムに近づいたのかというと……って、うおおおおぉ!!
ええやん!!!!
ええやん!!!!!!!!!
これまでずっと自分の髪型に迷ってたけど、初めて「これだ」と思うものに出会えたという中澤記者。そう考えたら、Yoshioがベッカムになりたいと言い出さないとソフトモヒカンとの運命の出会いはしていなかったことになる。
長髪から短髪へ、これには美容師さんもスゴく似合っていると太鼓判。ベッカムになれたかどうかはさておき、アラフォーにして探し続けてきたものが見つかったことは喜ばしい。
続いては一際目立つ髪型のコーンロウにチャレンジした佐藤記者だ。中澤記者と同じく、とにかく長い髪からのスタートだったが……
3時間もの時間をかけたとあってクオリティーがハンパない! うおおおおぉ……!! やっべぇぇぇぇ!!!!!
……と思うも、冷静になって正面から見るとベッカムというよりラッパーおじさんなのは気のせいだろうか。いや、似合ってるしカッコいい髪型なんだけどね!
それからベッカムに人一倍憧れているYoshioはどうだ。ポンパドールは最近のベッカムがやってる髪型だけに、ピンとくる人も多いだろう。
何気にサイドをガッツリ刈り上げることは初めてだったというYoshio。ポンパドールの特徴は清潔感で、ベッカムがやるとダンディーなのが印象的だが……
サイドをバッサリ切ったことで新鮮でイイ感じ……ではあるも、ダンディーよりも “ダディ” と言った方がしっくりくるかもしれない。いや、普通に似合ってるけれども!
──てな感じで4人がベッカムヘアになったのだが、実を言うとこの裏で大変なことが起きていた。そう、マンバンになる羽鳥は髪を染めて後ろに結ぶだけなので、美容室じゃなくて社内でベッカムになろうとしたら誰も予想だにしていない姿に……その詳細は次のページへ!!
参考リンク:Instagram @davidbeckham、davidbeckham.com
取材協力:better、Instagram @better_hairmake
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
イラスト:マミヤ狂四郎
オッサン5人が美容室で「ベッカムにしてください」とお願いしたらヤバいことになった(その2)
他の4人が美容室で順調にベッカムになっている一方、事務所にいたのは羽鳥、そして当編集部で何かとお手伝いをしてくれているマイ嬢だ。ベッカムのマンバンは金髪に染めて後ろで結えばOK。社内の「マイ美容室」で簡単に完成する予定だったのだが……
この日、羽鳥がサスペンダーをつけてたからか
これはベッカムというより……
タイタニックのディカプリオッ……!
ディカプリオことジャックやん!
竹内力が入ったジャックやん!!
絶対にタイタニックが沈む胡散臭いジャックやん!!
──と、思いがけずベッカムから逸れてしまっていた。とはいえ、これで5人全員がベッカムヘアに寄せ終えた。ここから気合を入れ直して後半戦へ。ギアをもう一段階上げ、ベッカムにもっと近づいていくとしよう。
ということで用意したのは……
ユニフォーム
そして次にやることといえば……
ベッカムの代名詞である
フリーキックであろう
このようにイメージできるものはたくさんあるのだが、現実とは時として残酷なものである。当初の予定だとイケメンになって手がつけられなくなるのを想定していたのに真逆! 手どころか足も出ないうえ、とある会社のフットサルチームにしか見えなくなってきた。
気持ちは間違いなくベッカムで髪も仕上がっているのに、何かやればやるほど本家から離れていく悲しさ。しかし、美容師さんの魔法はまだ続いている。諦めたらそこで試合終了だし、絶対に負けられない戦いがそこにはある。こうなったら奥の手を出すしかあるまい!
ズバリ、歌舞伎町進出である。東京・新宿のシンボルとも言える場所だけに、いつ行っても外国人観光客だらけ。もし私たちがベッカムになりきれているならば、歩いているだけでとんでもなく注目されるに違いない!
しかも、5人がかりでベッカムになっているのだ。もしかしたら大都会のド真ん中でパニックを引き起こしてしまうかもしれない。
──と、そんなあまりに無駄すぎる心配をしつつ、多くの人が行き交う「歌舞伎町一番街のアーチ」の前へ行ってみた。そしたら、な、なんと……
………………
恥ずかしくてパニックになったのは自分たちだった
いろんな人がいる歌舞伎町。ここにベッカムのユニフォームを着た金髪集団がいても、みんな気にも留めなかった。せいぜい「ベッカムのことが大好きなオッサン集団がフットサルに向かう途中」だと思われた程度だろう。
結果として、歌舞伎町を散歩しただけになってしまった我々。世界のどこへ行っても即バレするベッカムって、やっぱりとてつもないスーパースターなんだなぁ。改めてそれを肌で感じつつ、同時に大事なことにも気づかされたのだった。
それはチャレンジする精神である。今回5人のうち、実に3人が人生で初めてやる髪型だった。オッサンになった今でも、まだ新しい自分に出会える。いくつになっても前を向けば、遅いことなんてない。
そう、気づかせてくれたベッカムに感謝。同じ世代に生まれたこと、今もカッコいい存在でいることに勇気ももらえる。人生はまだまだ長いのだ。
なんだかベッカムになろうとすることで大きなものを得たような気がする。いずれにしても、ベッカムになるのが夢だと言ってたYoshioが……
終始楽しそうにしていて何より
こうして見ると夢は人を突き動かす力がある。そして大人になっても純粋な気持ちを持つことって大切なのだとも思わされる。
ダメから入っちゃダメ。オッサンだから……なんて年齢のせいにしてもダメ。やってみないと分からないことはたくさんあるのだ。
人生って
いくつになっても勉強だ
【完】
参考リンク:Instagram @davidbeckham、davidbeckham.com
取材協力:better、Instagram @better_hairmake
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
イラスト:マミヤ狂四郎
▼オマケ
▼中井貴一……!?
▼ウォーミングアップは大事
▼ストレッチするベッカムら
▼試合後、サポーターに感謝するベッカムら
▼株価を気にするベッカム
▼W杯日韓大会でイングランドをベスト8に導いたベッカムら
▼ネットフリックスの…
▼ドキュメンタリーシリーズ「ベッカム」を見る……
▼ベッカムら
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