輸入食材の多さについ忘れそうになるが、カルディはコーヒー店である。そもそも店頭でサービスコーヒーを配ってるし、レジの前にもずらりとコーヒー豆が並んでいる。
で、そんなカルディを見ていたら、目玉が飛び出るほど高いドリップコーヒーが売られていた! なんでもコーヒーの世界大会で1位を獲った豆なのだとか……。
気になるお値段、なんとドリップ1枚で900円!! ホゲー!!!
店頭の試飲で配られているマイルドカルディが10枚入りで550円……つまり1枚55円なので、約17倍である。とてもカルディとは思えない超高級価格。気になる指数100%である。
というわけで本企画「気になるカルディ」で飲んでみることにしたぞ!
・ホンジュラスのコーヒー大会で優勝したコーヒー
目んたまが飛び出るほど高いドリップコーヒーは「カップ・オブ・エクセレンス」というコーヒーの生産国でその年の最も優れたコーヒーを決める国際品評会で入賞したもの。入賞したコーヒーはオンラインオークションで世界中の業者からの入札によって価格が決まるそうな。
2022年にホンジュラスで開かれたその品評会で1位、6位の、10位のコーヒーをカルディが落札して数量限定で販売している……ということのようだ。
ラインナップは以下の通り。
1位の「ラ・サルサ農園 ゲイシャ ウォッシュド」は900円。
6位の「ラス・バージニアス農園 ゲイシャ ウォッシュド」は600円
10位の「ラ・レイナ農園 ゲイシャ ハニー」が300円。
いずれもドリップパック1枚の値段である。高い。シンプルに高い。カルディの他のドリップコーヒーが高いものでも200円以下なのに、この値段。
コーヒーとかワインは素人には味の良し悪しが分かりづらいイメージがあるが、さすがに世界一のコーヒーともなればハッキリ分かるくらい美味しいのだろうか。
・細心の注意をはらってドリップ
手軽に淹れられるドリップコーヒーだが、お値段は900円である。失敗は許されない。
実家の食器棚から滅多に使わない高いカップアンドソーサーを出して、鉄瓶で湯を沸かしてカップを温めるところからスタート。
できあがりは140mlが目安ということなので、カップに140ミリのお湯をいれて温め、できあがりの量を確認する。
ドリップの封を開けると……コーヒーのいい香りがする。語彙力がゼロで申し訳ないのだが、変な苦味とかもなく、芳しい香り……という印象。
しかし、900円でもいつもどおりの紙のドリッパーなんだな! ちょっと拍子抜け。
ペリッと中を開けてみてみると……コーヒー豆の色が普段飲んでるものよりもだいぶ明るいぞ! 焦げ茶色じゃなくて、完全なる茶色。
つまりすごく浅煎りってことだな……。私の乏しいコーヒーの知識から、茶色い=浅煎りという答えが導き出された。
・慎重に淹れていく
沸かした湯を慎重に注いでいく……。うしろの淹れ方に書いてあるとおりに、20秒蒸らして、2〜3回に分けて注いだのだが……。
ん……?
写真だと分かりづらいのだが、ちょっと濃い目に入れた紅茶かな? というくらい色が薄いのである。
高級品だと知らずに淹れたら、色がうすすぎてビックリすると思う。浅煎りだから当たり前なのだが、今までにないコーヒーの色でかなり驚いた。
もしかして淹れ方失敗した? 正解がわからない……。
そんなこんなで出来上がったのがこちら。香りはすごくいい。香ばしいというよりは軽やかな感じ?
さぞかし美味しいのだろうなと思いつつ実際に飲んでみると……
えっと……すごく酸味がある。
・フルーティーな香りが特徴のゲイシャ種
ちなみに、この「ゲイシャ種」というコーヒーの特徴は、オレンジやグレープフルーツを彷彿とさせるフレッシュな酸味と甘み。
コーヒーによくある苦味はほとんどなくて、まるで紅茶のような酸味というか。ふだん飲んでいるコーヒーとはまったく違う味がすると言っても過言ではない。
とはいえ、酸化した嫌な酸っぱさとかではないんだが、とにかく酸味が突出している。これが説明書にあったような「ジャスミンやピーチのような風味が広がる、気品に満ちた味わい」なのか……。
うーん、そう言われたら……
そんな……気が……
する……。
実際、ほとんど苦味を感じなかったのと、飲んだあと喉の奥から花やフルーツみたいないい香りがした……。余韻がいいというのだろうか。
・全国で売られることに価値がある
この酸味の強さ、普段から産地にこだわったスペシャリティコーヒーを飲み慣れている人だったら「ああ浅煎りの高いコーヒーってこんな感じだよね」と納得すると思う。
しかし、昔ながらの喫茶店やスタバのエスプレッソの苦味に慣れている人だったら「こんな酸っぱいのがコーヒーなのか」と言いそうな味というか……。
知識がないとファーストインプレッションで「美味しい!」とはなりづらいかもしれない。
すごく勉強になったのだけど、私のようなコーヒーの美味さがまだよくわからない人間には、完全に「豚に真珠」、「猫に小判」になってしまった気もする。
ただ、私にはもったいない代物だったな……とは思ったけれど、美味しさが分からなかったから買わなきゃよかったとはまったく思わない。
こうした貴重なコーヒーが全国のカルディに手軽なドリップコーヒーとして出回る……ということは意味があると思う。
すしざんまいの社長がセリで落とした高いマグロを正月に振る舞うような、そんなイメージなのかもしれない。
普通のコーヒーと全然違うので好き嫌いは分かれそうだけど、何事も経験が大事。高いコーヒーがどんな味か知りたい人は飲んでみる価値はあると思う。
【忖度ゼロ評価】
珍しい度 ★★★★★
買い指数 ★★★☆☆